今日の1句

胸奥のツンと痛くて薔薇のトゲ

今日で五月も終わりです。ずっとあの日から私の心には刺が刺さった儘の状態なのです。あの震災もまるで私自身が興してしまったような悲壮感が抜けません。ときどき眠れなくて夕べもそうでしたが2時ころから目が覚めていろいろ考えてしまいます。この失望感を埋める為我が身を𠮟咤激励してあちこち動いたのですが、どうにもなりません。青葉若葉風を胸一杯吸い込み深呼吸をしながらなんとか五月を過ごしました。明日から6月また心機一転して進むしかありません。刺が抜ける日は来るのでしょうか？

今日の1句

朝もやに棚田目覚めて河鹿鳴く

俳句を始めたばかりの頃に作った句です。本当なら今日は白川郷をバックに早苗姿の田植えの写真を撮っている筈でした。田植えの写真は今じゃなければ撮れないので残念です。それにしても梅雨に入った途端台風と重なり孫の運動会も延長となり不運続きです。東北地方に被害が及ばなければよいがと心配しています。

今日の1句

王朝の影従へて桐の花

桐の花が咲き頃なのですがあまり見かけることがありません。かつて通勤途中に車窓から見つけてこの時期になるとその辺りを気にしているのですが、見つかりません。桐の花といえばやはり浮かぶのは源氏物語の桐壺院です。格式高い花のイメージはありますが実際は高木で淡紫色のあまり目立つ花ではありません。そういえば小石川植物園に咲いていたような・・、今日などは雨に濡れて妖艶な姿となっていることでしょう。　　　　

今日の1句

老鴬のあの日に帰りたいと鳴く

先日鳩ノ巣渓谷に行った時鴬の声を聞きました。夏の鴬を老鴬というそうです。今朝のニュースで母親と祖母を震災で亡くした高校生がつぶれた家の前でトランペットを吹いている映像がありました。心がしめつけられる思いがしました。あの後私ごとですが予定していた写真撮影が悉くキャンセルになり撮影どころでは無くなっていたのですが、このたびやっと講師と共に田植えの撮影が行ける事になり楽しみにしていたのにまたまた今度は台風でキャンセルとなりました。あの地震が今更のように腹立たしく思える今朝のことです。

今日の1句

尊きは生かされし今新茶汲む

今年の新茶は一部で放射能の話題もありさまざまな思いが胸を過ぎることでしょう。でもあの柔らかい香りは何とも言えず美味しいものです。今平凡な日常の中に新茶を飲める幸せ、しみじみと味わいたいものです。和菓子も良いのですが、まろやかな口に溶けるチーズケーキがあるともっと嬉しいのですが・・。本当は私の日常は安い抹茶入り玄米茶で、これもなかなか美味なのです。