小春日和が続いた後、昨日、今日と寒くなりました。内陸部では
氷点下になった所もあるようです。宇野ゆかりの皆さま、お変わりはありませんか?
武士の実際の生活はどうだったのか、を知りたくて参考にした「武士の家計簿」。
映画化されたようです。同名の原作(磯田道史・新潮新書)に基づいたものです。
代々の加賀藩士であった猪山家。その8代目の猪山直之が主人公です。藩は違う
ものの、江戸時代末の宇野家の生活を知る上で参考になるものと期待しています。
見つかった古文書を解読した磯田氏によれば、当時の猪山家の年収は約1230万円、
対して負債が約2500万円。年収の2倍以上の負債ができた理由は、前回の記事で
簡単に紹介しました。他の武士同様、「身分費用」が大きな負担でした。この負債を
どう返済したのか・・・その辺の方法は現代とは少し違うようです。
武士の屋敷は、いわゆる「拝領屋敷」。今で言う「官舎」ですから自分で勝手に処分
するわけにはいきません。土地(知行地)もそう。自分の領地であっても藩のもの。
担保にするわけにもいきません。こうした状況ですから、武士にお金を貸すには、
ある程度のリスクを覚悟しなければなりません。当然、利率も高く設定されました。
原作によれば、猪山家はおもな家財道具を処分して返済にあてたようです。それで
負債の半分を返し、残りは10年賦にしてもらいました。天保年間の話です。今なら
自己破産に近い状態といったところでしょうか。これ以降の猪山家の質素倹約の
生活は大変だったようですが、これから学んだことも多かった。幕末から明治にかけて、
猪山家の生活はよい方向へ大きく変わることになります。子供たちに徹底した教育を
施し、明治政府に出仕させたのです。
「坂の上の雲」などで描かれたように、明治はよくも悪くも立身出世を目指した時代。
学問を究めて博士を目指したり、「立派な」軍人になることを夢見たり、政治の世界
に身を置き大臣のイスを争ったり・・・ある意味では努力次第で夢がかなう可能性が
今より高かった時代かもしれません。今の学生などの就職難の原因・・・単なる不況
で済まされない根深いものがあるような気がして、江戸や明治に学ぶことはたくさん
ありそうに思います。
映画「武士の家計簿」監督:森田芳光、出演:堺雅人・仲間由紀恵・中村雅俊・松坂
慶子・草笛光子ら。12月4日公開。
近くの公園です。だいぶ紅葉が進んできました。まだ積雪はありません。
氷点下になった所もあるようです。宇野ゆかりの皆さま、お変わりはありませんか?
武士の実際の生活はどうだったのか、を知りたくて参考にした「武士の家計簿」。
映画化されたようです。同名の原作(磯田道史・新潮新書)に基づいたものです。
代々の加賀藩士であった猪山家。その8代目の猪山直之が主人公です。藩は違う
ものの、江戸時代末の宇野家の生活を知る上で参考になるものと期待しています。
見つかった古文書を解読した磯田氏によれば、当時の猪山家の年収は約1230万円、
対して負債が約2500万円。年収の2倍以上の負債ができた理由は、前回の記事で
簡単に紹介しました。他の武士同様、「身分費用」が大きな負担でした。この負債を
どう返済したのか・・・その辺の方法は現代とは少し違うようです。
武士の屋敷は、いわゆる「拝領屋敷」。今で言う「官舎」ですから自分で勝手に処分
するわけにはいきません。土地(知行地)もそう。自分の領地であっても藩のもの。
担保にするわけにもいきません。こうした状況ですから、武士にお金を貸すには、
ある程度のリスクを覚悟しなければなりません。当然、利率も高く設定されました。
原作によれば、猪山家はおもな家財道具を処分して返済にあてたようです。それで
負債の半分を返し、残りは10年賦にしてもらいました。天保年間の話です。今なら
自己破産に近い状態といったところでしょうか。これ以降の猪山家の質素倹約の
生活は大変だったようですが、これから学んだことも多かった。幕末から明治にかけて、
猪山家の生活はよい方向へ大きく変わることになります。子供たちに徹底した教育を
施し、明治政府に出仕させたのです。
「坂の上の雲」などで描かれたように、明治はよくも悪くも立身出世を目指した時代。
学問を究めて博士を目指したり、「立派な」軍人になることを夢見たり、政治の世界
に身を置き大臣のイスを争ったり・・・ある意味では努力次第で夢がかなう可能性が
今より高かった時代かもしれません。今の学生などの就職難の原因・・・単なる不況
で済まされない根深いものがあるような気がして、江戸や明治に学ぶことはたくさん
ありそうに思います。
映画「武士の家計簿」監督:森田芳光、出演:堺雅人・仲間由紀恵・中村雅俊・松坂
慶子・草笛光子ら。12月4日公開。
近くの公園です。だいぶ紅葉が進んできました。まだ積雪はありません。