岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

三四郎が顔出しそうな洋食屋 針の止まりし時計もありて

2009年08月02日 23時59分59秒 | 岩田亨の作品紹介
この短歌が決定打でした。これが「NHK歌壇」(当時)に入選しなければ、こんなにも短歌に熱中することはなかったでしょう。西暦2000年。20世紀最後の年の6月のことでした。・・・ . . . 本文を読む

釧路の海の歌:石川啄木の短歌

2009年08月02日 23時59分00秒 | 私が選んだ近現代の短歌
「生活派」「ロマン派」などと呼ばれる石川啄木ですが、優れた心理詠や叙景歌も残しており、僕は個人的にはむしろこちらの方に心を惹かれます。 . . . 本文を読む

ナルシスの末裔という水仙を活ける器にガラスを選ぶ

2009年08月02日 12時11分16秒 | 岩田亨の作品紹介
様々な意味で転機となった一首です。批評会(歌会)で、自分の作品を批評しなければならなくなりました。普通は作者本人にあたった場合、司会者の判断でスルーするのですが、その時は順番がまわってきてしまいました。あらためて読み返すと色々と問題点が浮かんできて・・・。でもこの一首でひとつの決断をする結果となりました。 . . . 本文を読む

沸騰せるケトルの笛の鳴る音を潮時として受話器を置きぬ

2009年08月02日 12時04分43秒 | 岩田亨の作品紹介
「運河」誌上に「選歌余滴」というページがあります。各選者がその号の注目作をとりあげるのですが、僕の作品がしばしば掲載されろようになった頃の一首です。くしくも、島田修三が「ムキになれ」と言った3年目のことでした。他にもいくつかほぼ同じ時期に掲載されたものもあったのですが、この一首は特別に思い入れがあり、歌集の巻頭4首にいれました。その理由は・・・。 . . . 本文を読む

もの言えずうつむく人を思わしめダム湖の水が干上がっている

2009年08月02日 11時48分37秒 | 岩田亨の作品紹介
斎藤茂吉の言葉。「予が歌を詠むのは、詠みたくなるからである。そういう気持ちが体の奥から湧き上がってくるからである。変な気持になるからである。」と書き残しています。これと同じようなことを、歌人や詩人が書き残しています。「歌が心の奥から湧き上がって来るのを、止めることが出来なかった。」「一篇の詩を書くのに、原稿用紙に何度も鉛筆で書いたり、線を引いて消したりしているはずです。」など。今回はそんなお話です。・・・ . . . 本文を読む