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第84回国際ペン・プネー大会「非核化決議」

2019年10月08日 00時31分48秒 | 歴史論・資料
第84回国際ペン・プネー大会「非核化決議」

 提案者:国際ペン平和委員会、スロベニア・ペン、日本ペンクラブ。

 第84回国際ペン・プネー大会代表者会議にて2018年9月27日採択。


 第84回国際ペン・プネー大会に集う私たち作家は、以下の点を理解し、留意する。

 何十年に渡り大規模核戦争の危険性は少なくなってきたのかもしれないが、広島・長崎の原爆によりもたらされた人間・文化・環境資源の受け入れがたい損害、ならびに、第二次世界大戦中、またその後の長期間の核(実験において)使用により、女性、子ども、そして先住民に、より多くの損害を与えたことを想起する。

 急速な気候変動、人間の不平等、植民地時代以降の人間と資源の誤った利用と相まって、核の負の遺産は、出身の大陸、国、地域を問わず、人間に対し、継続的でかつより現実的な危機となっていることを想起する。

 極めて重要となっている軍事的、政治的な問題を別にすれば、核の脅威は、核兵器能力の調達・開発・維持に関わる全ての国の社会問題をともなっている。経済危機に瀕する国々では、国民の福祉や多大の犠牲を払い、市民の自由や基本的人権を脅かすことでしか核兵器を手に入れることができない国々があるなかで、豊かな国が核抑止力のために使い、その性能を高めようとしている。膨大な資源は、国内外のはるかに有益な目的のために使えるのではないかと想起する。

 私たちは、全ての人びとが、国際連合によって普遍的な人権として認められた、平和に生きる権利を持つことを確信し、それゆえ核兵器能力の大規模な拡散に危機感を持つ。そのような政策・姿勢・立場は、核能力を削減するどころか、加速的に増大させる恐れがあり、短期的、また長期的な未来にわたって、世界の平和を脅かすものである。

 よって国際ペンの作家は以下のことを求める。

①国連安全保障理事会は、国際緊張の緩和、ならびに平和への努力を促進すること。

②国際連合は、核実験の暫定的停止、核不拡散条約に関する政策を遵守し、核兵器のない世界を実現するために拘束力のある目標をたてることを再確認すること。

③国際ペンのメンバーに自分の言葉を使い、軍縮というPENの伝統を、悲しいことに機敏さを失いつつあるなかで、再び発展させるように呼びかける。国連のアントニオ・グレーデス事務局長の言葉を借りるならば「世界は結びつきを強めているが、社会は断片化されていくなか」で、我々は発信していかねければならない。我々が発信しなければ、社会はさらに断片化されていくのだから。



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