親愛なる日記

僕が 日々見つめていたいもの。詩・感情の機微等。言葉は装い。音楽遊泳。時よ、止まれ!

妻にキスをする男

2009年07月31日 | 物語
僕の横に眠る妻は、ほんとうにほんとうの僕の妻であるだろうか。

夜中にふと、気になって鼻をくいっと捻ったり、唇や頬をつまんでみる。
むゃっ、と言って、妻はその手をうっとおしそうにはねのける。

当たり前だ。

気持ちよく眠っている鼻を突然くいっとされたら、誰だってうっとおしい。

僕がされたら、いらっ、とする。

でもしかし、その夜なぜか、自分がされたくないことを人にしてはいけません、という原則も、どこか釈然とせず、

妻が不快に思うにせよ、耳たぶをつまんでみたくなったのである。



ちょ…今何時よ。

ほぼ寝ぼけて彼女は言った。

時間については僕は知らない。なにせ暗いし、君を見てるから時間はわからない。

僕の返事をあっさりと無視して、状態を起こし、時計を鼻の先まで近づける彼女、

イチジ…ヨンジップン…。

なんなの?一体。眠れないならワタシを起こさずに勝手に起きてればいいじゃないの。いい?何度も言ってると思うけど、ワタシにとって眠ることは何よりも重要なの。生きてる喜びの全てが眠りにつまっているのよ。だから、眠ってるアタシにだけはゼッタイに触らないで、本気で。そういうわけでおやすみ。


といって、また眠りに溶けていった。

こんこんと眠る彼女は、彼女の王国に帰ってしまった。



眠りとは、夕暮れのように人にさよならを言う。

おやすみとは、さよなら。

僕は砂場に一人残されて、帰る場所を失っていた。

窓の月を眺める。

眠りの国は、月の国みたいなところだろうか。空気がないからモノクロームなの?

