乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

味覚の表現辞典   奥山益朗編 東京堂出版

2007-08-27 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は春、3月。萩で食べた白魚の踊り食い。白魚の踊り食いの期間は、極めて短い。)

 

 

記録だけ  2007年度 75冊目

 

 食べ物の味をどう表現するか

 作家・美食探求家たちの名文に探る!

 褒め言葉に苦労する時、表現に困った時の手引書

      『味覚の表現辞典

                                          

 奥山益朗 編

 株 東京堂出版

 平成13年6月10日    

 340ページ 2400円+税

 

 小説を媒介して、食べ物を興味深く、説明。

 なじみの小説家の名前も連なり、開高健氏などの記述などは、再度、全集を読みたくなる。

 丸谷才一氏が引用されていないのは、少し不思議な気がした。

 

 写真に載せた白魚の踊り食いの記述も、開高健『最後の晩餐』と獅子文録『好食徒然草』を引用。

 白魚の説明に、前兆10センチとあるが、私が食べたのはせいぜい3~4センチ。

 開高健氏の噛みながら食べるのならば納得がいくが、獅子文録氏のように飲む食べ方だと、10センチは無理。

 獅子文録氏の『喉チンコを擽る(くすぐる)不気味さ』とはよく言ったもので、料亭でも、

「決して噛まないで、飲み込んでくださいね。」

といった説明あり。

 味はさほどたいしたものではない。

 悪戯に少し噛むと、にごった味わい。このあたりは 開高健氏と私の感じ方は、少し異なる。

 わたしとて ピチピチとはねながら喉を通過する快感は初めてで、感触を味わう春の味覚といった感じを覚えている。

 

///////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 ここまでお読み頂き、皆様、ありがとうございます。

 私、一ヶ月ほど留守をいたします。

 元気に帰りましたら、また記録の更新を再開したいと思います。

 その折は、どうか宜しくお願いいたします。

 これまで同様、お付き合いいただけましたら、うれしいです。

 

 尚、しばらくの間、トラック・バックの受付は控えさせていただきます。

 また、今回も記録に限り、申し訳ございませんがコメント欄も控えさせていただきました。

 ごめんなさい。

 

 10月からもご訪問、コメント、トラック・バックなどをいただけましたら、とてもうれしいです。

 皆様、お体ご自愛下さいませ

                         

                              合掌

 

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『隅田川続俤~法界坊』と 『ザ・隅田川』  三者三様

2007-08-27 | TVで 歌舞伎・能楽

(写真は京都の大原。三千院にある寂光院で写す。)

 

 

 TV(BSh)で 中村勘三郎率いる『平成中村座』のニューヨーク公演を観た。

 これは今年7月、ニューヨークで行われた『隅田川続俤・法界坊』という超早だし。

 破天荒な僧侶が死霊となる法界坊のコメディの徹し方が、大変面白かった。

 テンポが速く、笑いを重要視した舞台であったが、最後の部分は華やかな歌舞伎らしい舞台に変わり、全体として満足のいくものだった。

 

 英語台詞(せりふ)に初挑戦した、勘三郎丈。

 NYの地でもかなり受けていた。

 

 カーテンコールでは会場全体がスタンディングオベーション。

 活気のある公演だったようだ。

 

 私の好きな弥十郎丈も 橋丈之助丈も、素敵だった。

 笹野高史さんも素晴らしい。

 七之助丈もきれいだ。

 亀蔵丈は恐怖映画のような動きの部分があり、あの顔と仕草で迫られた女性は、

「ひくわ~!」

というより仕方がない。

 他にも扇雀丈や勘太郎丈といった役者さんたちで、舞台を賑わせていた。

 

 素敵な男前の橋之助丈に対して言い放った、メークで意図的に小汚くした法界坊の、

‘I speak English. Can you speak English?’ 

‘He is narcist.’

は、笑えた。

 

 舞台を観終わった後のニューヨークの観客の、

「次に歌舞伎を観る時には、コメディではなくシリアスなものが観たい。」

の言葉は印象的だ。

 

 

 今月は法界坊を観る機会が多かった。

 歌舞伎チャンネルで、中村吉右衛門丈の『隅田川続俤~法界坊』を数度ばかり観て、笑い転げていた。

 本当に、面白い・・・。

 吉右衛門の他にも、私の好きな役者 吉之丞や富十郎。歌昇や染五郎、歌六、芝雀などが出演。

 ほか、錦之助や玉太郎といった役者も出ていた。

 

 吉右衛門と勘三郎の法界坊は演出や演じ方が全く異なっていて、面白かった。

 

 これら歌舞伎の『法界坊』は、『ネオかぶき』で有名な花組芝居の『ザ・隅田川』を思い浮かべながら観ると、また違った味わいがある。それぞれが個性的で、見せ場がある。私はどの舞台も好きだ。三者三様で、かなり楽しめるものだった。

 

 歌舞伎の『法界坊』を観て、一つ困ったことがある。

「〆たぞ〆た・・・しめこうの うっさうさ。

 〆たぞ〆た・・・〆こうの 兎~~~~♪」

の言葉とリズムが、頭から離れない。

 

 ほんに困った歌舞伎知らずの、歌舞伎好きだこと。

 

 それにしても・・・

 私、どうしてこんなに、好きな役者さんが多いのでしょう。

 

 ちなみにこの『法界坊』は能楽の『隅田川』の松羽目物。

 能楽の『隅田川』という曲も、いずれ近いうちに是非きいてみたいものだ。

 

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