ネタバレ注意。
文章下手（この台詞の軽薄さはなんなんだろう）、登場人物はみなエキセントリックで過剰（この警察に対する悪意はなんなんだろう）、ミステリとしても大味でツメが甘い（「ダムダム弾」というファクタの処理は面白いと思ったが、魅力的な建物構造を利用した大トリックがいかにも島荘ってノリながら大味でションボリ）。島荘の悪いトコ出ちゃいましたーって「大作」だけど、それでも高揚しつつ読まされてしまうのは、やはりその「豪胆なる筆力」の故だろうと思います。やはりパワーは図抜けた作家です。
豪快と言えば一番最初の「密室」のトリック、実は俺のネタ帳にあるのと同じだったんだけど、それを成立させるために30人殺しを持ってくるって豪快さに感嘆。その発想はなかったわ。せいぜいが若竹七海『悪いうさぎ』だった、発想の限界。でもその「30人殺し」のパートが長い割に安い。ここ最近の島田の「大作」にはよくある手法だけど、こういうの作品を冗長にしてるだけだと思うけどな。しかもそっから現代の事件への繋がりがグダグダだよね。30人殺しって題材としても目新しくはないし、岩井志麻子『夜啼きの森』でも読んだ方がいいと思うよ。あの人ヘンだけど小説は面白いし（解説の阿呆とは違って）。
まあ、島田の「大作」の中では下の部類。壮大なる失敗作。
《私は鶏だ。地面を這い廻って、地べたの餌を見つけてこつこつついばむくらいしか能力はない。》(下巻54p)って石岡の突然の自嘲に笑った。《私は鶏だ》ってw。
作品の評価はＣ。
文章下手（この台詞の軽薄さはなんなんだろう）、登場人物はみなエキセントリックで過剰（この警察に対する悪意はなんなんだろう）、ミステリとしても大味でツメが甘い（「ダムダム弾」というファクタの処理は面白いと思ったが、魅力的な建物構造を利用した大トリックがいかにも島荘ってノリながら大味でションボリ）。島荘の悪いトコ出ちゃいましたーって「大作」だけど、それでも高揚しつつ読まされてしまうのは、やはりその「豪胆なる筆力」の故だろうと思います。やはりパワーは図抜けた作家です。
豪快と言えば一番最初の「密室」のトリック、実は俺のネタ帳にあるのと同じだったんだけど、それを成立させるために30人殺しを持ってくるって豪快さに感嘆。その発想はなかったわ。せいぜいが若竹七海『悪いうさぎ』だった、発想の限界。でもその「30人殺し」のパートが長い割に安い。ここ最近の島田の「大作」にはよくある手法だけど、こういうの作品を冗長にしてるだけだと思うけどな。しかもそっから現代の事件への繋がりがグダグダだよね。30人殺しって題材としても目新しくはないし、岩井志麻子『夜啼きの森』でも読んだ方がいいと思うよ。あの人ヘンだけど小説は面白いし（解説の阿呆とは違って）。
まあ、島田の「大作」の中では下の部類。壮大なる失敗作。
《私は鶏だ。地面を這い廻って、地べたの餌を見つけてこつこつついばむくらいしか能力はない。》(下巻54p)って石岡の突然の自嘲に笑った。《私は鶏だ》ってw。
作品の評価はＣ。
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