そんなこと思ってみたけど、寄る辺なし。

確かに、魔法の先生がむかしむか~し言ったように、

ある種の魔法は 本人に知れないようにそっとかけるのがよいことなのかもしれない。

けど先生!いくら魔法使いだっても、そんな夜は少しさびしいものなんですね。


僕は妻にキスをする。


妻は王国の中、天蓋つきのクイーンサイズベッドで、愛犬を抱いて眠っていたそうだ。

犬がね、アタシの眠りを邪魔をするのよ。

翌朝になって、そう話してくれた妻に、


それはほんとうに災難だったね。

と、僕は言った。

夏の夕暮れ

2009年07月31日 | ささいなこと
昨日、静岡の「めんぱ」職人のもとに話を聞きに行きました。

その職人は、およそ職人という風貌ではなくって、

さながら『紅の豚』に出てくる、ピッコロ社の社長さんみたいな人でした。

ああ、こんな人って実際にいるんだな。

そう思いました。


ピッコロおやじが言うことには、

漆は、木を傷つけたときに出てくる樹液のようなものですが、

その樹液は、とうぜん木の傷を守るためのやさしさでできております。

バッファリンがやさしさでできているように、

漆もまたやさしさでできているわけです。

そんなわけで、漆を木に塗りこむということは、

蛙に水をかけてあげると嬉しいように、

木にとっても嬉しいことではないのだろうか。


そんなことを、還暦の近いピッコロ社のおやじは言うわけです。

僕は、ふむふむ、そうかもしれん、とうなづきながら、聞きました。

室内は漆の匂いと、夏の熱気でむんむん。

僕の額から汗がだらだらと零れ落ちる、そんな夕暮れ。



僕がビックリしたことが、ありまして、

漆というのは、湿度(しつど)が高くなればなるほど、よく乾くそうです。


生きているものは、すべからくそうかもしれませんが、

あまのじゃくにできてるものだな、そう思いました。




17歳の女の子

2009年07月28日 | 音の景色


17歳の女の子は記憶の中にいる。

僕が17歳だった頃、おそらく同世代の17歳の女の子は、

自分自身が17歳の女の子であることにうまく馴染めずにいて、

とっととオトナの女になりたいなあ、と思っていたに違いないし、


僕も17歳の女の子が17歳の女の子であることにうまく馴染めなかった気がする。

つまり、17歳の女の子とは、カタチのない女の子と言えばいいのだろうか。


でもね、30歳にも近くなり、当時17歳だった女の子に会う機会があると、

そう言われてみれば、見かけや、服装、しゃべる言葉が多少変わっていても、

その背景にある根底的な風景というのはあまり変わらない気がする。

ようするに、彼女の背後にある17歳の女の子が透けて見える。


ただ、時々、それが大きく変容している人もいて、

背後に見える風景の中に、めらめらと亡霊のようなものが立っている人もあり、

いったい彼女に、何が起こったのだろうか!?

と思わないでもないが、

おそらくそういったことは、

僕には知る由も無い。


最初からそこにいたのかもしれないし、

後からそこに住み着いたのかもしれない。


そんな人に会ったときには、

はじめまして。と挨拶するのが相応しい気がする。


はじめまして。あなたはだあれ?




音楽との結婚

2009年07月28日 | ささいなこと
あなたはここに佇むソウルミュージックに対し、

その健やかなるときも、

病めるときも、

喜びのときも、

悲しみのときも、

富めるときも、

貧しいときも、

これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?


誓います!

ただ、ソウルミュージックはもちろん大好きだけど、

ロックもジャズもボサノヴァも、レゲエもJポップもエレクトロニカも好きだし、

みんなの歌も好きだし、最近はクラッシックだって、歌曲だって好きだもん。

一つだけ一生涯愛さなければならないなんて、

(音楽に限って言えば)

そんなのゼッタイにいややなあ。




なんで政治家になりたいんだろう

2009年07月27日 | ささいなこと


グーグルが始めた質問シリーズ糸井さんバージョンの紹介。

ほぼ日は読んでないけど、糸井さん好きだな。

今どきめずらしく、正直なオトナで子どもの糸井さんならではの質問。

こんなこと答えてはくれない気がするけど。。


僕ならこう聞く。


「あなたはいずれ死んでしまいますが、

 あなたの政治政策が想定している、時間的な効力はどれぐらいまでありますか?

 1年先を考える?10年先?100年先、それとも永遠??」



※ほととぎす案は人気がないのでやめました。。(個人的には気に入ってたけど、最近の風潮として、みんな結構真面目ですね)

静かなブーム?ケイビング

2009年07月26日 | 出来事
送信者 浜松


今静かなブームを呼んでいるとは思えないけど、ケイビングは楽しいですよ。

暑い日には、地中に潜りましょう。ようこそ地底世界へ!


こんなイラストが…!!、怖い。



全体像を見ると…


送信者 浜松


こうなってます。

ちょっと面白い。。


送信者 浜松


例によって姉夫婦と浜松は竜ヶ岩洞へやってきましたぞ!

中の温度は18℃。ひえひえです。

ぽたぽたと水がしみだして、そこらじゅうから落ちてくるので、帽子必須。




送信者 浜松


まるで人体の中を探検しているような…、不思議な世界です。

キャラメルマキアート色の鍾乳洞を眺めていると、何だか不思議な気分になります。



送信者 浜松



ここ竜ヶ岩洞は、東海地区では大きな洞窟で、全長は1000m程あります。そのうち、400mは一般客が歩くことができます。

そんなわけで、あとどんだけあるんだろう?と地図を見る姉たちの図。



送信者 浜松


グーニーズとか、インディージョーンズの世界を思い浮かべて頂くとわかりやすいと思う。

どこか生命体の体があります。




送信者 浜松


こういうちょっと変わったイラストが妙に気になります。





送信者 浜松


感動的なシーンを人形で再現してくれてます。


「シータ!」「パズー!これを早く…、海に、捨てて!」というシーンでは ないはず。




送信者 浜松


出口では、原始人が未来に思いをはせています。

背景のイラストがかわいらしい。




送信者 浜松


なんと!プレミアモノのケイビングジャーナルじゃないですか!!




