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【本】小説永井荷風伝

著者 佐藤春夫 岩波文庫 2009年6月(初出1960年)

永井荷風(1879-1959)
佐藤春夫(1892-1964)

このふたりは、作家と読者、師弟でもあったが何よりも詩人と詩人であった。

荷風の亡くなったことをラジオで聞いた4月30日、春夫の庭のマロニエは花盛りだった。彼は人に頼んでその高い梢の花を一枝折り、

「まろにえ 巴里の青嵐に黒き髪なびきけん
 師が在りし日を われらしのびまつれば」

という献詩とともに荷風の霊前に捧げたとある。

むさくるしい家にひとりで死んだ荷風に、その青春の面影を重ねるのは、10代からの愛読者であった、詩人である春夫だからだろう。

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