化物和本草 15 十一丁裏 十二丁表「み人(みいら)とりのみいら」
山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門
化物和本草 3巻
山東京伝作 1761-1816
葛飾北斎画 1760-1849
版元 山口屋忠右衛門
寛政十 (1798)
18cm
黄表紙
読んでいるのは、早稲田大学デジタルライブラリー
化物和本草 十二丁表
「み人(みいら)とりのみいら」
化物和本草 十一丁裏
ひとのせがれ
ふしよぞんにて
やうきゅうにふけり
すじついゑにかえらず
父母なげきに
せまり、こんゐの
ひとをたのみ
ごくろうにてハ
いへども、きさま
けうくんなされて
なにとぞ せがれを
いゑにつれかへりくださる
べしとたのまれ、すなハち
ゆうきやうのちにゆきて
かのせがれにあいつれ
かへらんとききやうくんを
もちゆるとき、かの
せがれのいへるハ、
「すいぶんきとうさまの
御ゐけんにしたがい
すみやうに、写り申べし、
さりながら、まず御酒、
いつさん めしあがつて
くだされ」 とすゝめられ、
したぢハすきなり、
一はいのみ、二はいのみ、
ついにハその
化物和本草 十二丁表
せがれとゝもに
ふぎやうせきを
なし、りやうにん
ともにいゑにかへるを
わするときをなづけて
みいらとりの
みいらになる
とハ申なり
これはな
はだひとの
こたるもの
にハどゝ
やく
なり
化物和本草 十二丁表
このみいらハ
ずいぶんなりを
みやわせ
たび/\
いけんで
おろし
さいまつして
もちひずハ
くすり
にハ
なるまい
ふしよぞんにて
不所存にて
所存(考え。意見。)
不所存(考え、意義はありません)
すじついゑにかえらず
筋ついえに返らず
「つい」は「継い」か?
覆水盆に返らずの他の言い回し (ウィキペディア)
覆水納め難し、覆水普遍、覆水何収、覆水不可収
"It's no use crying over spilt milk."(こぼしたミルクを嘆いても無駄)
返る
すじついゑにかえらず(覆水盆に返らず)
ともにいゑにかへるを
けうくんなされて
教訓なされて
ふぎやうせきを
不行跡を
不行跡
《名》身持ちがよくないこと。
〘名〙 (形動) 行ないがよくないこと。身持が悪いこと。また、そのさま。不行状。ふこうせき。
ゆうきやうのちにゆきて
遊興の地に行きて
遊興《名・ス自》