ネタバレ注意。
《ぼくの脳裏に一瞬、知らないおじさんにロリポップを差し出される小佐内さんが浮かんだ。お嬢ちゃん、おいで、キャンディーをあげる。小佐内さんはもちろん断わっただろう。いらない、持ってるもん。じゃあ、キャドバリーのチョコレートもあげるから。わあい、じゃ、行く!》(158-159p)
ホントは『春季限定いちごタルト事件』から読みたかったけど実家に送ってしまっていて…しかし世評の高さについ読んでしまいました。
キャラクタ小説としての面白さ、「日常の謎」のバラエティ豊かな楽しさ、どちらもハイレベル。そしてそれが「連作」としての仕掛けに奉仕する、野心的な構成。後者だけなら作例は思いつくけど、前者のライトノベル的な筆致と描写(とはいえイタさはなく好印象)がミステリとしてのカタルシスに繋がっているところにこの作品、この作家が注目されるべき所以があるように思います。でもこれ絶対前作読んでた方が面白いよな…シリーズだし。
あやつりテーマの長編としての完成度、スウィーツの描写など見るべきところはたくさんあり、楽しめるミステリです。他の作品も読みたいけど『氷菓』『愚者のエンドロール』どっちも実家だわ…。
作品の評価はBプラス。
《ぼくの脳裏に一瞬、知らないおじさんにロリポップを差し出される小佐内さんが浮かんだ。お嬢ちゃん、おいで、キャンディーをあげる。小佐内さんはもちろん断わっただろう。いらない、持ってるもん。じゃあ、キャドバリーのチョコレートもあげるから。わあい、じゃ、行く!》(158-159p)
ホントは『春季限定いちごタルト事件』から読みたかったけど実家に送ってしまっていて…しかし世評の高さについ読んでしまいました。
キャラクタ小説としての面白さ、「日常の謎」のバラエティ豊かな楽しさ、どちらもハイレベル。そしてそれが「連作」としての仕掛けに奉仕する、野心的な構成。後者だけなら作例は思いつくけど、前者のライトノベル的な筆致と描写(とはいえイタさはなく好印象)がミステリとしてのカタルシスに繋がっているところにこの作品、この作家が注目されるべき所以があるように思います。でもこれ絶対前作読んでた方が面白いよな…シリーズだし。
あやつりテーマの長編としての完成度、スウィーツの描写など見るべきところはたくさんあり、楽しめるミステリです。他の作品も読みたいけど『氷菓』『愚者のエンドロール』どっちも実家だわ…。
作品の評価はBプラス。
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