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江東・女性殺害、星島被告に無期判決

2009年02月19日 08時40分00秒 | 社会・経済
江東・女性殺害、星島被告に無期判決…地裁「死刑重すぎる」。


この事件は本当におぞましすぎる事件だった。
もしも自分が遺族であれば、たとえ死刑でも生易しすぎると感じると思う。
もっと徹底的に苦しめ抜いて殺しても、まだ足りない感じか?

しかし冷静に客観的に考えれば、この判決は妥当ではないかと感じる。
今回の裁判では、まるでワイドショーのような、いやそれ以下とさえ思える検察側の証拠開示が行われた。これに惑わされてしまうと、ついつい本質を見失って感情的になってしまう。
この事件については、「動機」と「殺人」と「死体遺棄」の3点をしっかり区別して考えなければならないだろう。

1.「動機」――被害者に性的陵辱を加えることを目的とした誘拐動機は極めておぞましい。全く身勝手で被害者の人権を無視した行為だ。しかし加害者は被害者に性的暴行は加えていない。考えていた事がいかに悪辣であったとしても、刑法ではそれが実行された時に処罰対象とするべきである。「姦淫を考えた者は姦淫したのと同じ」というのは宗教的戒律ならば構わないが刑法に取り入れるべきではない。いかに悪辣な事を考えたとしても、考えただけで処罰されてはならない。
2.「死体遺棄」――被害者のご遺体を細かく切り刻んでトイレに流すという行為は被害者の人権を著しく冒涜している。最悪の死体遺棄方法と言っても過言ではないだろう。しかし、たとえどんなに死体遺棄の方法が悪質であったとしても、死体遺棄を理由とした死刑は行き過ぎではないかと感じる。やはり宗教的な問題として「死体も人間」と考えるのは自由であるが、刑法では死体は生体とは別に考えるべきだろう。
そうなると死刑とする基準は3.の「殺人」であるが、今回の場合は死刑とするには無理があると思う。最初から殺害を目的とした計画的殺人ではなかったこと。もしも被告を死刑とするならば、他の計画殺人はすべて死刑としなければ整合性が取れない気がする。衝動的殺人よりも計画的殺人のほうが、より悪質である。
つまり今回の事件の被告を死刑とするには、殺人に加えて「動機」と「死体遺棄」の部分を含めて、死刑が相当かの判断になるだろうが、前述のように死刑とする基準には満たないように思う。
以上のような事から、裁判長の
「〈1〉包丁で首を1回突き刺すという殺害の仕方は 執拗 ( しつよう ) なものではない〈2〉わいせつ行為には至っていない〈3〉殺人には計画性がない」という判断は非常に適切であると感じる。