晴れましたが、気温は上がらず12℃止まり。オホーツク海側では3℃
という所もあったようです。三寒四温でしょうか、まだまだ気を許せない寒さが
ありそうです。宇野ゆかりの皆さま、どうぞ体調管理にお気をつけください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
怪しく光る獣
3月26日、その獣は誕生日を迎えるはずだった、40歳の
この種の生物としては、異例の長寿だった
彼は、ひそかに願っていた、古くなった檻の中で
「もう、じゅうぶんに役に立ったはずだ、早く天寿を全うしたい」
「やすらかに眠らせてくれ、そうしないと大変なことになる」
だが、一部の人々の見方は違った
「あと10年は長生きできるはずだ」
体には、いくつもの管が付けられ、無理な延命措置が施された
その獣は、多少の揺れやストレスには慣れていたし
多少の海水を浴びても平気なはずだったが
さすがに、今回は、初めての経験だった
その老体には、持ちこたえる体力は残っていなかった
おとなしくさせていたはずの、水が失われ
本性が、むきだしになっていく、ゆっくりと
燃えた体は、灰となり、まき散らされていく
空へ海へと・・・地表に降り積み、海底に沈む
その獣が、死の瀬戸際でつぶやく
「こんな最期は、のぞんでいなかったのに・・・」
その獣は、何億年も知られずに、ずっと眠っていた、古い大陸で
一見、何の変哲もなく、他の生物と変わらない姿に見えたが
まったく違う点があった、闇の中で青白く、怪しく光ったのだ
その光に魅せられた一人の研究者がいた、若くて美しい女性が
徹底して調べ上げ、不治の病に効力があることを見つけたが
その光は、彼女の体を蝕みつづけ、闇の中に引きずりこんだ
その獣は、頑丈な檻に閉じ込められて運ばれた、新しい大陸へ
一体、その青い光は何なのか・・・世界中から学者が集められた
ある者は、純粋な研究心に燃えて
ある者は、莫大な研究費につられて
それは、毒なのか、薬なのか・・・
激しい論争の末の、政治的結論
「毒ではあるが、薬として利用することは可能だ」
「われわれの科学力をもってすれば、恐れるに足らない」
「これは、人類の繁栄につながる、明るい未来が待っている」
その獣は、檻の中で静かに聞いていた、怪しく青白く輝きながら・・・
(宇野誠一郎、つづく)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先日、円山のふもとを歩きました。所々に雪が残り、春の花ざかりとは
いきませんでしたが、それでもエンレイソウやエゾエンゴサクがわずかに咲いて
いました。今月末には満開になりそうで楽しみです。波にさらわれた東北の海岸
にも花が咲いて、春の気配のようですね。皆さま、少しづつでも、何気ない日常が
戻りますよう願っています。
という所もあったようです。三寒四温でしょうか、まだまだ気を許せない寒さが
ありそうです。宇野ゆかりの皆さま、どうぞ体調管理にお気をつけください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
怪しく光る獣
3月26日、その獣は誕生日を迎えるはずだった、40歳の
この種の生物としては、異例の長寿だった
彼は、ひそかに願っていた、古くなった檻の中で
「もう、じゅうぶんに役に立ったはずだ、早く天寿を全うしたい」
「やすらかに眠らせてくれ、そうしないと大変なことになる」
だが、一部の人々の見方は違った
「あと10年は長生きできるはずだ」
体には、いくつもの管が付けられ、無理な延命措置が施された
その獣は、多少の揺れやストレスには慣れていたし
多少の海水を浴びても平気なはずだったが
さすがに、今回は、初めての経験だった
その老体には、持ちこたえる体力は残っていなかった
おとなしくさせていたはずの、水が失われ
本性が、むきだしになっていく、ゆっくりと
燃えた体は、灰となり、まき散らされていく
空へ海へと・・・地表に降り積み、海底に沈む
その獣が、死の瀬戸際でつぶやく
「こんな最期は、のぞんでいなかったのに・・・」
その獣は、何億年も知られずに、ずっと眠っていた、古い大陸で
一見、何の変哲もなく、他の生物と変わらない姿に見えたが
まったく違う点があった、闇の中で青白く、怪しく光ったのだ
その光に魅せられた一人の研究者がいた、若くて美しい女性が
徹底して調べ上げ、不治の病に効力があることを見つけたが
その光は、彼女の体を蝕みつづけ、闇の中に引きずりこんだ
その獣は、頑丈な檻に閉じ込められて運ばれた、新しい大陸へ
一体、その青い光は何なのか・・・世界中から学者が集められた
ある者は、純粋な研究心に燃えて
ある者は、莫大な研究費につられて
それは、毒なのか、薬なのか・・・
激しい論争の末の、政治的結論
「毒ではあるが、薬として利用することは可能だ」
「われわれの科学力をもってすれば、恐れるに足らない」
「これは、人類の繁栄につながる、明るい未来が待っている」
その獣は、檻の中で静かに聞いていた、怪しく青白く輝きながら・・・
(宇野誠一郎、つづく)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先日、円山のふもとを歩きました。所々に雪が残り、春の花ざかりとは
いきませんでしたが、それでもエンレイソウやエゾエンゴサクがわずかに咲いて
いました。今月末には満開になりそうで楽しみです。波にさらわれた東北の海岸
にも花が咲いて、春の気配のようですね。皆さま、少しづつでも、何気ない日常が
戻りますよう願っています。