桜も散ったというのにお雑煮の話で恐縮ですが。お雑煮は夫の大好物です。
だから我が家は餅があれば、いつでも雑煮です。もちろん大晦日から雑煮を食べております。何しろそれさえ食べていれば機嫌がいいのだから、こんな楽なものはありません。
雑煮と言ってもごく簡単なもので醤油味のだし汁に青菜を刻んで、餅と一緒に煮込むだけのものです。さすがに正月の雑煮には、紅白の蒲鉾くらいは入れますが、そのほかの時は青菜ばかりです。
青菜は生家のある地域では、主に青高菜をつかいます。カツオ菜とも呼ばれる青高菜を刻んで餅と一緒に入れて、餅が柔らかくなるまで煮るだけです。柔らかくなった餅に高菜が絡みつき、汁の中で高菜の絡め餅みたいになります。でもそこがおいしいところです。白い餅に高菜の青が映え、ちょっとツンとした高菜の風味に、汁のしょっぱさがたまりません。
とここまで書いてふと不安になってしまった。当地の人は本当にこんなお雑煮を食べているのだろうかと。そこで早速ネットで調べてみたのですが……。
なんと当地では甘口醤油仕立ての汁に、あんこ餅を入れるとなっていました。その上あんこ餅を入れるのは、我が家が位置する地域のエリアのみであると記されていました。
本当だろうか。もしかして高菜の入った雑煮を食べているのは、我が家だけなのだろうか?にわかには信じることのできない検索結果でした。
あれは高校生の家庭科の授業でした。確か郷土の料理みたいな話になり、教師が雑煮に何を入れるかと振ってきたことがありました。
当時は雑煮などに興味のある年代ではなかったので、ほとんどの者が答えらなかったのですが、中に一人白菜と答えた者がいました。
教師は苦笑しながら「白菜もそうですが、主に高菜でしょう」と言った。その言葉が今でも忘れなれません。
「お正月のお雑煮には、高菜が入っていませんか?高菜を入れるというのは素晴らしい食べ方なのですよ。たくさん切り込んで餅に絡めるようにして食べると、餅が喉につまらないのですよ」そんなような話の内容でした。
その時はああ、そうなのかと聞き流していたが、この頃それが非常に素晴らしい食べ方のように感じるようになりました。たぶん自分が餅を喉の詰まらせる年代に近づいたからでしょう。
また毎年正月の夜「東京都では餅を喉に詰まらせて緊急搬送された方が〇名いました」などという話をニュースで聞くたびに、「東京の人も小松菜をたくさん入れればいいのに」と思っていました。小松菜は東京都の郷土野菜ですね。
しかし考えてみればこの高菜もそうですが、あんこ餅だって、世間一般の雑煮と比べればどっちみち変わっています。この変わっているところが当地流なのです。ここはひとつ青高菜入りの雑煮は、草むしりン家(ち)のお雑煮としておきましょう。
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