自分の心を鎮め難いという経験は誰にでもあるでしょうが、斎藤茂吉もそのひとり。短歌作品に残しています。・・・ . . . 本文を読む
短歌の批評の言葉に「付きすぎ」というのを僕らはよく使う。二つのものの関係が密着し過ぎている、組み合わせが常識的ということ。「吉野」と「桜」がそれに当たるでしょう。西行を始め「吉野」「桜」「雪」は秀歌が多くあるとともに、詠いつくされたという感もあります。そこで斎藤茂吉は工夫したようです。工夫と言うより、作者独自の発見と言った方が正確かもしれません。・・・ . . . 本文を読む
少年時代に読んだ本に「サハラ砂漠」と「鳥取砂丘」を比較したものがありました。日本の砂丘は川が運んできた砂を海の波が打ち上げてできたとか。だから砂丘は海沿いにある。こんなことがやけに脳裏に残っているのですが。茂吉の砂丘の歌です。・・・ . . . 本文を読む
伊藤左千夫の弟子と言えば、島木赤彦・斎藤茂吉・土屋文明がよく知られていますが、この「アララギ」第二世代とでもいう集団の中に中村憲吉がいます。46歳の若さで亡くなりました。「アララギ」の主要同人の中、ひとり関西に住んで独特の作風を示した歌人ですが、その死を悼む斎藤茂吉の作品です。 . . . 本文を読む