お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

クリスマスに読みたい絵本

2011-12-20 | my Anthology

ホワイトハウスに飾られるツリーは、サンクスギビングの翌日に飾り立てた馬車で運ばれてくるのが恒例。今年はウィスコンシン州の農場で育てられたモミの木が選ばれました。 Source: The White House

もうすぐクリスマス!

感謝祭を過ぎると、ベイエリアのラジオ局はどこもクリスマスの曲を流し始めます。幅広いファンを持つKOIT局では、一日中まさにクリスマスソングのみ。皆にあきれられるくらいクリスマスソングが大好きな私は、自宅でも車でも、カフェで書き物をしているときも流しっぱなしで聞いています。歌詞は子育て中にWee Sing Christmasなどの子どものビデオ(ブログ記事『クリスマスは歌に乗ってやってくる』)を見て覚えましたが、これが今でもパーティでけっこう役に立っています。赤鼻のトナカイやジングルベルなど、お子さんと一緒に大きな声で是非どうぞ!

子どもの歌以外でよく流れるのは、「サンタが街にやってくる」、「ホワイトクリスマス」、”So this is Christmas、And what have you done...”と始まるジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」、"Last Christmas"、"Santa Baby"など。ご当地ソングの定番は、"Christmas in San Francisco" と"It's Christmas Once Agan in San Francisco"です。が、今年のKOITからは、定番にまじって、ちょっと怪しげな歌声がしょっちゅう聞こえています。おなじみドクター・スースの"How the Grinch Stole Christmas!"のミュージカル・ナンバーです。今年はクリスマスにサンフランシスコで上演されるので、そのプロモーション。グリンチは、大人にも子どもにも人気のドクター・スースの代表作のひとつ。クリスマスには毎年読みなおしたい絵本の一冊です(ブログ記事『わたしの「クリスマス絵本」は、これ!』)。原作の絵本も楽しいのですが、コスチュームからセットまでが色鮮やかで美しい映画もおすすめです。

クリスマスと言えば、もう一つの定番はバレエの「くるみ割り人形」。プロのダンスカンパニーから街のバレエ教室の発表会まで、毎年たくさんの公演があります。伝統的なものから斬新な振り付けの新作まで、バラエティに富んだプロの公演も楽しみですが、子どもたちだけでなく先生までが総出で踊る街のバレエ教室の上演もアットホームで楽しめます。わが家も、あの不況の年に奮発して高いチケット買ったのにインフルエンザで行かれなかったねとか(ブログ記事『「くるみ割り人形」と遠くへ行った友だち』)、ニューヨークのときは雪で開演に遅れちゃったねとか、バークレーで見たマーク・モリスは衣装はよかったけど……などなど、思い出しては家族で語り合うなつかしい思い出があります。

クリスマスは、当日もですが、実は、何日もかけて少しずつ準備を進めていくのが楽しい行事でもあります。家の軒先に電飾の飾りを張り巡らし、ツリーを買いに行き、買って来たツリーを飾りつけ、ドアにはリースをかけ、暖炉にストッキングを吊るしたり、友達から届いたクリスマスカードを棚に並べたり……。贈る人の顔を思い浮かべながら一つずつプレゼントを選ぶのも、ちょっと工夫したラッピングをしてツリーの下に並べるのも、ついでに「何が入っているのかな?」と自分宛のプレゼントを耳のそばで振ってみたり……するのも楽しいものです。

娘が小さいころのわが家の人気絵本は「ゆうびんやのクマさん」でした(ブログ記事『郵便やさんのいちばん忙しい日』)。イブの夕方まで、村中の人々にプレゼントやカードを自転車で届ける郵便配達のクマさんのお話を始めて読み聞かせた時、娘の質問は「ママ、クマさんのところにもプレゼント来るの?」でした。お話の途中で、実に心配そうに、おそるおそるたずねた娘の顔が忘れられません。大丈夫!最後にクマさんがお家に帰ると、彼のツリーの下にもちゃんとプレゼントが置いてあります。

