(写真は京都の大原。三千院にある寂光院で写す。)
TV(BSh)で 中村勘三郎率いる『平成中村座』のニューヨーク公演を観た。
これは今年7月、ニューヨークで行われた『隅田川続俤・法界坊』という超早だし。
破天荒な僧侶が死霊となる法界坊のコメディの徹し方が、大変面白かった。
テンポが速く、笑いを重要視した舞台であったが、最後の部分は華やかな歌舞伎らしい舞台に変わり、全体として満足のいくものだった。
英語台詞(せりふ)に初挑戦した、勘三郎丈。
NYの地でもかなり受けていた。
カーテンコールでは会場全体がスタンディングオベーション。
活気のある公演だったようだ。
私の好きな弥十郎丈も 橋丈之助丈も、素敵だった。
笹野高史さんも素晴らしい。
七之助丈もきれいだ。
亀蔵丈は恐怖映画のような動きの部分があり、あの顔と仕草で迫られた女性は、
「ひくわ~!」
というより仕方がない。
他にも扇雀丈や勘太郎丈といった役者さんたちで、舞台を賑わせていた。
素敵な男前の橋之助丈に対して言い放った、メークで意図的に小汚くした法界坊の、
‘I speak English. Can you speak English?’
‘He is narcist.’
は、笑えた。
舞台を観終わった後のニューヨークの観客の、
「次に歌舞伎を観る時には、コメディではなくシリアスなものが観たい。」
の言葉は印象的だ。
今月は法界坊を観る機会が多かった。
歌舞伎チャンネルで、中村吉右衛門丈の『隅田川続俤~法界坊』を数度ばかり観て、笑い転げていた。
本当に、面白い・・・。
吉右衛門の他にも、私の好きな役者 吉之丞や富十郎。歌昇や染五郎、歌六、芝雀などが出演。
ほか、錦之助や玉太郎といった役者も出ていた。
吉右衛門と勘三郎の法界坊は演出や演じ方が全く異なっていて、面白かった。
これら歌舞伎の『法界坊』は、『ネオかぶき』で有名な花組芝居の『ザ・隅田川』を思い浮かべながら観ると、また違った味わいがある。それぞれが個性的で、見せ場がある。私はどの舞台も好きだ。三者三様で、かなり楽しめるものだった。
歌舞伎の『法界坊』を観て、一つ困ったことがある。
「〆たぞ〆た・・・しめこうの うっさうさ。
〆たぞ〆た・・・〆こうの 兎~~~~♪」
の言葉とリズムが、頭から離れない。
ほんに困った歌舞伎知らずの、歌舞伎好きだこと。
それにしても・・・
私、どうしてこんなに、好きな役者さんが多いのでしょう。
ちなみにこの『法界坊』は能楽の『隅田川』の松羽目物。
能楽の『隅田川』という曲も、いずれ近いうちに是非きいてみたいものだ。
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