乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

今昔狐夜噺 11 (いまハむかし きつねのよばなし) 九丁裏 十丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

2020-08-02 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 11 (いまハむかし きつねのよばなし) 九丁裏 十丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

今昔狐夜噺九丁裏

いつ

ちはじ

□(欠け)にこゝに

み□□□(欠け)

へんにと

かきだし

たるハこゝて

このとりゐ

をだそふ

ばかりなり

よしつねの

はつそふとび(ママ)ハ

よくとりゐを

とびこしたる

きつねのやく

にて、なんのくも

なく ひよい/\と

とびこゆる

のとのかみ

のりつね(ママ)に

なりたる き

つね、おなじと

つゝいてとび

けるが、ふみ

はづして、まつ

 

今昔狐夜噺十丁表

さかさまに

おつこちたり、

のとのかみも

ついにはじゆ

すいせう事

あれハけつく

きつねの

おちたるも

もつけの

さいわいなり、

 

「よしつねに

なりたる

きつねハ

きのきいた

やつにて

うぬがしる、

ぷをおつた

ゝ たちの

うわさやと

見せるおもい

つき、これらか

めのつけ

  ところなり

 

今昔狐夜噺九丁裏 中

  「とんだり

   はねたり

   十万

   もんが

   きいて

   あきれ

   らあ

 

今昔狐夜噺九丁裏 下

     「これさ

      いつしよに

      こばりせへ

      つきやいを

      しらぬ へ

      おとこ

      だ

 

今昔狐夜噺十丁表 中

  「はつそう

   つゞけて

   とぶものハ

   ほかにハ

   おそらく

   あるめへ

      と

   おもつた

      に

   うたいの

   てやいハ

   おいろ、より

   いつそう

   よけい

   とぶと

     いふ事だ

 

今昔狐夜噺九丁裏

いつ

ちはじ

□(欠け)に、此処に

み□□□(欠け)

へんに、と

書き出し

たるは、此処で

この鳥居

を出そう

ばかり也、

義経の

八方飛び(ママ 飛び六法)は

よく鳥居を

飛び越したる

狐の役に

にて、何の苦も

無く ひょいひょい!

飛び来ゆる

能登守

宣常(ママ)に

成りたる 狐

同じと

突くいて飛び

けるが、踏み外して

真っ逆さまに 今昔狐夜噺十丁表

落っこちたり、

能登守も

ついには じゅ

すいしょう事

あれば、気づく

狐の

落ちたるも

もっけの幸い也

 

「義経に

成りたる

狐は

気の利いた

奴にて

うぬ が知る、

尾をおっ

父達

噂やと

見せる思い

付き、これらが

目の付け

  どころ也

 

今昔狐夜噺九丁裏 中

  「飛んだり

   跳ねたり

   十万文

   聞いて

   呆れ

   らあ

 

今昔狐夜噺九丁裏 下

     「これさ

      一緒に

      こばりせへ

      つきあいを

      知らぬ屁

      だ

 

今昔狐夜噺十丁表 中

  「発想

   続けて

   飛ぶものは

   他には

   おそらく

   有るめぇ

      と

   思った

      に

   謡の

   手合いは

   お色より

   一層

   よけい

   飛ぶと

     云う事だ

 

ぷをおつたて

 ぷ(尾っぽ)

 尾をおっ立てて

 

よしつねの

はつそふとび

 八方飛び(ママ)

 飛び六法の事

 花道で義経に扮した狐が六法を振って帰って行くのは、狐六法と呼んでいる。

『義経千本桜』を通しで見たい。

 

よくとりゐを

とびこしたる

 江戸時代は、こう云った演出だったと、感心する。

 江戸時代の狂言は、薄暗い蝋燭と明かり窓の芝居小屋で上演されたという。

   よくとりゐを

   とびこしたる

 江戸時代の狂言に触れることができ、『今昔狐夜噺』の

   きつねの

   おちたるも

   もつけの

   さいわいなり、

では無いが、江戸時代の演出を感じられ、これぞ乱鳥にとっては、もっけの幸いである。

 

 兎に角、狐であろうと鳥であろうと、今回も叫ぶ信天翁。

                 歌舞伎が見たいワイ!

