ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

深謝。

2009-08-20 | Weblog
逃走Booじーちゃ。が、血塗れにて捕獲された。


親戚の人の話によれば。
3km近く離れた橋付近で見かけたのだという。
チラ見だったし、人違いかと一度は思ったが。
やっぱり気になって引き返してみたのだそう。
橋を渡りきり、ダンプだのトラックだのがびゅんびゅん行き交う道まで出たところで。
車道ぎりぎりで歩道の白線内に転んで動けなくなっていたのを発見したんだそうな。
車からはゴミでも落ちてるように見えたというから。
車道側に飛び出して倒れていたら、まず間違いなく新盆到来である。


即車を止めた親戚の人。
「どうしなったねBooじーちゃ。どこ行く気だったね」


「は。にっし(仮)さんとこへ」


方向が180度違います。


親戚の人もつっこむと。
「は。かわっかんさん(仮)とこへ行きます」


すでに4年も前に、つきあいのあった人は亡くなっており、代替わりしている。


そんな介抱をしているうちに、一台の大型車が止まったという。


「どうしました!警察を呼びましょうか!」


ひょっとしたら、撥ねた直後と誤解されたのかもしれんが。
親戚の人が、Booじーちゃ。が、認知症だと話をすると。


「うちの親もそんなんです、大変ですねえ」と同情してくれた大型車のドライバー氏。
腕も足もプルプルしていたBooじーちゃ。の様子に。
脱水症状ではないかと、ペットボトルのお茶をくれたんだとか。
じつにありがたいことである。
日本もまだ捨てたもんじゃねーな。
ぷるぷるしてたのは、単純にめったに動かさない筋肉を酷使したせいであったことはナイショだが。


血は、幸いにもかすり傷によるものだった。
自分の限度も知らず歩き続けるうちに、上半身が前に倒れていく癖のあるBooじーちゃ。
頬と顎に擦り傷があるのは、転ぶ際に顔面制動したからだとして。
肘の外側にある擦り傷はどういう転び方をしたらできるんだか。
あちこち打撲だらけでもある。


発見の報を入れたが、おかんさまたちは半信半疑であった。
それほどに、今回のBooじーちゃ。の、脱走は予測の左斜め45度22分は上を行っていたのだ。
これまで、それほどの距離を歩いたこともなく。
しかも、発見現場の方向へなど行ったこともないのだからして。
それでもすっとんで帰ってきたおかんさまたち。
状況を聴いて納得するやら、親戚の人にぺこぺこ謝るやら。


そのただ中で、なぜ一人我関せずな顔をしてますかBooじーちゃ。


退屈そうに高校野球をばかでかいボリュームで見始めたり。
親戚の人にお茶といっしょに出したお菓子を虎視眈々と狙っていたり。


ワタクシメどもが心配したことも。
脳味噌三歳以下児にとっちゃ、ほんの小さな大冒険にすぎないのか。
説教モード全速のおかんさまに、さんざん叱られたけど。
きっともう忘れてるんだろーなー…。


お世話になりましたドライバー氏、親戚の人、まことにありがとうございました。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。(深々)





また、Booじーちゃ。の、脱走したアカツキには、お世話になりますのでよろしく(何)。
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