送信者 浜松


洞窟を出て、入り口をよくよく見てみると、

あ!あんなところに竜がいる!!でかい!

アースダイバーでも、地底世界には竜が住んでいるって書いてあったからなあ。

という訳で、とても楽しいケイビング。おすすめです。





CHARAと浅野さん

2009年07月26日 | 男と女
昨夜は、兄貴と夜な夜な酒を飲み、チャラと浅野さん事件について話をしていました。

芸能ゴシップ的に、なんでなのかな~とひとしきり考えた末、


理想の夫婦のアイコンって、いったい…。

まあしかし、それはそれ。あれはあれ。家は家。

家庭は維持するものなのかもしれないなあ。


これ、というフォーマットに縛らずに、おおすじの方向性だけ持っておいて、

建て替えや、リノベして、極力買い替えしないで長く住むのが

いいと僕は思う。


夏は水族館で涼もうよ

2009年07月25日 | 出来事
送信者 水族館


本日はポニョを連れてニモを見に水族館に行ってきました。

ポニョは水槽の周りをひたすら走りまわり、通路にあった階段を6回くらい上り下り(何かが彼女のツボにハマったようである)、

ウツボの水槽で大笑いし、深海魚の水槽の前の鉄柵にぶら下がりまた大笑い、

魚型ロボットのコーナーではスタートボタンを連打し続け、

もうてんやわんやでしたが、

そのエネルギッシュなところはまるで魚のようでした。

あらゆる刺激を吸収しようとする、小さな命って、力強いな。

そう思った一日です。


写真はどこかの小僧たち。

君たちも、魚みたいなものかね。


帰りの車では、おにぎりを、あなたはもしや顔で食べたんですか?と聞きたくなるくらい、

ご飯つぶをほっぺと服にくっつけており、あらあら、もうあらあら、と言いながら

おしぼりで顔を拭いたりなんかしてみたが、

そんな事にも本人は、1ミリとして構う様子もなく、泰然自若としており、

なんというか

君はきっと大物になるに違いないと、小さな女の子に思う僕であった。


ブログで怖いところ

2009年07月24日 | ことばの避難所
言葉は慎重に使わないといけないよ、とお婆ちゃんに言われて育ったのに、

それでもつい「自由になんでもしゃべっていいよ」、と言われるとタブーに触れてしまうようです。

そういうつもりは毛頭ないので、突然「こら!そんなこと言っちゃイカン!」と言われると、あわわとなってします。小心者の私です。

ただまあ、世の中、白黒つけがたいことがたくさんあっていいじゃないですか。

宇宙人はいますよ、とか。

透明人間はいます、とか。

誰も怒らないことを言ってればそれでいいんでしょうが、

人にとって大切なことって、意見が二分しますよね。












エコキライ

2009年07月23日 | 物語
(この文章には世の中の趨勢とは異なる意見が書かれております。まゆにつばをつけて寛大な気持ちでお読み下さい。)


いまどきさ、まともな人なら、マイバッグぐらい持っておかなきゃ。

その日、僕が渋谷で見つけたかわいいベネトンのエコバックを見て、彼女は冷たくこう言った。

は?何言ってんの。そのバッグって、そもそも何からできてると思ってるわけ?何でひとりでいくつもマイバッグ買ってんの?馬鹿じゃないの。それって、エコじゃないじゃない。ムダづかいだよ。

(ああ、まずい、機嫌の悪い時に帰ってきちゃったな)

