お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ハロウィンで大はしゃぎ

2011-10-27 | my Anthology


10月になると、急に日暮れが早くなって、風が冷たくなって……そんな街のそこここを鮮やかなオレンジ色のカボチャが彩ります。そう、10月はなんといってもハロウィン!

ハロウィンと言えばカボチャ。子どもたちの楽しみはパンプキンパッチのカボチャ狩りです。郊外の農場に出かけて、持ちきれないほどの大きさやユニークな形のカボチャを選ぶのも楽しみですが、学校のファンドレイジングのために校庭に設けられたパンプキンパッチでカボチャを売るのもまた楽しみです。近所の八百屋さんでは店頭にかかしやトウモロコシをアレンジし、ディスプレーがてらに売り出すカボチャでハロウィン気分を盛り上げます。シリコンバレー発のユニークなガラスのパンプキンも年々人気上昇中。GODIVAの季節限定チョコレートはカボチャのクリーム入り。

気に入った形や表情のカボチャを手に入れたら、当日に間に合うように「ジャック・オー・ランタン (Jack O Lantern)」を作ります。手をべたべたにしてどろんこ遊び気分で楽しむカービングには、子どもはもとより、おとなも大はしゃぎ。学校や職場で、また最近はオンラインでもデザインコンテストがあり、みんなで盛り上がります。

カボチャの絵本で私の一番のお気に入りはエリザベス・キングの『The Pumpkin Patch』です。表情豊かなカボチャの写真集は、どのページを開いても、いつまで眺めていてもあきません。

もっとも、ハロウィンのカボチャは魔法のカボチャ。だから、突然消えてしまったり『The Vanishing Pumpkin』、止まるところを知らずに大きくなりすぎたり『Big Pumpkin』、庭に入りきらないくらいたくさん実ったりして『Too Many Pumpkins』、子どもたちをハラハラドキドキさせます。でも、気分満点のカボチャのお話はいずれも"怖くない”絵本なので、小さな子にも、そしてベッドタイムにも、安心して読み聞かせられます。

そしてカボチャに並ぶハロウィン・キャラは魔女とオバケ。

魔女には善い魔女と悪い魔女がいるんだよ……と、子どもたちは教わります。そう言えば、「眠り姫」にも「オズの魔法使い」にも両方の魔女が登場しますね。善い魔女のおばあさんは病気を治してくれたり、なくした物を捜し出してくれたりします『Strega Nona』。善い魔女はお人好しなだけでなく、実はちょっと間が抜けていたりもして、そこが”可愛い”と相場が決まっています。そんな気のいい魔女が猫をホウキに乗せて仲良く飛んでいたら、どっと風が吹いて、あ!魔女の帽子が……杖が……飛ばされてどこかへ行ってしまいました! さぁ大変! 猫と魔女が落し物を探しに行くと……。落し物は見つかるのですが、逆に拾いものが……。動物たちが皆そろって「ねぇホウキに乗せてくれる?」気のいい魔女は、もちろん乗せてあげました。こんな愉快なお話は『Room on the Broom』。読み聞かせがYouTubeにアップされていますので、お楽しみください。

でも、やっぱりハロウィンには、ちょっと怖いお話もなければおもしろくありませんよね。うす気味悪いストーリーを書かせたら天下一!のロアルド・ダールの『Witches』はいかがでしょうか? 男の子をネズミに変えてしまうという魔女のお話は、絵本ではありませんが、素晴らしい挿絵がたくさんついた子ども向きのお話で、世界中で大人気です。一人で読むのは、たぶん3年生くらいから。でも読み聞かせるのであれば、学齢前の子でも十分に楽しめます。

さて、次はオバケです。オバケの絵本もたくさんありますが、私のいち押し絵本は『The Ghost's Dinner』。イラストレータでもあるジャック・デュケノイの作品です。登場するのはオバケだけ。まさにハロウィンにぴったりな絵本ですが、でもそれだけはもったいない、一年中楽しめる絵本です。お化けが集まってディナーを楽しみます。たくさんのご馳走が次々に出てくると.......お化けたちはそれぞれのお料理に影響されて色や形が変わってしまいます。グレープジュースを飲んだらぶどう色になり、トマトのスープを飲むとちょっと赤くなって……。最後にあるミルクを飲むと? あぁ結末も書きたいけれど、それは読んでのお楽しみ! ジャックは、このお話以外にも、可愛いお化けを主人公にした絵本をたくさん描いていて、どれも一年中いつでも楽しめるお話です。

もう一冊、ユニークなオバケの絵本があります。日本人アーティスト(版画作家)が始めて描いた絵本『The Ghosts in the House』です。アマゾン始めあらゆる読者評は「ともかく絵が素晴らしい!」 まったく同感です。ハロウィンカラーの黒と白とオレンジだけを使っているのに、色調と言い、実に品の良いきれいな仕上がりです。町はずれの家に少女が猫を連れて引っ越してきました。少女はその家がとても気に入りましたが、困ったことに……そこはオバケ屋敷でした。初めてオバケに遭遇した時はびっくり仰天。でも、大丈夫。少女はオバケの扱いを心得ています。オバケを捕まえては洗濯し、アイロンをかけ……そうして、猫も、少女も、オバケたちも、その家で、末永く幸せに暮らしましたとさ……というお話。この、あどけない少女は、きっと魔女なんですね。そういえば、ちゃんと黒い猫も連れています。決して過剰におしゃべりではないのに、なかなか含蓄のある絵本で、ニューヨーク・タイムズ紙のブックレビューで絶賛されたのもよくわかります。そう!魔女は意外なところにいるのです。もしかしたらあなたのお母さんも魔女かもしれません……。『My Working Mom

子どもたちにとって、ハロウィンのハイライトはキャンディハント! 暗くなるのをいまかいまかと待って、工夫を凝らしたコスチュームを身につけて出かけます。何日を前から準備する衣装選びには、子どもだけでなく、おとなも本気になります。会社のミーティングでミッキーマウスとスーパーマンが魔女を挟んで座っていたり、大学街では学生が近所の子どもたちを招待してキャンディを配ったり……アメリカ中がパーティ会場です。さぁ、扮装をばっちり決めたら、いよいよキャンディハント。"Trick or Treat?"、"Trick or Treat?"と声かけながらご近所を回ります。でも、そんなキャンディハントで謎めいた経験をした男の子もいますので、ハロウィンの夜にはくれぐれもご用心!『Trick or Treat

Happy Halloween Everyone!


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