乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

化物和本草 15十一丁裏 十二丁表「み人(みいら)とりのみいら」  山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門

2020-08-12 | 山東京傳

 

 化物和本草 15 十一丁裏 十二丁表「み人(みいら)とりのみいら」

 山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門

 

 

 化物和本草 3巻

 山東京伝作 1761-1816

 葛飾北斎画 1760-1849

 版元 山口屋忠右衛門

 寛政十 (1798)

 18cm

 黄表紙

 読んでいるのは、早稲田大学デジタルライブラリー

 

 

化物和本草 十二丁表

「み人(みいら)とりのみいら」 

化物和本草 十一丁裏

ひとのせがれ

ふしよぞんにて

やうきゅうにふけり

すじついゑにかえらず

父母なげきに

せまり、こんゐの

ひとをたのみ

ごくろうにてハ

いへども、きさま

けうくんなされて

なにとぞ せがれを

いゑにつれかへりくださる

べしとたのまれ、すなハち

ゆうきやうのちにゆきて

かのせがれにあいつれ

かへらんとききやうくんを

もちゆるとき、かの

せがれのいへるハ、

「すいぶんきとうさまの

 御ゐけんにしたがい

 すみやうに、写り申べし、

 さりながら、まず御酒、

 いつさん めしあがつて

 くだされ」 とすゝめられ、

したぢハすきなり、

一はいのみ、二はいのみ、

ついにハその

 

化物和本草 十二丁表

せがれとゝもに

ふぎやうせきを

なし、りやうにん

ともにいゑにかへるを

わするときをなづけて

みいらとりの

みいらになる

とハ申なり

これはな

はだひとの

こたるもの

にハどゝ

  やく

  なり

 

化物和本草 十二丁表

このみいらハ

 ずいぶんなりを

 みやわせ

   たび/\

いけんで

   おろし

 さいまつして

  もちひずハ

  くすり

   にハ

   なるまい

 

 

ふしよぞんにて

 不所存にて

 所存(考え。意見。)

 不所存(考え、意義はありません)

 

すじついゑにかえらず

 筋ついえに返らず

「つい」は「継い」か?

覆水盆に返らずの他の言い回し  (ウィキペディア)

 覆水納め難し、覆水普遍、覆水何収、覆水不可収

 "It's no use crying over spilt milk."(こぼしたミルクを嘆いても無駄)

返る

 すじついゑにかえらず(覆水盆に返らず)

 ともにいゑにかへるを

 

けうくんなされて

 教訓なされて

 

ふぎやうせきを

 不行跡を

不行跡 

《名》身持ちがよくないこと。

〘名〙 (形動) 行ないがよくないこと。身持が悪いこと。また、そのさま。不行状。ふこうせき。

※談義本・教訓乗合船(1771)「ほうらつ、ふ行跡(ギャウセキ)、朝寝、夜あるき、気ずい、のらくらを、親兄弟にも、見かぎられ」  (大辞林)
 
 

 

ゆうきやうのちにゆきて

 遊興の地に行きて

遊興《名・ス自》

 面白く遊ぶこと。遊び興ずること。特に、料理屋・待合などで遊ぶこと。
 
 
かへらんとききやうくんを
 返らん時、教訓を
 
 返らん と、すじついえに返らず

 

 

 

 

 

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化物和本草 14 十一丁表「六足(ろくそく)の駕(かご)」  山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門

2020-08-12 | 山東京傳

 

 化物和本草 14 十一丁表「六足(ろくそく)の駕(かご)」

 山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門

 

 

 化物和本草 3巻

 山東京伝作 1761-1816

 葛飾北斎画 1760-1849

 版元 山口屋忠右衛門

 寛政十 (1798)

 18cm

 黄表紙

 読んでいるのは、早稲田大学デジタルライブラリー

 

 

化物和本草 十丁裏

「六足(ろくそく)の駕(かご)」 俗(ぞく)にさんまいといふ

古戦場(こせんじやう)を鐘懸松(かねかけまつ)に

博牧志(はくいつかし)を引(ひい)て曰、

みつぞゝのかわずよく

あたをぶくし

みつぞくのごとく

よくやくわんを

のすと、つまびらかに

のせたれど、

六足(ろくそく)のかどハ

いまだみざる

ところなり、

いたつてあしの

はやきものにて

あたかも ちうを

とぶがごとく

ひるハいでず

よるになると

くらやみに

かくれゐて

 ハイかご 

  /\と

   なく、

つねに

 さかてをゑじ□□(欠け)とす、

 

 

あたかも ちうを

とぶがごとく

 あたかも宙を飛ぶが如く

 

 

 

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