urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

藤岡真『六色金神殺人事件』徳間文庫

2006年01月27日 | reading
ネタバレ注意。

うわ、めっちゃプレミア付いてる! そんなねえ、三千円も出して…いや、感想を。
事件はめちゃくちゃに派手で面白いです。空中飛び回って壁に突き刺さったり、空中大の字で炎上したり、部屋丸ごと氷漬けになったりw。コレだけ派手にやったら、物理的な解決がショボくても許してやろうと思っていたのですが…こういうオチかよ…。いや、偽史に絡めた村おこしイベントって舞台設定すごく好きだし、それ考えたらこのオチも俺の好みだと思うのよ、すごく。でもこうオトすとどうも派手にやり過ぎた感が出てくるw。殺人の方をもっと大人しく抑えて、イベントの方のプロットを前面に押し出せば印象はより良かったかも。でもそれじゃあ地味だな…うーん、ジレンマ。
伝奇部分の出来は門外なんでよく分かりません。日猶同祖論なんかは、素人身にはいかにもな感じがしてテンション上がりました。
で、小説としてなんですが、ぶっちゃけ下手です。人物造型とか以前に、台詞、描写の主体がよく分からない。登場人物が多いのも影響してるでしょうし、相性の問題もあるかもしれませんが。で、読んでてどうもしっくりこない感じがして、その違和感は前述の「オチ」からなるプロットの要請なのかとも思ったのですが、真相が明らかになって以降も、結局最後までしっくり来ませんでしたw。どうやらそんなに難しい話ではなかったようです。

作品の評価はC。

六色金神殺人事件六色金神殺人事件
藤岡 真

徳間書店 2000-12
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