親愛なる日記

僕が 日々見つめていたいもの。詩・感情の機微等。言葉は装い。音楽遊泳。時よ、止まれ!

三寒四温

2009年02月17日 | ささいなこと



暖かい日が続いたかと思うと一転して寒い今日。週末にはまた暖かくなる。

そんな三寒四温の今日この頃。

本日の一曲は時代遅れかもしれませんが、偉大なるカナダのブルーズシンガー

ブルースコバーンでござ~い。ドンドンドン♪

君の部屋にもこんな風に音符が降ってくるとよいのですが…。

とにかくこんな時期には風邪などひかぬよう気をつけて下さいね。

あともう少しで春ですよ。





小さな声に耳をすませば 追記

2009年02月17日 | 出来事
親愛なる村上春樹氏が危険を承知で発信したメッセージです。 空爆を命じた当の本人であるペレス首相の目の前でのスピーチということです。。ひえ~。

日本の新聞ではよくわからなかったので、比較的長めのスピーチを見つけたのでご紹介します。

(追記)全文を掲載したサイトを発見したので最後にURL貼りました。
よろしければそちらもどうぞ。

So I have come to Jerusalem. I have a come as a novelist, that is - a spinner of lies.

そんな訳で、イスラエルまでやって来ました。僕は作家としてやって来ました。つまり、嘘の紡ぎ手としてです。

Novelists aren't the only ones who tell lies - politicians do (sorry, Mr. President) - and diplomats, too. But something distinguishes the novelists from the others. We aren't prosecuted for our lies: we are praised. And the bigger the lie, the more praise we get.

嘘をつくのは作家だけではありません-政治家(失礼、大統領閣下)や外交官も嘘をつきます。しかし、作家には他の人々とは違う点があります。作家は嘘をついた角で訴えられることはないですし、むしろ賞賛されます。しかも、嘘が大きければ大きいほど賞賛も大きくなるのです。

The difference between our lies and their lies is that our lies help bring out the truth. It's hard to grasp the truth in its entirety - so we transfer it to the fictional realm. But first, we have to clarify where the truth lies within ourselves.

僕たち作家の嘘が他の嘘と異なるのは、その嘘が真実を導き出す助けになることです。真実全体を把握することは容易ではありません。だから僕らはそれを一度フィクションの領域に翻訳するのです。しかし、そのためにはまず僕たちの中のどこに『真実』があるのかを明らかにしなくてはなりません。

Today, I will tell the truth. There are only a few days a year when I do not engage in telling lies. Today is one of them.

今日、僕は真実を話そうと思います。僕が嘘紡ぎにいそしまない日は年に数日しかないのですが、今日はそのうちの一日ということです。

When I was asked to accept this award, I was warned from coming here because of the fighting in Gaza. I asked myself: Is visiting Israel the proper thing to do? Will I be supporting one side?

僕が受賞の知らせを受けたとき、ガザで戦闘が続いていたこともあり、この地を訪れることを警告されていました。僕は自問しました。イスラエルを訪れることは適切なのだろうか?どちらか一方の側に味方する行為にならないだろうか?

I gave it some thought. And I decided to come. Like most novelists, I like to do exactly the opposite of what I'm told. It's in my nature as a novelist. Novelists can't trust anything they haven't seen with their own eyes or touched with their own hands. So I chose to see. I chose to speak here rather than say nothing.
So here is what I have come to say.

しばらく考えました。そして決心をしたのです。ここへ来ることを。多くの作家がそうであるように、僕も人に言われたことと逆のことをするのが好きなのです。これは、作家としての習性です。作家は自分の目で見て、自分の手で触れたもの以外を信用することができません。だから僕は見る方を選びました。口を塞いでしまうことよりも、ここで話すことを選びました。そして僕が話したいのはこんなことです。


If there is a hard, high wall and an egg that breaks against it, no matter how right the wall or how wrong the egg, I will stand on the side of the egg.

もしそこに硬く高い壁があって、そこに卵が投げつけられていたら -その壁がいかに正しくどれほど卵が間違っていたとしても- 僕は卵の側に立とう、と。

Why? Because each of us is an egg, a unique soul enclosed in a fragile egg. Each of us is confronting a high wall. The high wall is the system which forces us to do the things we would not ordinarily see fit to do as individuals.

何故か?僕らはそれぞれがみな卵だからです。かけがえのない魂を脆い殻のなかに宿した卵なのです。僕らはそれぞれがみな高い壁に立ち向かっています。高い壁とは、通常なら個人で考えもしないようなことまでやらせようと仕向けるシステムのことです。

I have only one purpose in writing novels, that is to draw out the unique divinity of the individual. To gratify uniqueness. To keep the system from tangling us. So - I write stories of life, love. Make people laugh and cry.

僕が小説を書く目的は一つしかありません。それは、個人が持つかけがえのない神々しさを描き出すことです。かけがえなくあることを喜ぶために。そしてまた、システムが僕らを汲み取ってしまわぬように。だから、僕は人生と愛についての物語を書くのです。人々に泣き笑いしてもらえるように。

We are all human beings, individuals, fragile eggs. We have no hope against the wall: it's too high, too dark, too cold. To fight the wall, we must join our souls together for warmth, strength. We must not let the system control us - create who we are. It is we who created the system.

僕らはみな同じ人間であり、個人であり、脆い卵なのです。壁と戦っても勝ち目はありません。壁はあまりに高く、暗くて、冷ややかなのです。僕らはぬくもりと強さを求めて心を一つにする、そうやって壁と戦うよりほかにないのです。僕らは自ら創りあげたシステムにコントロールされてはなりません。それを創りだしたのは他ならぬ僕らなのですから。

I am grateful to you, Israelis, for reading my books. I hope we are sharing something meaningful. You are the biggest reason why I am here.

みなさんに、僕の本を読んでくれたイスラエルの人々に感謝致します。僕はなにか有意義なものをみなさんと分かち合えることを願っております。僕がこの場に来れたのも、ひとえにみなさんのおかげなのですから。


物語る人として、戦い続ける彼の小さな声が一人でも多くの人に届くことを願ってやみません。

新作が既に完成済みとのことですが、待ち遠しくてしょうがない私であります。


追記:全文発見しました!

http://www.47news.jp/47topics/e/93879.php

僕が載せた文章に欠けている部分は、おそらく現地の新聞に意図的に隠されたものでしょうね。