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【本】石の花ー林芙美子の真実

太田治子著 2008年 ちくま書房 よく知られているように、著者は「斜陽」のヒロインと太宰治の間に生れた婚外の子である。(正妻の子は津島佑子)これは初めて知ったことだが、太宰の死後、林芙美子から養子に、という話があったそうだ。そのせいもあってか、この本は単なる評伝では無く、熱い追慕の情に支えられている。 印象的なのは、林芙美子に関する説を大胆に新しく解釈していることだ。菊田一夫作で森光子主演の . . . 本文を読む
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【本】伸子

著者 宮本百合子1985年 ほるぷ出版・日本の文学43-44 初出1928年改造社 県立図書館 読んだつもりが読んでなかった。あまりにも有名な作品にはよくそういうことがある。 彼女の素晴しい文才を再確認した。第一次大戦の戦勝日にニューヨークに居合わせたらしいが、場の雰囲気をこれほどたくみに写生することはなかなか出来ない。 20歳の彼女が、後ろに捨ててきた生家のすべての長所を備え、短所を除いた性 . . . 本文を読む
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【本】かもめ食堂

2006年 幻灯社 著者 群ようこフィンランドの首都ヘルシンキで、食堂を開いている日本人女性とそのまわりに現われる人々を描いている。群ようこの著書はこれが始めて。映画を見てから読んだ。映画では省略してある各人の過去が分った。挿絵のある人物が「もたいまさこ」そっくりだ。本と映画とどちらが先だったのか。登場する日本女性が、38歳、40歳、50歳とわりに年を食っていることと、男出入りが無い点で、気分良く . . . 本文を読む
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【本】宮本百合子 作家の自伝

1997年 日本図書センター 作家の自伝シリーズ46 著者 宮本百合子(1899-1951) 彼女の作品で今まで読んだのは手紙や評伝をのぞけば「伸子」「二つの庭」などわずかに限られている。その他の部分を読んで、びっくりしたり、感動したり、ふふと微笑んだりした。 1 行方不明の処女作(1935)私の青春時代(1949) 2 一つの出来事(1919) 3 我に叛く(1921) 4 広場(1940) . . . 本文を読む
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【本】壺井榮 「秋蒔きの種」

「二十四の瞳」「坂道」「母のない子と子のない母と」などの作家が、こういう作品も書いていた。 「秋蒔きの種」「宿根草」「妻の座」「渋谷道玄坂」などの「閑子(かんこ)もの」と言われる4作品だ。(1998年文泉堂出版 壺井榮全集3) 背景にあるのは妻と死別した徳永直が終戦直後の1946年、壺井榮の妹と再婚したが、2か月後に破綻したという実話だ。徳永直は「太陽のない街」「はたらく一家」などで非常に読み . . . 本文を読む
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平林たい子「自傳的交友録・實感的作家論」

1960年 文芸春秋社刊 . . . 本文を読む
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【本】こんな私が大嫌い!

中村うさぎ著 2009年11月 理論社刊 よりみちパン!セ週刊誌などで良く見る名前。彼女は女王様と自称、買物依存症だとか、顔を整形したとか、私とは縁の遠い人かと思っていたが、意外にも共通点があった。アダルトチルドレンと言う点だ。小さい時母親に十分愛され(たと思っ)ていないのが、自分嫌いの源。それを、彼女は「母の呪い」「自分で自分にかけた呪い」と言い、似た例としてカレン・カーペンターを取り上げる。彼 . . . 本文を読む
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宇野千代集

おはんの映画を見て . . . 本文を読む
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【本】脳は0.1秒で恋をする

2009年 PHP出版 茂木健一郎著 (1155円)脱税で話題になった人だが、日頃、TVや本・ブログ・雑誌に書いたり喋ったり、時間と体力があるものだと思っていた。脱税は某国首相もアル・カポネも犯した過ち。別に悪気があったわけではないでしょう。コンビニで発見。いい年をして、こんなタイトルにフラフラと引き寄せられるなんて、それこそ「0.1秒で」この書物に恋をしたわけだろうか。内容はさして新味があるわけ . . . 本文を読む
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【本】ピーター・パン

1904年初出 ジェイムズ・M・バリ著 佐伯泰樹訳 1995年 中央公論社刊県立図書館ピーターは忘れっぽい。ウェンディや弟たちにとっては一生忘れられない大冒険も、次にあった時にはもう忘れている。フック船長もティンカーベルも過去の人。年に一度、春の大掃除には会えるはずのウェンディを迎えに来るのも、時々忘れる。ウェンディは20歳になっても、結婚して子供が出来ても、忘れない。でも今は彼女の子供が、こっそ . . . 本文を読む
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【本】わが祖国中国の悲惨な真実

2006 飛鳥新社 . . . 本文を読む
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【本】パセリ通りの古い家

1955年 岩波少年文庫 マルゴット・ベナリィ=イスベルト著 藤村宏訳 赤松俊子画 原題「Die Arche Noah」(ノアの箱舟) 図書館のジュニアコーナーで発見、懐かしさに手に取った。 第二次大戦直後のドイツで、東北ドイツから流れてきた母子5人家族が厳しい状況の中でいかに生きていったかが、生活の細部を通して描かれている。「古い家」というのは1683年の建築で老婦人がひとりで住んでいる。そ . . . 本文を読む
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【本】叶恭子の知のジュエリー12ヶ月

2008年 理論社(よりみちパン!セ)叶恭子著  彼女の名から、顔と身体の素晴しさや性的な大胆さしか連想しない世の人(私も含めて)はこれを読んでその間違いを悟るべきだ。 一読して、ギリシャの哲人かと思う。女子中高生の悩みや疑問に優しく、力強く答える。例えば、「自分を偽るくらいなら友だちはいなくても良い」という言葉も出て来る。人間関係に悩む女性への応援歌は、彼女自身の生き方から生まれたものらしい . . . 本文を読む
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原田康子「満月」

新潮文庫1988年 (初出1984年朝日新聞社) 1992年古書店にて300円で購入(定価640円) 著者はこの10月20日、81歳で亡くなった。新聞で見る細長い顔の輪郭にデビュー当時の面影が浮んだ。渡辺淳一氏は「飄々たる日本のサガン」と言う見出しで27日の毎日新聞に思い出を語っている。彼女の小説が1冊だけ手元にあったので、読んで見た。 300年をタイムスリップして札幌に現われた27歳の侍、杉 . . . 本文を読む
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【本】無言館ものがたり

著者 窪島誠一郎 1998年講談社発行 県図書館のジュニアコーナーで発見、館内で読了。 長野県上田市にある戦没画学生の美術館「無言館」「信濃デッサン館」 の館長である著者が、同館の創設のいきさつと、個々の絵と画家を語っている。 関西で展覧会に行った人から絵葉書を貰ったりこともある。 一読、何という純粋な思いやりと、繊細な感受性の人だろうと、帰り道、感動をかみ締めながら家に急いだ。それにしても、 . . . 本文を読む
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