 

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今昔狐夜噺 10 (いまハむかし きつねのよばなし) 八丁裏 九丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作 

2020-08-02 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 10 (いまハむかし きつねのよばなし) 八丁裏 九丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

今昔狐夜噺八丁裏

くまがへのか郎になり、きつねハ

よきてきもあらバと、うろつき(欠け)

ながら、あつもりをみつけ

き□□□(欠け)もてきにしつぽ

をみせたもふもの かな

久したまへとあふ

ぎをもつてまねきけれバ

こゝろへたりとむくりんの

さゆふあつまり、くまがへに

わたり、あいついにうち

まけたりけるに、くまがへ

いたわしくおもひ

たすけんとひき

おこしけるとき

うしろかたの

やまてより

ひらやまのむしや

どころ、くまがへこそハ

ふたごゝろひとつ

あなのきつね也と

よばわりけるゆへ

ぜひなく くまがへ

あつもりをうちて

そのみは しゆつけ

せしとなり

このきつねよく

 

今昔狐夜噺九丁表

人をだまして

ぼうすにせし

むくい

にて

ついに

ぼうす

なり

ける

 

今昔狐夜噺九丁表 

   「二ぢう五さいのその

    うちでも いつ ちせう

    くわんとよばれたる

    かぼちやのごまじるハ

    ひらやまのむ

    しやどころとう

    なすつた、こう

    まいつたといゝ

    ぬけたくても

    ぬけさせね

    なんきんめ

    がねにみつけ

    たれバ、うぬら

    がいのちの

    あさつけ

    なますで

   おさらバ/\とハ

   イヤ、ふてい

   やつらだ

   アヽ、くちが

   すく

   なつた

 

今昔狐夜噺九丁表 下

  「あつもりになりたるき

   つねハこのつぎにもゆくが

   あるゆへ、はやがわりにて

   ちゆつと

 

今昔狐夜噺九丁表 下

   いしほとけ

   とすりかわり

   こゝらが

   よつほど

     あんばいもの也

      

今昔狐夜噺八丁裏

熊谷の家老になり、狐は

良き敵も有らと、うろつき

ながら、敦盛を見つけ

き(つね)□□□(欠け)も的に尻尾

を見せ給う物哉

久し給えと扇

を持って招きければ

「心得たり」と、むくりんの

さゆう集まり、熊谷に

渡り、相次いに打ち負け

たりけるに、熊谷

労しく思い、

助けんと引き

起こしける時

後ろ方の

山手より

平山のむしや

どころ、熊谷こそは

二心ひとつ

穴の狐也と

呼ばわりける故

是非無く 熊谷

敦盛を討ちて

その身は 出家

せしとなり

この狐よく

 

今昔狐夜噺九丁表

人をだまして

坊主にせし

報い

にて

ついに

坊主

成り

ける

 

今昔狐夜噺九丁表 

   「二十五歳のその

    内でも 何時 馳走

    食わんと呼ばれたる

    南瓜の胡麻汁は

    平山のむ

    しやどころと

    うなすった、こう

    まいったと 言い

    抜けたくても

    けさせね

    南京眼鏡に

    見つけ

    たれば、うぬ等

    が命の

    浅漬け膾で

   おさらば、おさらばとは

   いや!不貞

   奴らだ

   ああ! 口が

   酢く

   成った

 

今昔狐夜噺九丁表 下

  「敦盛に成りたる狐は

   この次にも行くが

   有る故、早変わりにて

   ちゅっと

 

今昔狐夜噺九丁表 下

   石 仏

   と摩り替わり

   此処らが

   よっほど

     塩梅物也

くまがへ (熊谷直実)

 歌舞伎では、『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』熊谷陣屋

「一枝を伐らば、一子を斬る」の台詞は、あまりにも有名^^

 この芝居も、私的には 片岡仁左衛門丈で見たい。

 

あつもり (平敦盛)   (ウィキペディア)

 平 敦盛(たいら の あつもり)は、平安末期の武将。

 平清盛の弟・経盛の末子。

 位階は従五位以下。

 官職にはついておらず、無冠大夫と称された。

 笛の名手。

 歌舞伎では、『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』「敦盛最後」

「汝がためにはよい敵ぞ。名乗らずとも、首とって、人に問へ。見知らうずるぞ」の台詞は、あまりにも有名^^

 

  「あつもりになりたるき

   つねハこのつぎにもゆくが

   あるゆへ、はやがわりにて

 芝居が見たい。早変わりの有る歌舞伎も見たい。

 

   ちゆつと

   いしほとけ

   とすりかわり

   こゝらが

   よつほど

     あんばいもの也

 上に書かれている様に地蔵ではないのですが

『菅原伝授手習鑑 』菅丞相と木像菅丞相の場面を、今一度片岡仁左衛門丈で見たい!

 歌舞伎が見たいワイ!

 

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