Room On The Broom
魔女と黒猫が仲良くホーキに乗って飛んでいます。空中散歩は楽しいなぁ!二人ともご機嫌です。ところが急に風が吹いてきて、あっ!魔女の帽子が、杖が…飛んで行ってしまいました。さぁ大変!
大丈夫、大丈夫。親切な動物たちが拾ってくれました。でもね、落し物を届けてくれた動物たちは、みんな「ねぇ、ホーキに乗せてくれる?」と熱心に聞きます。魔女と猫は声をそろえて「もちろん!」と答えて乗せてあげました。
さて、みんなで空中散歩!誰もが二ッコニコ!
ところが…ドラゴンが現れて魔女を食べようとします…あぁ、今度こそ、本当にピンチ!
これもハロウィーンの本ながら、怖くない魔女のお話です。ドラゴンが出てくるところを除けば、登場するキャラクター全員がニコニコ笑顔というハッピーな物語。ドラゴンの登場で、ちょっと胸がドキドキしますが、大丈夫。お察しの通り、最後はハッピーエンディング!小さいお子さんにも安心して読んであげられます。
ところで、魔女はなぜ”ホーキ”に乗って飛ぶのでしょう?
どうもはっきりした由来がわかりません。「魔女が飛んだ」という記録は、実はすべて伝聞に基づいて書かれているという説がもっぱらで、つまり「魔女自身が『空を飛んだ』と語っている」とか「『魔女が飛んでいるのを見た』人がいる」と記録された古文書はあっても、記録者自身が見たという記述はないのだそうです。そのせいか、そもそも「魔女は空など飛べない」という説もあるのだとか。
しかし「魔女自身が『空を飛んだ』と語った」という言い伝えは非常に多く、これについて一説には、中世、魔女と称する女性たちの集会では特別なフレグランスの薬草クリームが用いられ、それをホーキの柄や長い棒状のものに塗って、またぐように抱え込んでは匂いを嗅いでいたのが、実は、その匂いを嗅ぐと気分が高揚して(つまり"ハイ"になったのでしょうね)幻覚を見たらしいと言われています。共通の幻覚が”空中浮遊”だったという説です。棒状のものが”ホーキ”になったのは、当時の(虐げられていたがゆえに魔女になったような)女性たちが、普段の暮らしの中で共通に持っていたものがホーキだったから、でしょうか?