つばさ

平和な日々が楽しい

 夢だけは不況に強しというべきか。それとも、

2012年11月02日 | Weblog
夕歩道
2012年11月2日
 夢を売る会社、アメリカのウォルト・ディズニー社が、「スター・ウォーズ」で知られる映画会社ルーカス・フィルムを買収へ。その額、日本円で約三千二百億円。もっと高額の夢にするわけだ。
 その昔、ディズニー氏が世界に名だたるキャラクター、ミッキーマウスを短編アニメで売り出したのは世界恐慌の直前。その大不況のただ中で、ミッキーを扱う会社だけは業績を伸ばしたという。
 夢だけは不況に強しというべきか。それとも、不況が夢を買わせるというべきか。ディズニー社は、三年後にスター・ウォーズの新作を出すという。その夢の剣で、不況の帝国をやっつけてくれ。

「おばあちゃん家の2階」

2012年11月02日 | Weblog
春秋
2012/11/2
 中古の家やビルを改装し、新築の家では難しいような、新しい住み方を考えてみませんか。学生や若手設計家たちを対象に、そんなアイデアコンテストが開かれている。不動産会社などが主催し、200点を超す応募作から予選を通過した12点の模型を都内で展示中だ。
▼作品から垣間見えるのは、少子高齢化や社会的孤立への若い世代の危機感だ。「おばあちゃん家の2階」と名づけた案は、単身高齢世帯の空き部屋をベンチャー企業や母子家庭に貸すという内容。家を舞台に、他人同士が世代を超えて助け合う発想だ。団地の中庭に各戸が張り出し部屋を設け、交流を促すアイデアもある。
▼古い建物の改装はリノベーション、略称リノベと呼ばれ、関心を持つ人が増えつつある。個性を演出しやすく、新築にない味わいも得られるからだ。退職したシニアが古民家で料理店を開いたり、バブル世代などが自宅に珍しい色や装飾を取り入れたり。コストを抑えながら、自分らしい空間を作れる点が歓迎されたのだ。
▼そうした現代版普請道楽もいいが、社会問題の解決やコミュニティーの復活に、空き家や空きビルを積極的に生かせないか。若い世代の問いかけが、今という時代を感じさせる。人口減少時代を迎え余り始めた家をどうするか、首都から地方まで共通の課題になりつつある。新世代の問題意識や知恵もどんどん生かしたい。

未来からの旅行者の助言が望めないのなら、せめて・・・

2012年11月02日 | Weblog
【産経抄】11月2日
 作家の筒井康隆さんには、漫画の作品もある。昭和44(1969)年に発表した『90年安保の全学連』もそのひとつだ。見開き2ページに描かれた90年代の国会議事堂の議場では、当時のタレントたちが大活躍している。後に参院議員や大阪府知事となる、大橋巨泉さんと故横山ノックさんの姿もあった。
 ▼40年以上たって振り返れば、国会よりも、タレントや作家出身の知事、市長が目立つ。ノックさんや東京都知事を務めた故青島幸男さんに始まり、田中康夫元長野県知事、東国原英夫前宮崎県知事、森田健作千葉県知事、そして橋下徹大阪市長と、枚挙にいとまがない。
 ▼特に無党派が大部分を占める大都市圏では、知名度が選挙結果を左右する傾向がすっかり定着した。タレント候補に慣れた有権者の心をどのようにつかむのか、各陣営は神経を尖(とが)らすことになる。
 ▼石原慎太郎知事の辞職にともなう都知事選が迫っているというのに、誰も名乗りを上げない背景には、そんな事情がある。「後出しジャンケン」の方が、有権者の目に新鮮に映り、スキャンダルが暴かれる危険も少ないからだ。短期決戦になればなるほど、イメージ重視の選挙戦になりやすい。
 ▼1985年に公開された米映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』には、タイムマシンが登場する。30年前にタイムスリップした主人公が、大統領はロナルド・レーガンだと当時の人に教えても、「俳優の?」と信じてもらえない。
 ▼そのレーガン氏は、今や米国民の間で「偉大な大統領」との歴史的評価が定まっている。未来からの旅行者の助言が望めないのなら、せめて政策論争をまともにやってくれないと、有権者は途方にくれるばかりだ。