親愛なる日記

僕が 日々見つめていたいもの。詩・感情の機微等。言葉は装い。音楽遊泳。時よ、止まれ!

死んだら 化石になりたい

2009年02月01日 | 好きな映画や本など
Q:

死んだら、化石になることがわたしの夢です。化石になる確率を高めるために、何かできることはあるでしょうか?死体はどこに埋葬するのがよいでしょうか?どれくらいの歳月で化石になれるものでしょうか?

という、イギリスのとある女の子からの質問に、科学者は答える。

A:

化石になりたいのですか?殊勝な心がけですね。しかし、幸先はよくありません。
硬くて、石灰化した骨格をもち、海中生活を送っていたほうが、化石になれるチャンスは高かったでしょう。とはいえ、ないものねだりをしても始まりませんね。わたしたちに与えられているのは、内骨格と、やわらかい皮膚です。


この際、やわらかい皮膚の方はあきらめましょう。山登りやスキーをしていて、氷河の裂けめにでも落ちれば、しわくちゃのミイラにはなれます。

しかし、それでは本物の化石になったとは言えません。いっときのあいだ、死体が保存されるだけです。地質学的な年代を生き延びたいと思うなら、歯や骨に可能性を託さなくてはなりません。歯や骨の化石化には、それらのさらなる石灰化がともないますので、普段から食事に気をつけたいところです。チーズや牛乳などで、カルシウムをとりましょう。

また、歯の健康維持にも務めなくてはいけません。

化石になりたいあたなたにとって一番頼りになるのは歯です。いい歯医者を見つけて、定期的に診てもらってください。


その次に考えるべきことは場所です。

どこで死んだら、長いあいだ、安らかな眠りを妨げられないか。

過去に洞窟での成功例がありますから、まずは近くの洞窟を探検してみるとよいかもしれません。ただし、探検の前にはじゅぶんな準備をお忘れなく。

いい場所がみつからない場合は、迅速な対応が必要になります。たとえば、遠くで火山が噴火したとき、「今の音は何だろう?」といぶかしんでいるあいだに、そのまま埋葬される。そういう迅速さです。


化石になるために好都合な自然現象を求めて、旅に出たくなってきたことでしょう。干上がった砂漠の河床で、鉄砲水のでる雨季にキャンプをするというのはいいアイデアです。

または豪雨の日に、熱帯河川の氾濫原を散策したら、きっと望む場所にたどりつけます。無酸素状態の泥に生き埋めになること、まちがいなしです。

もしくは活火山の山腹で軽快なピクニックを楽しむというのはどうでしょうか?

ただし溶岩によって荼毘にふされてしまっては元も子もありません。あくまで、火山灰に埋もれて下さい。


言うまでもなく、化石になれる確率は宝くじに当たる確率よりさらに低いものです。ですが、もしあなたが化石になるべく旅立つときはぜひ連絡してください。

地質学者は常にめずらしい標本を探していますので、化石になる場所を教えてください。

百万年後、我々はあなたを発掘して差し上げます。


                  (二見書房『超科学講座』より)
実証 超科学講座

二見書房

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このシンプルかつ壮大な質問に対する科学者のユーモア溢れる対応に爆笑してしまいました。

この他にも、

Q:噴火に見舞われてしまって、溶岩の中をサーフィンで逃げなくちゃならないときは、どんな板に乗ればいいですか?どんな板なら溶けないですか?


Q:エイリアンがやってきて、月を持ち去ってしまったら、地球にはどんな影響がありますか?


Q:どれぐらい太ったら、防弾性の体になれますか?


など奇想天外な子どもたちの質問に複数の科学者が真剣かつ楽しく回答を行っています。興味のある方は読んでみて下さい。


最後に、大好きなラーメンズの「科学の子」を思い出したので、ついでにアップしておきます。





『サイエンス・ラブ』に思わず噴出。


さて、休憩もお仕舞い。お仕舞い。