うちの娘だけではありません。クリスマスのプレゼントを楽しみに待っている子どもたちは、よそにプレゼントをもらえない子どもがいると聞くとほんとうに心配します。アメリカには、そんな子どもたちの思いを、必要な子どもに届ける仕組みがあります。クリスマスの伝統は、知らない人にもプレゼントすることなのです。クリスマスシーズンに学校で始まるのがギビングツリー(ブログ記事『もうひとつのギビングツリー』)。ホームレスシェルターやいろいろな保護施設にいる子どもたちが「クリスマスに欲しいもの」を書いた短冊をたくさん下げたツリーを、学校のロビーや事務室に立てます。生徒たちはそれぞれに短冊をとって、書いてあるプレゼントを買い、きれいにラッピングしてツリーの下に並べます。箱には短冊を貼って中身がわかるようにしておきます。イブが近づいてもツリーに短冊が残っていると、子どもたちはやきもき! 親は子どもにつきあって、2度目3度目の買い物に行くことになります。ギビングツリーの語源は同タイトルの絵本です(ブログ記事『12月の定番絵本 ギビングツリー』)。一見クリスマスとは関係がなさそうなお話ですが、毎年このシーズンには必ず学校で読まれ、また書店でも定番として目立つところに飾られる絵本です。

誰でも簡単にチャリティに参加できる仕組みができているのは、アメリカのよいところだと思います。例えばスーパーマーケットではフード・ドライブ(食料品限定の寄付集め)をやっています。店舗の入り口に大きな入れ物が置き、そばに「特にこんなものを希望します」というリストがあります。寄付したい人は、先にリストを眺めておき、買い物のついでにリストの品物も一緒に購入して、帰りがけにフード・ドライブの容器に入れるだけ。衣類などの寄付が欲しい団体は、各家庭に希望品リストと寄付の出し方(たいていはきれいなゴミ袋に入れて、リストの紙を付けて、所定の日に玄関先に出すだけ)を書いた紙を配布し、所定の日にゴミ回収の要領でトラックでとりに廻ります。いずれも簡単です。

クリスマスは夜長。子どもたちは明るいうちからサンタさんを待って、だんだん待ちくたびれてきます。そんな長い夜に小さな子と楽しめる探し絵ゲームの絵本が"I Spy Christmas" です(ブログ記事『クリスマス休暇に楽しむ「隠し絵ゲーム」』)。おなじみ”I Spy...”シリーズの一冊ですが、テーマはズバリ!クリスマス。オーナメントなどの写真もきれいです。さて、「サンタさんが来るまで起きてる!」と言い張る子どもたちと読む本は?というと、定番の一冊は"The Snowman"。字のない、絵だけの絵本ですから、家族で眺めて、お話をつくりあって、語り合って、楽しめます(ブログ記事『雪だるまと出かける冒険旅行』)。ちょっと変わったお話では、クリスマスツリーになりたかったのになれなかった‥‥‥と嘆くもみの木を動物たちが慰めてくれるお話(ブログ記事『念ずれば‥‥』)や、眠らなくちゃいけないのに眠れないでいる冬眠クマさんのお話(ブログ記事『眠りたくないイブの夜は‥‥』)など、いかがでしょうか?

娘が大きくなるにつれ、わが家の絵本は、年下のお友達や幼稚園や図書館に寄付してしまいました。でも、私が娘からクリスマスプレゼントにもらった絵本は大事にとってあります。”The Gift of Nothing”。さんざん考え迷ったあげく、親友の犬に、空っぽの箱をきれいにラッピングしてプレゼントに持って行く子猫のお話です。「君とボクがいれば、ほかには何にもいらないよね!」というメッセ-ジ付き。私の絵本にも娘のベアハグ(大きな抱擁)がついてきました(ブログ記事『バイカルチャラルでよかったな!と思うとき』)。

Merry Christmas!



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