ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

音無の構え。

2009-08-18 | Weblog
お盆にて田舎に滞在中の出来事である。


週間天気予報は相変わらず雨の日が多い。
やれるうちに戸外の仕事をやらねばと、晴れ間に泥まみれになりつつ畑仕事をするおとんさまとおかんさま。

お盆ということで、人がお参りに来てくれるというに。
主婦としては雑草まみれの家をお目に掛けるわけにはいかん!
というのが、おかんさまの心境であろうか。


払暁には外に出ているおかんさまたちをこっそりサポートすべく。
窓を片っ端から開けて空気の入れ換えをしたり。
生きている人と死んでいる人の分(仏壇に供えるんである)の朝食を作り。
ついでに、朝食前に掃除機をかけまくった上で雑巾掛けまでしたりするワタクシメ。
あねうえどのも庭に出て、なにやらジャングルと化した庭の草とそれなりに格闘したりしている。


それぞれがそれぞれの仕事をしていると、なぜかそわそわと動きたがるBooじーちゃ。
んが、下手に動かれた日には、仕事にならない。
そんなわけで。


「家におってね」

「テレビ見とんない」

「自転車漕ぎしとんない」(運動不足解消用のエアロバイクのことだ)

などと、昼間に寝かせないように、なおかつ寝たきりにならないように日課を与えてはいるのだが。
困ったことに、自分の家では好き勝手ができるもんだと考えているフシのあるBooじーちゃ。
行動に制約を設けられると、ワタクシメたちの家にいる時以上に激烈な反応をすることがある。


台所から出てきたあねうえどのが、居間を見渡して。
「あれ?Booじーちゃ。は?」


玄関に行ってみる。
Booじーちゃ。の靴がなひ。


脱 走 し や が り な さ い ま し た 。


おかんさまとおとんさまは、気温が上がりきる前にと家の周囲で畑仕事。
あねうえどのはさっきまで台所で洗い物。
ワタクシメは仏間近くの小部屋で拭き掃除。
人の目が逸れた一瞬をついて、音無の構えですーっと玄関から逃走した模様。
認知症ってぇのは、脳機能のうち、悪知恵領域だけは残存するもんであるようだ。


困ったことにここはBooじーちゃ。の、ホームグラウンドである。
土地勘は向こうが上だ。
しかも、周囲には田圃が多く、時期はお盆。
ただ追いかけるのも大変な上に。
用水にはまったり、交通量の多い国道にでもふらふらと飛び出されでもしたならば。
新盆到来まちがいなし。
血相を変えたおかんさまが野良着のままあねうえどのの運転する車に飛び乗り。
おとんさまは近隣を捜索。
ワタクシメは情報伝達のため黒電話を抱え込むという事態とあいなった。





この話、明日も続く。
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コメント (2)
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