歌会たかまがはら

毎回お題に沿った短歌を募集してゲストの方とおしゃべりする短歌の番組です。
YouTubeで配信しています。

歌会たかまがはら2022年7月号採用歌(2022年7月30日配信分)

2022年08月10日 | 歌会採用短歌
2022年7月30日に行いました歌会たかまがはら2022年7月号に短歌をご投稿いただいた皆様、また歌会の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。

ここでは、当日採用した短歌、当日紹介できなかったけど気になった短歌、出演者の短歌をご紹介いたします。

なお、採用歌への評については省略いたします。ご了承ください。


※投稿歌の取り扱いについて
ご投稿いただいた短歌についての取り扱いは
・配信・ブログで紹介した投稿歌→既発表
・配信・ブログで紹介しなかった投稿歌→未発表
・既発表の投稿歌→配信・ブログで紹介したかしないかにかかわらず既発表
となります。


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お題:「地元」※テーマ詠
ゲスト:戸似田一郎さん
司会:天野うずめ

<当日紹介した歌(順不同)>
◎戸似田一郎さん選
・車窓から川が見えれば堤防を歩く小さな私も見える(愛知県名古屋市中村区 枝豆みどりさん)

・地元には地元のびっくりドンキーがあって吉田が働いている(愛知県名古屋市中村区 枝豆みどりさん)
→天野うずめも選

・まだ地元って呼べてない街を行く いま、はじめて信号無視したな(小泉夜雨さん)
→天野うずめも選

・市役所がださかった頃かろうじておれの居場所があった気がする(第二灯台守さん)
→天野うずめも選


◎天野うずめ選
・多摩地区にひろがる夜霧は公平で歩をはやめていくマムシ・熊・おれ(東京都 相川弘道さん)

・夜勤明け眠りに入る昼下がり屋根の傾斜を小猿が奔る(涸れ井戸さん)

・巡礼者 聖地と呼びしその土地が殺人現場と知るものはなく(塩見 佯さん)

・元々はジャスコのくせに年末のディズニーの混み方しやがって(若杉有紀さん)
→戸似田一郎さんも選


<当日紹介できなかったけど気になった歌>
◎戸似田一郎さん選
・婚活の男は言った春日井に七十坪の宅地があると(愛知県 岡田奈紀佐さん)

・田舎とも言い切れなくて地下街に湿気が溜まりやすい 夏は(愛知県 岡田奈紀佐さん)

・三月に三十二日があったなら マンション裏の桜の公園(愛知県 岡田奈紀佐さん)

・白鯨の背骨が朽ちゆく街を縫うサフェージュ式の都市モノレール(千葉県千葉市 青藤木葉さん)
→天野うずめも選

・ちょっといいパン屋ができてちょっとだけ彩度が上がるドクダミの花(あぼがどさん)

・新宿と呼ばれるイオンがそこある 駐車場ではやませが香る(青森県 犬山ペロさん)

・ここが首都になったらいいよ 暑すぎも寒すぎもない人もいないし(青森県 犬山ペロさん)

・諦念のはざまはざまに色が付く西武新宿線沿いの桜(涸れ井戸さん)
→天野うずめも選

・幸せは人それぞれと言い聞かせ南草津の王将へ行く(涸れ井戸さん)

・紫の地下鉄に乗り夜にしか開かない夢の本屋に通う(涸れ井戸さん)

・コンビニもまだない町でぼくたちは24時間無駄話する(涸れ井戸さん)

・週末は日記をつける花の名のビルの地下には水脈がある(涸れ井戸さん)

・平手打ちした原っぱを通るたびやけに眩しい脳の夕焼け(小泉夜雨さん)

・水星がよく見える海の町に来てかつてあなたを殴った町だ(坂中茱萸さん)

・よきものがすべて灼かれてそののちののこりものにてひかる街の灯(塩見 佯さん)

・新宿通りのアフターアワーズ金紗銀紗とたからかに路面電車の亡霊が行く(塩見 佯さん)

・海からの工場たちの呼吸さえただ懐かしく生まれた街は (西鎮さん)

・四県の小学校にて学びけりわが故郷はいづくにかすべき(高橋良さん)

・音沙汰を知らずに歩く夕まぐれ多摩川沿いは自転車が多い(神奈川県 丹花ヨムさん)

・人生を格上げしたくない時期を青梅街道沿いで暮らした(カリフォルニア 角天馬さん)

・国道をEDMが走り去るあとからもう一台走り去る(東京都世田谷区 長井めもさん)

・変わらない時刻を走る電車もう吐けない噴水を置いて行く(中村育さん)

・ああ栗木京子ごっこをするための鹿児島中央駅のアミュラン(鹿児島県 西淳子さん)

・生き物が全くいない水槽を眺める 僕はここで生まれた(鹿児島県 西淳子さん)

・爆サイのどこにもボクがいなくってこれがパワレルワールドですか(鹿児島県 西淳子さん)

・空からは見つけられずに地元とは地図のどこにもない町のこと(もゆきさん)

・海が近付く 海の荒さはこの町の語気を強めて 海が見える(東京都 夜夜中さりとてさん)


◎天野うずめ選
・頼朝の生誕地まで一分の場所に育ったただのわたくし(愛知県 岡田奈紀佐さん)

・アンテナを猿に折られて通勤の車中自分でラジオをしてる(涸れ井戸さん)

・呑みに行く時は猫背で低姿勢今日は大宮南銀座へ(涸れ井戸さん)

・この町は坂が多くてマウンテンバイクで通う名曲喫茶(涸れ井戸さん)

・みちのくの三紙に載れる顔写真いづれも足らへるごとく映れり(高橋良さん)

・高齢者多き田舎の歌壇にて注目さるる若者ひとり(高橋良さん)

・8番らーめんが食べられたら地元 パタヤ・チェンマイ・ウボンラチャタニ(北区 だやさん)

・おみやげのラーフルあげる。三組のラーフルあげるから泣かないで(鹿児島県 西淳子さん)

・タウン情報誌の読者投稿コーナーの常連みたいなハンドルネームだな(鹿児島県 西淳子さん)

・桜島フェリーの時刻表にある平日2時に出港する船(鹿児島県 西淳子さん)


<出演者の短歌>
◎戸似田一郎さんの歌
・なにもない駅前に停まってるシャコタンのシルビアがお姉ちゃんの車だったりする


◎天野うずめの歌
・地元でもないのに僕が先頭になって駅まで歩いていった


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<反省会>
歌会たかまがはら2022年7月号へのご投稿いただいた皆様、そして、番組の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。
今回は、ゲストに戸似田一郎さんをお迎えいたしました。
戸似田さんは地元に関するツイートが多いため、お題を「地元」とさせていただきました。
「地元」という焦点をどこに置くか難しいお題でしたが、投稿歌では様々な地元が詠まれていて、戸似田さんとともに興味深く選をすることができました。
また、質問では戸似田さんの評の基礎となった部分をお聞きすることができました。
改めて、戸似田さん、ありがとうございました。
また、通話の部分では課題が残りました。
Discordの音声通話において私の声が戸似田さんに聞き取りづらくなってしまいました。
マイクが原因かDiscordの原因かは今のところ不明ですが、こちらも改善をしていき、よりよい視聴環境を整えていけるようにしていきたいと思います。
それでは、今後も歌会たかまがはらをよろしくお願いいたします。
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