今日の１句

滅びゆくものの美しきや七変化　　　つゆ草

紫陽花の事を七変化とは本当によく言ったもので、最近の散歩道の紫陽花が色が衰えてきました。やがて乾燥させ茶色になったものが家にありますが、それはそれで私には情緒を感じます。もう明日で６月は終わりです。コロナに振り回され、又東京では感染者が増えてきましたが、共存してゆくしかありません。旅行の話もチラホラ出て来ましたが、まだ心が許しません。でも、こんな中我が街には食パン専門店や、冷麺のお店やフードショー等開店し、すっかり生き返った感はします。又すぐ隣の新築3軒も完成し、もう入居しています。滅びゆくものあれば、新しきものあり、今日の梅雨晴れ間にピッタリです。

今日の１句

五月雨や墨の香にじむお品書き　　　つゆ草

昨日、五日市の方の川に蛍を見に行って来ました。去年は近くの懐石料理の食事処で、食べ終わってさあという時に突然雷に襲われ、近く迄来ているのに諦めて帰った記憶があり今年も・・と心配したのですが、行ってみたら乱舞まではいかないものの、少し飛んでいるのが見られました。蛍を見ると、何故か悲しく愛おしくなるのは亡くなった方の魂と言われている所以でしょうが、本当に言葉少なくジッと見とれてしまうのです。父母を始め、亡くなった知り合いの方達の面影が浮かび、胸が一杯になりました。娘の家に泊めてもらい、先ほど帰宅したのですが、良い時間を過ごせた事に感謝です。今日の句は去年行った老舗のお食事処で出たお品書きを思い出して、です。

今日の１句

コロナ禍に老舗の女将さみだるる　　　つゆ草

今朝の日曜美術館にて、若冲や北斎の名画に関するお話があり、中でも北斎の「神奈川沖浦の波」と題するあの見事な波の絵を見て、尊敬する写真家浅井慎平さんが計算された舞台であると言い、シャッターをどこで止めるかという波の崩れる瞬間は大事で、北斎の目はそこに止まっていたうんぬんに、ただ感心しました。あまりに有名なこの絵は海外にも与えた影響は大きく、今更の様に鶏を描く若冲の目と、波を描く北斎の目に神憑りのものを感じた今朝の事です。

今日の１句

並びたるハーブ三鉢梅雨青し　　　つゆ草

窓先の小さなスペースに、スペアミント、バジル、レモンバームのハーブを育てていますが、梅雨に入り急に背が伸び青々としてきました。今日の様に梅雨晴れが途中にあると尚更です。サラダに使ったり、お刺身の添えにしたりと、大活躍です。コロナ自粛のお陰で、野菜を育てている人が増えたそうですが、畑が欲しい位です。夫は狭い庭に今年はピーマンやら茄子やら育てている様で、去年はグリーンカーテンばかり素晴らしくゴーヤが全くダメだったのですが、今年は大丈夫の様です。心静かに当たりを見渡せば、癒す手段はあるものです。

今日の１句

奥飛騨の解かれし自粛五月雨るる　　つゆ草

今朝のニュースで、白川郷のある奥飛騨地区の代表者３人が、法被姿でやっと自粛が解かれホッとしたと同時に、観光客に対する思いをご挨拶に述べておられました。静かに暮らす白川郷の皆様のお気持ちは如何なものか・・と、客側の私共は考えてしまいます。何度も訪れてとても素敵な所である事は承知しているものの、複雑な心境になりました。野球も始まり、美術館も夜の酒場も始まるのに、未だ不安が拭いきれない今朝の事でした。