宇野ルーツだより

ご先祖のルーツを探す旅

マニュアルのない時代へ

2012-05-26 08:27:56 | 日記
 昨日はよい天気となって、札幌も夏日に。でも今朝は曇っています。何だかんだで
 気忙しくごぶさたしていますが、宇野ゆかりの皆さま、お元気でしょうか?
 
 NHKの「ラジオ深夜便」、作業をしながら耳を傾けることがありますが、今日は熊本からの内容
 でした。私たち宇野のルーツの熊本…興味深く聞いていました。その中で、姜尚中(カンサンジュン)
 さんの示唆に富む講演(宇土で開催)が放送されました。

 ご存じのように、姜さんは熊本市の出身です。済々黌から早稲田大学へ進みました。済々黌といえば
 小橋、友成さんや宇野貞度さんも設立に関わった学校。姜さんが済々黌出身という点でも興味があり
 ます。尚、姜さんのご両親のお墓は立田山にあるようです。

 姜さんは、母親の言葉として「ご破算で…」と「何とかなるばい」の2つが印象的だったと話します。
 戦後の大変な時代を、いわば異国の地で生きていくための覚悟を表した言葉ではなかったかといいます。
 何かをなくしても「何とかなる」との希望を捨てない姿勢、これがあったから今がある。これは個人に
 限らず社会全体にも言えるかもしれません。

 派遣切りなどの失業に就職難、その先にある「貧困」問題。「頑張れば何とかなる」という高度成長期の
 様相とは違った状況になっています。そこに追い打ちをかけるような大震災と原発事故。個人の頑張り
 ではどうにもならない問題が多くなっています。「自己責任」では片付けられません。

 こうした状況を、姜さんは「マニュアルのない時代に入った」と言います。確かに今までは「こうすれば、
 ああなる」式で、一応の解答が出てきたのだと私も思います。「よい学校に進んで、よい企業に入る」
 ための「ハウツー」がまん延してきました。でも、原発事故が「想定外」だったように、マニュアルでは
 対応できない。「よい企業」だっていつどうなるか分からない時代になって、本当の意味での「how to
 be happy together」が求められているのでしょう。

 こんな状況でも生きていかなければなりません、できれば楽しく幸福を感じて。人それぞれ幸福を感じる
 瞬間が違います。今までは(あるいは今も)、あまりにマニュアル化していた気がしますね。婚活・就活・
 子育て(教育)をはじめ、コンビニでの対応など、特に人間関係に係わる問題では「こうしても、そうなら
 ない」ことの連続です。そうは言っても決断を迫られる場面は必ずやって来る。その時の判断基準は…?
 難しい問題ですが、両親やご先祖など身の回りの、自分が尊敬する人々ならどうするだろうかと立ち止まっ
 て考えてみることも大切でしょうね。

 明治維新の動乱時期(西南戦争での宇野や緒方さんの態度)、昭和大恐慌の不況時期(北海道と熊本での
 宇野さんの生活)、戦中から戦後の混乱時期(満洲へ渡る決断と引き揚げ)など、現在よりはるかに困難な
 状況が確かにありました。ご先祖は、その時何を基準に、どんな判断をしたのか…「ルーツ探しの旅」の
 目的のひとつには、それがあります。過去を見ることは未来につながります。「何とかなるばい」の精神が
 あれば、明るい希望もわいてきます。人生80年の時代、健康で人がやらないことに挑戦したいですね。

  札幌はライラック(リラ)が満開になって、甘い香りが漂っています。1年で最もよい季節かもしれません。
  東京や熊本にも訪れたいと思っていますが、なかなかままなりません。「オオカミ老人」にならないように
  したいのですが。