ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

血塗れ。

2009-08-19 | Weblog
昨日の続きである。


足腰が弱り、最近では散歩にも行かないばかりか、運動不足解消用のエアロバイクすらほとんどやらないBooじーちゃ。
なのに、脱走するときだけはすったかたーと健脚を発揮して。
誰も気がつかないうちに家の周囲からその姿は消えていた。


情報収集に散った面々。
繋ぎに残ったワタクシメ。
前日の夜来たばかりだというのに、朝っぱらからえらい騒ぎである。


近所を通る沿線には、やたらと鉄っちゃんが発生していた。
ばかでかいカメラを抱えているなら、何か捉えてないかとも思うが。
意識もレンズも一時間一本通る列車に向けられている彼らからは情報が得られない。
……勝手に、よそんちの畑にまで踏み込んで三脚立ててんじゃなひ、と八つ当たりでグーパンをお見舞いしたくなるのを押さえ込んで。
さらに待機しつつ情報収集をする。


周囲の親戚やら近所の人やらに尋ねて回るも、踏切の周辺で目撃情報は途絶えていた。
代わりに「Booじーちゃ。帰還&逃走」のニュースが光速で集落内をつっぱしったのは言うまでもない。


30分ほどたったころだったろうか。
車の音がした。
おかんさまたちが戻ってきたのかと思ったが。
降りてきたのは、やや離れたところに住む親戚の人であった。
開口一番。


「Booじーちゃ。が、怪我して倒れてたんで連れてきた!」


親戚の人のシャツにも血がついていた。
それを見た自分の顔から血の気が引くのがわかった。





さらに明日も続く。
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