むんむんと「白痴」の舞台春の夜
昨夜春雷の鳴る中、板橋のある小劇場で、坂口安吾の「白痴」の上演があるというので観てきました。20人入れば満席という程の狭い劇場は不思議な空間で、真っ白な壁と何やら仕掛けられた諸々、あの難解な安吾の作品をどの様に演出するのかが一番の目的でした。中身としてはあの小説文がそのままランダムに映像され、読み上げる人とそれを表現する白装束の男女二人、そして中央に白痴の妖しい姿、会話というより、音声と舞いと空間といった凝った内容でした。面白い企画だと思いましたが何よりも白痴の女の舞いが恐ろしく、又美しいものという印象が残りました。安吾の主張したいことはそれなりに男女のやりとりで表現されているように感じましたが難しいの一言です。
「俺にもこの白痴のような心、幼い、そして素直な心がなにより必要だったのだ。俺はそれをどこかに忘れ、ただあくせくした人間共の思考の中でうすぎたなく汚れ、虚妄の影を追い、ひどく疲れていただけなのだ。」「白痴」より
昨夜春雷の鳴る中、板橋のある小劇場で、坂口安吾の「白痴」の上演があるというので観てきました。20人入れば満席という程の狭い劇場は不思議な空間で、真っ白な壁と何やら仕掛けられた諸々、あの難解な安吾の作品をどの様に演出するのかが一番の目的でした。中身としてはあの小説文がそのままランダムに映像され、読み上げる人とそれを表現する白装束の男女二人、そして中央に白痴の妖しい姿、会話というより、音声と舞いと空間といった凝った内容でした。面白い企画だと思いましたが何よりも白痴の女の舞いが恐ろしく、又美しいものという印象が残りました。安吾の主張したいことはそれなりに男女のやりとりで表現されているように感じましたが難しいの一言です。
「俺にもこの白痴のような心、幼い、そして素直な心がなにより必要だったのだ。俺はそれをどこかに忘れ、ただあくせくした人間共の思考の中でうすぎたなく汚れ、虚妄の影を追い、ひどく疲れていただけなのだ。」「白痴」より