お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

怖くない魔女とネアカの吸血鬼

2009-10-15 | about 英語の絵本

Big Pumpkin

うちの娘は小さいころは大変な"怖がり"でした。過去形で書きましたが、おとなになった今も同様で、ホラー映画だけでなく、暴力的な映画もほとんど見られないのではないかと思います。

ふだんはまるっきりのお転婆(Tom Boy)で、高い木にも平気で登れば、背丈に合わないモンキーバーも腕の長さの不足をはずみをつけてこなし、ブランコなど一周回ってからんでしまうのではないかと思うほど高く漕ぐ子で、親としては怖くて「やめなさい」と言わないで観ているのには本当に忍耐心が必要だったのですが。

小さいときはディズニー映画の「シンデレラ」さえも全部は観られなくて、早送りで飛ばし飛ばしして観ていました。たとえば猫がネズミを追いかける場面でネズミの恐怖に共鳴して怯えて泣いてしまい、同じ映画を何回も見て結果オーライだとわかっていても、やはりその場面になると怖くて観られないというふうでした。

そんなでしたから、プリスクールがサマースクールになると、他の子がみんな一番楽しみにしているムービーデイに行かれません。毎週水曜日は「おうちから何のビデオを持ってきてもいいよ、みんなで観よう!」という日だったのですが、娘はその日だけは先生に事情をお話しして毎週お休みしていて、今でも我が家の笑い話になっています。

そんな娘にとってハロウィンは嬉しいような悲しいような行事。大好きなチョコレートを一杯もらえて嬉しいし、仮装するのも大好きだし、なによりお友達と夜遅くまでワイワイできるのは最高に嬉しい(ベッドタイムは8時だったのですが、ハロウィンの日は9時まで外を回ってもよいことになってました)。でもドアベルを押す前にドライブウェイに並んだジャック・オー・ランタンの脇を通るのは怖いなぁ‥‥。おうちの人がドラキュラの恰好で出てきたらどうしよう‥‥泣いちゃうかも‥‥。なにより住宅街の夜道は暗くて怖くて、お友達と一緒でも胸がドキドキしちゃう‥‥。

"ハロウィン気分は満喫できるけど、でも、怖くない本"はないものかしらと探してみました。そしてアマゾンの読者の方々のレビューを読んでいてわかったのが、"怖がり"な子どもは案外多いらしいということ。もう今更ですが、なぁんだうちの子だけじゃなかったのか(ホッ!)という気分になりました。

さて、そんな怖くない絵本のご紹介です。

心やさしい魔女がカボチャの種をまきました。ハロウィンの夜にパンプキンパイを焼こうと思ったのです。カボチャはどんどん育ちましたが‥‥あまりに大きく育ち過ぎて刈り取ることができなくなってしまいました。さぁ大変!魔女が四苦八苦していると‥‥。

緑色の顔をした魔女、吸血鬼、ミイラ‥‥。ハロウィンの夜を彩る“怖い登場人物”たちが、オールスターキャストで順にやってきて、心やさしい魔女を手伝おうとします。みんなパンプキンパイが食べたい一心!だから全然怖くありません。ところが、誰が手伝ってもカボチャは穫れません。ようやく最後に、コウモリの知恵でめでたく収穫!

主人公が一人では解決できない問題を、次々にいろいろな、意外な登場人物が出て来て一緒に解決しようとするのだけれども、なかなか解決できない‥‥さぁ、どうしよう?困った、困った‥‥というお話の展開が子どもは大好きです。困って困って、最後に、意外な展開でようやく解決!そのカタルシスにも大喜びします。そう、あのロシア民話の「おおきなかぶ」のコンセプトです。

子どもたちが大好きな物語の展開にのせて、ふだんは"怖い"とされているハロウィン常連の登場人物たちを、ユーモアいっぱいに一人(?)ずつ紹介していくお話ですので、おびえやすい小さい子も、怖がらずに楽しんで読むことのできるハロウィンの絵本です。


コメント (2)
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