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池上彰氏が3月でレギュラー番組を降板するそうです

2011年01月23日 08時26分40秒 | マスコミ
池上彰、3月でレギュラー番組降板!

「売れてるのにもったいない」と思われるかもしれない。
しかし、むしろテレビを降板して執筆活動や講演等を行ったほうが、ご本人のためだろう。

テレビに頻繁に出る人間は、テレビ局と所属事務所間で「ランク」という物が取り決められている。
これは30分単位の出演料だ。
正確ではないが、たとえば、「オードリーは30万円、 くりぃむしちゅーは80万円、明石家さんまは180万円……」みたいな感じ。
仮に明石家さんまに1時間番組の出演依頼すれば、ギャラは360万円になる。

「ランク」があることで、テレビ局と所属事務所は番組の出演交渉の度に、いちいち出演料の交渉をする必要がない。
またテレビ局側は「出演料の総予算が1千万円だから、このタレントとこのタレントを起用する」というように、キャスティングを決める際に予算配分できる。

ところで、この「ランク」は2種類ある。
ひとつは「タレントランク」と称される物で、もうひとつは「文化人ランク」と称される物だ。
タレントランクは、歌手・俳優・お笑い芸人など。いっぽう文化人ランクは、学者・評論家・作家など。
そしてタレントランクと文化人ランクは、同程度の売れっ子でもゼロが1個ちがうとされる。
すなわちタレントランクで100万円くらい付く売れっ子でも、文化人ランクになると10万円程度になる。
これはテレビ出演で行う仕事の差が大きい。タレントランクで付けられている人間は、歌唱や演技、お笑いといった芸能を披露するのに対して、文化人ランクで付けられている人間はトークがメイン。報道番組やワイドショーのコメンテーターなどがメインの仕事だ。

池上氏は当然、文化人ランクであろう。仮にタレントランクの爆笑問題がニュース解説を行えばギャラが200万円でも、池上氏ならば文化人ランクなので20万円で済むという話だ。
不景気のテレビ局に取っては、文化人ランクで視聴率が稼げる池上氏は宝だったはず。いっぽう池上氏にすればテレビはおいしいメディアではなく、むしろ断って本業に専念したほうが良いって判断だろう。

余談だが、昨年、爆発的に売れっ子となった戦場カメラマンの渡部陽一氏。彼も本業はカメラマンであるから、ギャラは文化人ランクのはず。つまりは雛壇芸人と同等か、それ以下か。その金額で中堅芸人くらいのポジションで使えるのだから、テレビ局に取っては貴重な人材であろう。あちらこちらの番組で見かけるのは「さもありなん」なのである。