うえぽんの「たぬき鍋」

日々のつれづれ、野球ネタ、バカ話など、何でもありの闇鍋的世界?

血は争えない。

2005-01-25 16:20:36 | 雑記
友人ながの氏のブログ「【目黒夜話】」で、私の薬による失敗談の記事をトラックバックして下さっていた。「あら、あんなバカ話でも読んでくれてる」と思うと、結構嬉しい。
というわけで、今度は私が彼のブログの記事からトラックバックして、「中毒ネタ」で話を進めてみたいと思う。

私の母は、古い食品に関してはかなり神経質で、たとえ私に食べさせることはあっても、自分では絶対食べない。
母は元々腹が弱く、古いものでなくてもよくアタる。特に、ちょっと高い値段で外食すると、かなりの確率で腹痛を起こす。「そりゃ『貧乏病』じゃないの?」という外野の声もあるが、同じ「貧乏病」でもウチの他の人間は平気なのだ。以前、夫婦旅行で沼津に行った時、ホテルで出た生ものが体に合わなかったらしく、母だけ大アタリして旅行どころじゃなくなったという話もある。
母は「あの事件以来、アタシの腹っておかしくなったのよねぇ」と語る。あの事件とは…。

話は昭和49年の夏にさかのぼる。母は実家で両親との3人暮らしをしていた(2歳上の姉がいるが、前年に嫁いでいる)。母は既に結婚が決まり、地元に本社がある大手建設会社で派遣社員をしながら、秋の結婚式の準備にいそしんでいた。
母は、ある日の夕食にカレーを食べた。当日作ったカレーではなく、数日前の残り物だ。量が少なかったため、母だけ食べた。味に特別異常はなかったと母は言う。むしろ、数日おいてあるから具に味がなじんで美味しかったことだろう。しかし、地獄はその日の夜中にやってきた。睡眠中、強烈な腹痛と吐き気が押し寄せ、母はトイレと寝床を何度も往復する羽目に陥った。「上を下への大騒ぎ」とはよく言うが、母のこの場合、「上も下も大騒ぎ」の状態である。当然、眠るどころではなく、見た目も中身もボロボロだ。
現在なら、当然休むだろう。しかし、天然ボケでも根は生真面目な母は「何としても会社に行かねば」と思った。当時の社会全体が、現代ほど休むことに寛容でなかった、という時代背景もあったのかも知れない。
職場へはバス1本で行ける。何とか身支度を整え、這うようにしてバスに乗った母。あいにく、ラッシュで席が埋まっており、吊革につかまって苦しみをこらえていた。しかし、まもなく目の前の世界が真っ白になった。一瞬意識が遠のいたが、何とかバスを降り、職場までたどりついた。
出社するなり、同僚も上司もその尋常でない姿に驚いた。皆「どうしたの!?顔色が青いよ」「フラフラじゃないか。今日は帰って休んだ方がいいよ」と母を気遣う。もはや母に「それでも今日は働く」と言い返す気力は残っておらず、とんぼ返りして医者に行くと「食中毒ですね」と、あっさりと診断が下った。原因はもちろん、残り物のカレーである。カレーはああ見えて、結構腐りやすい。特に夏場はヤバイのだ。「おそらく、冷蔵庫にも入れないで放ってあったんじゃないか」と母は当時を振り返る。以来、母はちょっとでもヘンなものを食べるとアタるようになったという。数年に一度、原因不明の嘔吐と下痢で救急車のご厄介になっているのも、これと無関係ではないのではないかと私はニラんでいる。

それから長い月日が流れたある夏の昼下がり、小腹がすいた私は前日の残り物のカレーを食べた。しばらくして「私も食べようっと」と、鍋を覗きこんだ妹が叫んだ。

「お兄ちゃん!このカレー、カビ生えてるよ!!」

即座に「古くない」正露丸を飲んだのが良かったのか、幸いにも何ともなかった。しかし、この光景を見た母は「アンタはやっぱりアタシの子ね…」と、深いため息をついたのだった。

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2 コメント

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私も胃腸炎になりました。 (風爺ぃ)
2005-01-25 23:15:23
こんばんは。またおじゃまします。



実は私も、2度ほどウィルス性胃腸炎にかかったことがあります。あれって悲惨なんですよね、ホント。まさに「上も下も大騒ぎ」です。



どうやら、疲れているときに脂っこいものを急いで食べると、胃腸炎になるようで、吐き気と腹痛に襲われてしまいます。



ちなみに息子もウィルス性胃腸炎にかかったことがあります。やはり、血は争えないんでしょうね。
Unknown (うえぽん)
2005-01-26 15:47:17
風爺ぃ様

ホント悲惨ですよね。ワタクシも「上も下も大騒ぎ」を2回ほどやりましたが、ありゃホントにつらい!両方とも軽度の部類でしたから、母に比べればまだマシでしたが。

ちょうどこの記事を書いた後、テレビで「海外で生魚を食べたら寄生虫症にかかってしまった」という話をしておりました。「ヤバイものはむやみに食うな」ってことですね。

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