数日、小春日和が続きましたが、今日は雪模様でした。この時間、あの
中頓別町の気温はマイナス13度とのこと・・・いよいよ本格的な冬に
なります。皆様方、お変りはありませんか。新型インフルエンザでの
死者の報道も相変わらずあとを絶ちません。お気をつけください。
NHKの番組で「坂の上の雲」が始まりました。事前から相当宣伝され
ていましたね。長い期間にわたって続くようです。時代背景に興味が
あったので観させていただきました。というのも、主人公たちが生きた
時代は、宇野貞度・キツさんが生きた時代でもあったからです。
秋山好古:安政6年(1859)生まれ
秋山真之:明治元年(1868)生まれ
正岡子規:慶応3年(1867)生まれ
宇野貞度:元治元年(1864)生まれ
宇野(緒方)キツ:慶応3年(1867)生まれ
キツさんと子規とは同じ年の生まれだったんですね。改めて驚きました。
秋山兄弟は松山藩の下級武士(10石ほどの徒士)の出身だったようです。
武士の特権がなくなり、秩禄処分でも石高の少ない士族の生活は大変
だったことでしょう。その辺の生活の様子がよく分かる時代考証がなされ
ていると思いました。秋山兄弟が軍人の道へと進むことはある程度必然
だったのかもしれません。日清・日露の戦争へと突き進んでいった当時の
時代について、原作者の司馬遼太郎は次のように述べています。
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維新後国をあげて欧化してしまった日本と日本人は、先進国家から見れば
漫画に見え、アジアの隣国から見れば笑止な、小面憎い存在としか見えず、
どちらの側からも愛情や好意はもたれなかった。(中略) 西洋が興隆した
そのエネルギー源はなにか、という点では、日本の国権論者はそれが帝国
主義と植民地にあると見た。民権論者も、「自由と民権にある」とは言い
つつも多くのものが帝国主義をあわせて認めた。帝国主義と自由と民権は
渾然として西洋諸国の生命の源泉であると見、当然ながらそれをまねよう
とした。西洋の帝国主義はすでに年季を経、劫を経、複雑で老獪になり、
かつては強盗であったものが商人の姿をとり、ときに変幻してヒューマニ
ズムのすがたをさえ仮装するまでに熟していたが、日本のそれは開業早々
だけにひどく「なま」で、ぎこちなく、欲望がむきだしで、結果として
醜悪な面がある。 (「坂の上の雲」より引用)
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司馬氏のこのような時代背景についての認識は、大筋ではその通りだと思い
ます。この時代背景を頭に入れて秋山兄弟の軍人としての功績、正岡子規の
歌業、宇野貞度さんの「武士の商法」などを見ていくことが大事なってくる
でしょう。この番組で、「司馬史観」がどこまで表現されるのか、今後も注目
して見たいと思います。
小春日和に誘われて、円山のふもとを散策しました。うっすらと積もった
雪の中から、どういうわけかタンポポが顔を出していました。春とまちがえ
たのか、温暖化の異変なのか、思わぬ出会いでした。