つゆ草

写真と俳句

今日の1句

2012-04-11 06:26:32 | 日記
恋多き真砂女照らせし春の月

明治39年、安房鴨川の老舗旅館「吉田家」(鴨川グランドホテルの前身)の三女として生まれた鈴木まさ(真砂女)は、天真爛漫に育ち、22歳で日本橋の靴問屋の二男と恋愛結婚をし娘を出産うんぬん・・・で、その後夫が失踪してから次々と新たな恋を重ね、波乱万丈の一生だったようである。しかし凄いのはその心情を実に生々しく俳句に詠んでいることである。例えば、「貫きしことに傷つき炉を塞ぐ」、「羅や人悲します恋をして」、「花冷や箪笥の底の男帯」、等等赤裸々に言葉連ねる俳句の数々には切ない女心が溢れている。50歳の時銀座の路地裏に小料理屋「卯波」を開き多くの文化人が通い、96歳で女の一生を終えたという人生に乾杯である。

     贅沢な刻に遊びし春の旅
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする