『おいしい水』の歌詞をよく知らずにいたのだけれど、ふと気になって調べてみた。
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あなたを愛したいと思うけど、怖かった。
そうなの、心を守ろうとしていたんだ。 と思う
でもそんな愛が、私にある秘密を教えてくれる。
怖がってばかりだと 心が死んでしまう って。
Água de beber, Água de beber camará
初めて正しいことをしてしまったような気がする。
今はもう全てが許されている。
私の家はもう開けっぱなし。
そう、心の扉もすべて開け放しちゃったのよ。
Água de beber, Água de beber camará
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以上、
ボッサレコーズのコラム『ラジオ第一回目(Sep.2007)』参照です。
何だか奥ゆかしい恋と決意がにじみでていて、いいと思う。
ところが、、
シナトラが英語で唄う「おいしい水」英語訳→日本語の方はというと、
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君の愛は雨、私の心は花 愛がなければ死ぬさだめ
私の命は君が握っている 枯れ果てるか、花開くか
飲むための水を 乾いた花に施しておくれ
飲むための水を 乾いた花に施しておくれ
雨は遠き砂漠に降るのか 海に降るか、花に降るか
いずれ降るべきものなら 私のもとに降っておくれ
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演歌ですか!?
まあ、ポルトガル語→英語→日本語ですから、原型留めるのも難しいですけど。
「上を向いて歩こう」が「スキヤキ」になっちゃうみたいなもので、文化が国境を越える時には大きな変質ってけっこうありますよね。
最近になって、たまたま『あなたになら言える秘密のこと』という映画を観たんですが、この映画にしても、タイトルだけならゼッタイに観なかったと思う。。センスゼロだし。
原題は『The Secret Life of Words』
そのままでいいじゃん。
イザベル・コイシェは『死ぬまでにしたい10のこと』で一躍有名になった監督ですよね。
彼女は映画の中で結構古いロックを使用してくれて、僕としては嬉しい。
『死ぬまでにしたい…』ではビーチボーイズ『God only knows』を主演サラ・ポーリーが口ずさむシーンがあったそうだし。(僕は観たけど覚えていなかったけど、村上春樹の『村上ソングズ』によるとそのようです。)
今回はディープ・パープル、キンクス、トム・ウェイツ、エンドロールはデヴィッド・バーンと素晴らしいラインナップ。
この辺りが彼女の趣味なんだとすれば、これはなかなか好感がもてるな、と思うのです。
で、何の話でしたっけ?
ああ、タイトルの訳が変だよね、歌詞の訳も変だよね、という話。
え~と、どうでもよくなってきちゃいました。。
とりあえず、モノゴトの多くには多様な意味合いがあるので、なるべく偏見をもたずに好きなものを知っていけたら良いなあ、ということでしょうか。
嫌いな人の良い面を見ると、とたんに好きになったり。
駄目だなあ、と思っていた映画がふといいと思うようになったり。
イメージで食わず嫌いしていたジャニーズの嵐が結構いいな、と思えてきたり。
まあ、なにかと変節ってあるものです。
角がとれてきたのか、というと、そうかもしれないし、おっさん化してきたのか、というと、そうかもしれないが。