urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

羽海野チカ『ハチミツとクローバー⑩』集英社クイーンズコミックス

2006年09月25日 | comic
完結巻。
この巻の中核となる「選択」に関して。これ以上なく意外だったし、少女漫画的な「規範」からは逸脱していると思いますが、なぜかとても納得のいくものでした。それはこの作品が終盤、照準を絞っていった「才能」というものとそれに対する「決着」というテーマに対して、その態度を一貫してブラさなかった表れであるからだと思います。「少女漫画」というカテゴリから、この漫画が頭一つ抜け出しているのは、なによりその肝っ玉の据わり具合の故だと。
画力、エピソードの構成力、コピーライティングセンス、どれもこれも素晴らしい筆力で、最後まで楽しませてくれました。本編そのもののラストも実に感動的で…タイトルとのあまりにも率直な絡ませ方に微笑み、竹本の感情にシンクロして涙が溢れ、新たな伝説に過去のレシピも思い出しながら…。きっと塩辛いハニーサンドだったでしょうね。
僕の口元にも塩味は広がりました。てか、

だげもどぉぉぉーーーっ

でもこの巻の最萌えは併録「星のオペラ」のパパさん。《なあ母さん》に最萌え値を記録。

ハチミツとクローバー 10 (10)ハチミツとクローバー 10 (10)
羽海野 チカ

集英社 2006-09-08
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