乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『隅田川続俤~法界坊』と 『ザ・隅田川』  三者三様

2007-08-27 | TVで 歌舞伎・能楽

(写真は京都の大原。三千院にある寂光院で写す。)

 

 

 TV(BSh)で 中村勘三郎率いる『平成中村座』のニューヨーク公演を観た。

 これは今年7月、ニューヨークで行われた『隅田川続俤・法界坊』という超早だし。

 破天荒な僧侶が死霊となる法界坊のコメディの徹し方が、大変面白かった。

 テンポが速く、笑いを重要視した舞台であったが、最後の部分は華やかな歌舞伎らしい舞台に変わり、全体として満足のいくものだった。

 

 英語台詞(せりふ)に初挑戦した、勘三郎丈。

 NYの地でもかなり受けていた。

 

 カーテンコールでは会場全体がスタンディングオベーション。

 活気のある公演だったようだ。

 

 私の好きな弥十郎丈も 橋丈之助丈も、素敵だった。

 笹野高史さんも素晴らしい。

 七之助丈もきれいだ。

 亀蔵丈は恐怖映画のような動きの部分があり、あの顔と仕草で迫られた女性は、

「ひくわ~!」

というより仕方がない。

 他にも扇雀丈や勘太郎丈といった役者さんたちで、舞台を賑わせていた。

 

 素敵な男前の橋之助丈に対して言い放った、メークで意図的に小汚くした法界坊の、

‘I speak English. Can you speak English?’ 

‘He is narcist.’

は、笑えた。

 

 舞台を観終わった後のニューヨークの観客の、

「次に歌舞伎を観る時には、コメディではなくシリアスなものが観たい。」

の言葉は印象的だ。

 

 

 今月は法界坊を観る機会が多かった。

 歌舞伎チャンネルで、中村吉右衛門丈の『隅田川続俤~法界坊』を数度ばかり観て、笑い転げていた。

 本当に、面白い・・・。

 吉右衛門の他にも、私の好きな役者 吉之丞や富十郎。歌昇や染五郎、歌六、芝雀などが出演。

 ほか、錦之助や玉太郎といった役者も出ていた。

 

 吉右衛門と勘三郎の法界坊は演出や演じ方が全く異なっていて、面白かった。

 

 これら歌舞伎の『法界坊』は、『ネオかぶき』で有名な花組芝居の『ザ・隅田川』を思い浮かべながら観ると、また違った味わいがある。それぞれが個性的で、見せ場がある。私はどの舞台も好きだ。三者三様で、かなり楽しめるものだった。

 

 歌舞伎の『法界坊』を観て、一つ困ったことがある。

「〆たぞ〆た・・・しめこうの うっさうさ。

 〆たぞ〆た・・・〆こうの 兎~~~~♪」

の言葉とリズムが、頭から離れない。

 

 ほんに困った歌舞伎知らずの、歌舞伎好きだこと。

 

 それにしても・・・

 私、どうしてこんなに、好きな役者さんが多いのでしょう。

 

 ちなみにこの『法界坊』は能楽の『隅田川』の松羽目物。

 能楽の『隅田川』という曲も、いずれ近いうちに是非きいてみたいものだ。

 


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