乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

寒いけれど、春

2013年02月25日 | 舞台・音楽 雑感メモ

 
 雑草抜きをしていると、梅の蕾が目尻を下げて微笑みかける。

 春は一歩ずつ、歩み寄る

           2月25日 前期日程試験 受験されるみなさまに春が訪れますように

 
 Fifth Element Diva song - full version. SINGING - EVGENIA LAGUNA.
 
 ヴィタス VITAS-『Lucia Di Lammermoor/ランメルモールのルチア』2006



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映画『カストラート』10★/10 1994年 フランス イタリア ベルギー ジェラール・コルビオ監督

2013年02月25日 | 舞台・音楽 雑感メモ


  映画『カストラート』 10★/10 

 
 Farinelli, "Ombra Fedele anch'io"

1994年
製作国 フランス イタリア ベルギー

監督
Gerard Corbiau ジェラール・コルビオ
製作
Vera Belmont(1) ヴェラ・ベルモント
脚本
Andree Corbiau アンドリー・コルビオ
Gerard Corbiau ジェラール・コルビオ
脚色
Marcel Beaulieu マルセル・ボーリュー
撮影
Walter Vanden Ende ウォルター・ヴァンデン・エンデ
音楽監督
Christophe Rousset クリストフ・ルセ
美術
Gianni Quaranta ジャンニ・クァランタ
編集
Joelle Hache ジョエル・アッシュ
衣装(デザイン)
Olga Berluti オルガ・ベルルーティ

キャスト
Stefano Dionisi ステファノ・ディオニジ (Farinelli)
Enrico Lo Verso エンリコ・ロ・ヴェルソ (Riccardo Broschi)
Elsa Zylberstein エルザ・ジルベルシュタイン (Alexandra)
Caroline Cellier カロリーヌ・セリエ (Margarerth Hunter)
Jeroen Krabbe ジェローン・クラッペ (Haendel)
Jacques Boudet ジャック・ブーデ (Phillipe V)
Omero Antonutti オメロ・アントヌッティ (Porpora)
Marianne Basler マリアンヌ・バスレー (Comiesse Mauer)
Derek LeeRagin (カウンター・テノール歌手(声))
Ewa Mallas Godlewska (ソプラノ歌手(声))

 
 
 Alessandro Moreschi, the last Castrato voice

             
 家族と映画『カストラート』を見た。
 古い音楽やバロック音楽のレコードを収集していた彼は、目をしばしばとさせてみていた。

 バロック音楽やブリティッシュロックや舞台が好きなわたくしは、感動の余りに割合に早い段階から何度も涙をこぼしていた。
 映画『カストラート』は70年代のロックが好きな方には、衣装・メーク・ヘアースタイル・舞台に懐かしさを感じられるかもしれない。
 某ロック歌手の立ち位地やメークや表情にそっくりなのも興味深い。

 また、名画を思わせる室内の人(こども、障害を持つ方)や動物(犬)の構図は見事。
 白馬を幻想的に使い、神馬や神に選ばれた人を感じさせる。このムードある品の良い「ホワイト」は素晴らしい。

 時代的に考え、口減らしなどのために去勢し、当時の医学的問題もあって死に行く子、オペラ歌手との能力に満たない子が多く、悲惨であったとウィキペディアに記されている。
 本映画『カストラート』は諸問題を見事に描く。一方、優美な王族貴族の優雅でまどろんだ世界を描き上げ、双方の表現を考えると満足できた。
 また、人間愛の表し方も感心した。筋書き、映像ともに拍手。
 この映画はわたくしの好みのひとつと感じる。
 
 劇中(映画)にHaendel(ヘンデル)が出てきた。
 音楽に対するカストラートの崇高な志しを感じた。
 この映画を見終わって、EP盤を取り出して、Georg Friedrich Ha'ndel(ヘンデル)やJohann Sebastian Bach(バッハ)を聴き続けていた。
 録画は消去せず、もう一度見たいが為に残しておいた。

 
 ヘンデル「リナルド」
 カストラート Farinelli.mp4
 
 バッハ「G線上のアリア」 Bach "Air on G String"
 




