それほど冷え込んではいませんが、雪が降り出しました。これから
荒れた天気になる予報です。今年も残りわずかになりましたね。
皆様、いろいろと慌ただしくされているのではないでしょうか。
ルーツ探しを始めてから7年余りが経ちました。この間、皆様の
ご協力のおかげで、多くの御先祖、縁者の方々に出会うことが
できました。その一方でいくつかの謎も出てきました。今後も
あせらず着実に「旅」を続けていきたいと思っています。
ところで、先日、30数年ぶりにある歌と再会することができました。
「旅愁」という曲です。長い間、記憶の片隅にあって気になって
いましたが、探せずにいました。インターネットのおかげで時空を
超えることができました。その歌詞は、ルーツ探しの旅をする私の
今の心情と重なるものがあります。
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あなたを探して ここまで来たの
恋しいあなた あなた 今どこに
風にゆれ 雨に濡れて
恋は今も今も 燃えているのに
白いほほえみも 後ろ姿も
遠い夢の中 あなたはいない
わたしの夜空に 星は見えない
あなたに会える 会える その日まで
鳥は飛び 鳥は帰る
それはいつもいつも 花の咲くころ
白いほほえみも 後ろ姿も
遠い夢の中 あなたはいない
「旅愁」(歌:西崎みどり)
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原曲では、いなくなってしまった恋人を探して旅をする女性の
心情が歌われていますが、「あなた」は特定の恋人を指すもので
ある必要はありません。ルーツ探しをしている自分には、それは
実際には会うことはできないけれども、何かしらのイメージや
生き様などをつかめるかもしれない御先祖の「あなた」なのです。
この曲を久しぶりに聴いて、遠くなった過去がよみがえりました。
著作権の問題はあるにしても、14歳の西崎みどりちゃんの歌声を
聴くことができるのです。1974年の歌声です。すごいことですね。
どういうことがきっかけで、この曲が記憶の底に沈んだのかは
今となっては分かりませんが、きっと強いインパクトがあったに
違いないと思います。音楽は自分に起きた何かの出来事と深く
結びついて記憶に残るものです。しかも、その出来事の多くは
つらく悲しいものです。歌はそんな心情を癒し、勇気を与えて
くれるものですね。
最近の若い人たちの間で流行っている音楽の多くについていく
ことができません。分からない、記憶に残せないのです。これは
どうしたものかと気になっていたところ、ある音楽家が明快な答を
与えてくれました。それは、若い人々の曲が悪いのではなく、聴く
側の記憶力の問題だというのです。
音楽とは、文字通り「音を楽しむ」ですが、記憶に残せないのでは
楽しむことができません。記憶のどこかにあるはずの「調べ」と
合わせることができないのです。歳とともに薄れていく感受性は
記憶力の低下とも関係していました。歳とともに「頑固」になる
のは、新しいものを受け付けなくなる「脳の容量」と関係している
といいます。
しかし、最近の音楽(とくにJポップ)がすべていいというわけ
ではないと思います。早口で歌詞が分かりずらい上に、わざとか
どうかは分かりませんが、巻舌・裏声が多すぎる。ヨーデルの
ような歌さえあります。歌詞だけ読めば心に響くものもたくさん
あるのに惜しい気がします。日本語が持つ本来の美しい響きを
はっきりと伝える工夫が必要と思います。
年内に「宇野ルーツだより」の特別号を発送しようと思って準備
していましたが、怠慢で間に合いませんでした。皆様にお詫び
いたします。年明けに「先祖付け」および「田賦考」の特別号を
解説付きでお届けします。宇野ゆかりの皆様、どうぞ暖かくして
よい年をお迎えください。今年1年、「ルーツだより」にお付き
合いいただき本当にありがとうございました。
近所から眺めた三角山です。すっかり白くなっています。