urt's nest

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山下和美『不思議な少年④』講談社モーニングKC

2005年10月26日 | comic
刊行インターバルが長いですが、その分非常に力の入った組み立て方をされているのが分かります。まだ四巻目でしかありませんが、こういう作品をこそ「ライフワーク」と言うのでしょうね。

現代劇と時代劇、そして大河ドラマと、三者三様の物語。しかしすべて、安易な感想を拒否する哲学的な深みを持っています。こういう感想の述べ方が最も安易であるとの自覚の上で、しかし僕はこの作品にあーだこーだと付け加えるべき言葉を持ちません。
単純に読後感のみを述べるとするならば、読み応えある大河ドラマであり、かつてなく「少年」が魅力的な「ベラとカリバリ」も非常に良かったですが、由利香の無邪気な可愛さに微笑みながら読んでいながら、まあ予測の範囲内とは言え、それでもナイフで切りつけられるような痛みを伴うオチと、その後の寂寞の一頁に感情を揺さぶられる「由利香」が素晴らしかったと思います。

4063724719不思議な少年 4 (4)
山下 和美

講談社 2005-10-21
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3 コメント

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これを機に (あぜっち)
2005-10-26 21:56:48
魅力的な考察!

現代物って結構食わず嫌い的なところがあるんだけど、時代物であり、大河的要素があるとくればぜひぜひ読みたいな。

そこから、こう現代物をバリバリ読めるようになれば……(ほくそ笑み)。

卒論終わったら読みたいっす。
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うんうん、 (セレブ☆)
2005-10-26 23:06:42
urtのブログ読むたび読みたい本が増えていきます(><;)



・・・が!!今は卒論。

終わったらぜひ何冊か読みたいものです☆
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あざーっす。 (urt)
2005-10-26 23:20:01
嬉しい限りっす。実際目の前で語らせるとクドいからね、ブログ見てるぐらいがちょーどいいよきっと!



この漫画は今までずっと、舞台を変えながらその度

すげー読み応えのある話になってるから、どっかしら琴線に引っ掛かる場面はあると思うよ。



つか俺も卒論…来年ちゃんと一緒に働けるよーに頑張りましょー。
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