解説 - カストラート (goo映画より)
 18世紀のヨーロッパで、ボーイソプラノを維持するために去勢された歌手=カストラートの中でも伝説的な人物ファリネッリの生涯を、バロック調の荘厳な絵巻に仕立てた人間ドラマ。監督はベルギーのテレビで音楽関係の番組を手掛け、劇映画でも「仮面の中のアリア」「めざめの時」と、一貫して音楽を主題とした作品を発表しているジェラール・コルビオ。彼とアンドレ・コルビオの共同脚本を、マルセル・ボーリューが加わって脚色。製作はヴェラ・ベルモント、撮影は「仮面の中のアリア」「無伴奏『シャコンヌ』」のワルテル・ヴァンデン・エンデ、音楽監督・指揮・編曲は、古楽アンサンブル“レ・ラタン・リリック”を率いて世界的に高く評価されているクリストフ・ルセ。衣装は「可愛いだけじゃダメかしら」のオルガ・ベルルーティ。出演は本作で初の本格的主演を果したステファノ・ディオニジ、「小さな旅人」のエンリコ・ロ・ヴェルソ、「ミナ」のエルザ・ジルベルシュタイン、「愛と死と」のカロリーヌ・セリエ、「逃亡者」のジェローン・クラッペほか。

あらすじ - カストラート(goo映画より)
 カルロ・ブロスキ(ステファノ・ディオニジ)は10歳の時に落馬事故で去勢された。8歳年上の兄リカルド(エンリコ・ロ・ヴェルソ)は弟の優れた音楽の才能に驚き、以来、兄が曲を書いて弟が歌うという関係が…

 3オクターブ半もの声を持つファリネッリと、彼の歌うオペラを作曲する兄のリカルドは、イタリア全土の群集の賛美を得ていた。しかし、兄の作曲した平凡なオペラに不満を感じていたファリネッリは、ロンドンで出合ったメセナの姪アレクサンドラから、盗み取ったヘンデルのマリアを歌う事を決意した。彼は、カストラートであることのジレンマの中で、永遠の愛を見つけていく。


カストラート』(伊Farinelli Il Castrato, 英Farinelli)は、実在したバロック時代のカストラート歌手 ファリネッリの生涯を描いた伝記映画である。1994年製作。イタリア、ベルギー、フランス合作。ジェラール・コルビオ監督
 カストラート(castrato)は、近代以前のヨーロッパに普及した去勢された男性歌手(同じ語源の英語の動詞'castrate'は「去勢する」という意味)。


 男性を去勢することにより男性ホルモンの分泌を抑制し、男性の第二次性徴期に顕著な声帯の成長を人為的に妨げ、変声期(いわゆる「声変わり」)をなくし、ボーイ・ソプラノ時の声質や音域をできうる限り持続させようとしたもの。一方で成長ホルモンは分泌されるため、身長や胸郭は通常どおり成長し、胸郭をはじめとする骨格や肺活量の成長などは成人男性とほとんど変わらず、声のトーンや歌声の持続力は未成年や女性歌手では再現できないといわれる。 彼らの声は甘く、野性的でそれでいてとても官能的だったと言われる。
去勢の結果、感情的にはやや不安定になる傾向にあるが、それが歌唱の際の感情表現に役立つという説もあり、また、脂肪が多くなり小太りになりやすい傾向は、歌う際の声質に有利に働くとの説もある。一方、現在のソプラノ歌手の歌唱や声量などについての議論も含め、体型や情緒面などと実際の歌唱との関係には不明な点や疑問点も多い。
その音域や声質により「ソプラノ・カストラート」や「アルト・カストラート」などに分かれていた。現在は人道的理由から存在しないため、当時のオペラなどのこのパートを再現する場合には、ソプラノやアルトなどの女性歌手、あるいはボーイ・ソプラノ、成人男性であればカウンターテナーとソプラニスタで代用される。しかしながら、当時意図的に存在させた理由があるように、既成のパートではそれぞれの特色面でこれに欠ける点があり、完全な再現は不可能といわれる。つまり、ボーイ・ソプラノは声質や音域には問題がないが声量や持続力など体力的に難があり、カウンターテナーはファルセットのために高音部の声質に難があり、女声は声質自体が異なり軽く細い傾向にあるという点などである。