君のも買ってきたんだよ…。せっかくイイの見つけてきたのに、そんなこと言うならもうあげない。

と僕が言うと、

二つあってもしょうがないじゃない、もらうわよ、と彼女は言った。



「レジ袋をやめても石油の消費量は変わらないけれど、環境意識の低い人に、使い捨てを止めさせるための環境教育が必要なの。」

これが僕と彼女の間で合意したとりあえずの共通見解だ、というところから話を始めたい。


まあだから、あなたが環境にすでに関心があるのであれば、レジ袋は使ってもなんら問題ないし。

むしろ積極的にもらっておいて、家庭のゴミ処理に再利用しちゃえばいいじゃない。


それはちょっと極端だと思うよ。

と僕はぶつぶつ言う。

もちろんわたしだって必要なければいらないって言うよ。

要らないものを買わない、もらわない、欲しがらない、ってのがエコだと思うの。シンプルに。

とまあ、いつものように彼女の言いたいことを聞いて話は終わった。


それにしても、と僕は思う。

エコ周辺にはシロとクロがふわふわ漂っている。

彼女の主張をまとめると、


★「ペットボトルはリサイクル」してはいけない。

お茶を入れて持ち歩くとか、リユースしたのち可燃ごみで捨ててよし。

(これは同意しづらいなあ。ただ、リサイクルされてるかどうかなんて、信じるかどうかだよね。)


★「牛乳パックはリサイクル」してはいけません。

美味しかったよ。ありがとうと、つぶやいてから可燃ごみで捨ててもいい。

(これも同意しづらいよね、なんたって、古紙リサイクルに関わっている人の数なんて既に膨大だし、今さら否定されたら彼らはどうなっちゃうのかね。でも、これまたリサイクルがうまく機能しているんだと信じるほかないよね)

★「地球温暖化」は嘘。

(さあ?どうでしょうね。自分で判断しましょう。って言われてもわかるわけない。これも誰の話を信じるかだな。ただ政府の見解に逆らうとロクなことはない。)


★マイ箸は自然破壊。

(これはどうでしょ。割り箸が国産ならいいと彼女は言うけど、100均一の割り箸は中国製だから…。やっぱりよくはないんじゃないかな。)


★プリウスは税金を使って自動車会社を儲けさせているのよ。

(プリウスって、名前がかわいい。友達が乗っていたら、僕も乗せて欲しい。でも、夢や憧れはそこにはないなあ。税金うんたらについては、僕の知るところではない。そもそも日本は、自動車会社で成り立ってる国なんだから、屋台骨に税金使って何が悪いのかとも思うしね。)


★民主党なんて馬鹿みたいな政党いらないのよ。

(このへんになってくると、彼女はもう酔っ払っていて、エコの話から遠ざかってた。僕はノンポリだから政治についてはしゃべりたくないの知ってるはずなのに。「あのぎょろぎょろした目が気に食わない」とか、「夢見心地なこと言ってんじゃないわよ」とか、クダまいてたけど…たぶん明日になれば覚えてない。)


とまあ。

何が正しいのかわからないなあ、と思うことばかり。

どうぞあなたも考えてみて下さい。

僕としては、彼女と喧嘩しないように、なんとかバランスをとって生きていかなきゃいけない立場なので、なんとも言えませんが。



↓この本は、(科学者というよりは)哲学者として彼女が尊敬する武田先生の最新著書。

(とんだ嘘つき野郎だと、あなたは言うかもしれないけど。嘘ついて何か悪いかしら?と、彼女は言っていました。やれやれ。)


完全理解版 家庭で行う正しいエコ生活
武田 邦彦
講談社

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夢で会いましょう(1981年)

2009年07月21日 | 出来事
婆ちゃんの見舞いの帰り道、商店街のボロい古本屋が閉店セールを行っていた。

どうやら店主が入院してしまったらしく、店を閉めてしまうそうだ。

半額セールということで、ほこり臭い店内をぶらついていたら、

糸井さんと村上さん共著の『夢で会いましょう』という本を発見。

あんまり見たことない本だな、と購入して家へ帰る。


いつの本だろうか、と出版を調べてみると、1981年11月25日 初版 第一刷だ。

あれ…!これってもしやすご~く希少なんでは…。




夢で会いましょう (1981年)
糸井 重里,村上 春樹
冬樹社

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