THE READING JOURNAL

読書日誌と雑文

『フェルメール全点踏破の旅』

2008-11-17 | Weblog
「フェルメール全点踏破の旅」
朽木 ゆり子 著 集英社(集英社新書ヴィジュアル版00三V) 2006 1000円+税

序章 フェルメールの魔法

この間、フェルメール展を見に行きました。(ココ参照)
実は、展覧会に行く前にこの本でフェルメールについて予習しようと思っていた。ところが、みんな同じ事を考えていたようで、市内の本屋を回ったらどこにもない。アマゾンを見たら、なんだか入荷までに時間がかかりそう、図書館で検索したら貸し出し中。となっていて、結局、読めないうちに見に行った。
ところが、先日、本屋さんを覗いてみたら、あった。

この本は、ジャーナリストの著者がフェルメールを全点見て歩くというものである。
フェルメールの作品数は全世界に三十数枚であり、専門家によりどれが本物か偽物か、意見も分かれている。全点で三十七枚といわれるが、そのうち専門家が真作としてはぼ一致しているのは三十四枚ほどである。
フェルメールは全世界的に非常に人気があるが、特に日本での人気は高い、その理由として著者が挙げているのは、
  1. フェルメールの絵の大部分は宗教がではなく。キリスト教的な教養にかける日本人にもなじみやすい
  2. フェルメールの絵は、主題が単純で、西洋絵画に特有の寓意や象徴性が少ない。
である。もっとも2の点に関しては、旅の過程でその先入観が見事に崩れたと書いている。