盛衰の歴史(ウィキペディアより)
 一説によると、最古の者は14世紀に登場したともいわれ、歌う目的で一般化したのは1550年 - 1600年ごろのローマといわれている。途中、イタリアを中心に教会音楽からオペラに進出し、1650年ごろから1750年ごろにかけてヨーロッパ各地でそのピークを迎える。途中、ナポレオンが禁止令を出したが廃れることはなかった。オペラなどでのブームが過ぎ去った後もローマのカトリック教会では継続していたのだが、19世紀半ばには時のローマ教皇の命により人道的見地から禁止され、廃れることとなる。
登場の背景 (ウィキペディアより)
 教会内で女性は沈黙を保たなくてはならなかったため、歌を歌うことは許されなかった。よって、変声期前の男声(現在のボーイ・ソプラノに近い形態)で構成された。しかし、変声期によって声質を変えないままその声質を維持する為に、意図的に男子を去勢することによって始まったとされる。また教会内で行う演劇においても女性が参加することができず、少年では役柄の関係や声量が足りないことから、変声期前の声質を保った男性が必要とされた。
 実際には、変声期直前のボーイ・ソプラノの声質を有した少年が、偶発的な事故か病気のために睾丸を除去せざるをえない状態となり、変声期後の年齢になっても声質を保っていたことから、その後は意図的に行われるようになったという説が有力である。

最盛期(ウィキペディアより)
 そのピークには、毎年4,000人以上にも及ぶ7 - 11歳の男子が去勢されたとの記録が残っていて、次第にその候補は下層階級へと移ってゆき、主にその親が一旗挙げる目的や、口減らし目的に利用した。しかしながら、当時の医療体制の未熟さや衛生環境などにより、去勢手術を受けた多くの男子の命が感染症などで失われたと憶測されている。さらには、去勢される対象の男子が、それ以前よりボーイ・ソプラノなどの技術や音楽知識を有していなくてはならず、手術を受けたものの歌手としての素養のない者も多く(あくまで今日の視点から後付けで判断して)親の欲求のために無駄に去勢されてしまったといってもいいような男子も多かったと推測されている。
最も有名なカストラートの一人、カルロ・ブロスキ(1705年1月24日 - 1782年1月25日)は、ナポリに生まれ、通称ファリネッリと呼ばれ、 1994年に彼を主人公とした映画『カストラート』が作られた。その音域は3オクターヴ半あったといわれている。
その他、セネジーノ、カファレッリ、グァダーニなど、多くのカストラートがオペラ界に進出して当時の社会現象ともなり、実際にその歌声を聞いて失神する上流階層の女性も少なくなかったという記録も残っている。また、2 - 3ヶ月公演するだけでその国の首相の年俸を超える収入を得る者も出てきたという。
 幼少時のベートーヴェンは、ボーイ・ソプラノとしても類稀な才能を有していたために周辺の人々からカストラートにされることが望まれたが、その父親の反対により実現せず、ベートーヴェン本人は後に作曲家となった。

消滅期 (ウィキペディアより)
 前述の様な経緯で廃止、消滅の道を辿った。ベルリオーズが19世紀半ばに出版した『管弦楽法』の中では、カストラートはすでに「ほとんど完全に姿を消しつつある」状態だったという。彼はローマでカストラートの歌声に接しており、件の状況を「それほど悔やまれることではない」としている。
 記録に残る歴史上最後のカストラート歌手は1922年に死去したアレッサンドロ・モレスキであり、20世紀初頭の録音が残されているが、年齢的にはピークの時期をおよそ過ぎてからのものである。
 また、廃止、消滅に至った経緯を考えれば、今後もまず現れる可能性はほとんどない。もしも、現代にカストラートに相当する存在が現れるとすれば、幼少時に事故や病気などで睾丸を喪失してしまった少年が歌手となった場合などが想定できるが、常識的に考えればほとんど有り得ないレベルの低確率といえる。




 
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