THE READING JOURNAL

読書日誌と雑文

「船頭重吉の物語」

2005-08-31 | Weblog
「日本残酷物語 第三部 鎖国の悲劇」

第二章 国を恋う人々 漂流の記録 船頭重吉の物語

ここからは、漂流者の記録、まず船頭重吉の漂流記を国学者池田寛親(ひろちか)の『船長日記(ふなおさにっき)』にそって。

文化十年(一八一三年)二九歳の重吉は、女房と乳呑児を故郷に残し督乗丸(とくじょうまる)に乗って出港した。
しかしその船は、陰暦十一月四日に御前崎付近で、嵐のために漂流した。
舵も壊れ、転覆を防ぐために帆柱も倒したので、ただ流されるに任せるだけだった。

だが船頭の重吉は、沈着で思慮のある男だった。 彼は水夫たちが心細さに泣き沈むなかで、毎日磁石を頼りに船の流されていく方向を克明に日記につけはじめた。・・・中略・・・船中の五ヶ所に不断灯をおい て、夜昼ともしつづけることにした。・・・中略・・・・そそてそれから一年五ヶ月のあいだ、彼が無事に救われるヒまで、このともしびは消えることのなく、 いのちの灯をともしつづけるのだ。

彼らは赤道付近までながされ漂流を続けた。米に大豆の粉をまぜ食料とし、大釜で海水をたき、真水を手に入れた。
しかし、だんだんと水夫達の健康が蝕われる。

三月ごろになると一同は目に見えて体力がおとろえ、皮膚は黒ずみ体ははれむくんで、ついには重吉をのぞく十二人が、そろって病みふしてしまった。

そして、次々に水夫達が亡くなるっていく、ついには、音吉と半兵衛の水夫を残すのみになった。
八月一日、待望の雨が降った。また、船の周りに魚が集まりカツオを釣ることができた。それから、毎日魚がつれ、生き残った水夫達もみるみると元気になった。
しかし、魚を追ってサメが集まるようになり魚はつれなくなる。そうすると、音吉と半兵衛は、また病に伏せる事になった。

文化十二年(一八一五)、洋上で迎える二度目の元旦である。・・・中略・・・今残って いるのはたった三人、それも二人は病人である。そのあいだ、船は海上を何千里流されたことか。もう日本に帰ることもおぼつかない。故郷の人々も自分たちの ことは死んだとあきらめていることだろう。みんなが首をくくるというのを、言葉をつくしてとめたものだが、その連中も仏になってしまった。自分もいっそ首 をくくって死のう。そうすれば、この苦しみからおがれられるのだ。---重吉は泣く泣くそう思いさだめたが、それが最後の命さかいのくじと、神のお告げを うかがってみると、嬉しや、正月二十七、八日ごろには助かると出た。

そして、その後二月八日に重吉達は、イギリス船、ホーストン号により助けられた。一年五ヶ月の漂流であった。
彼らは、南アメリカの赤道近くで救出されたのであった。
ホーストン号の船長ぺゲツは、大変親切は人であり、三人を手厚く迎えた。
重吉達はホーストン号とともに北上し、他の漂流者とともに北海道経由で日本に戻った。途中、カムチャッカの冬の寒さで半兵衛は亡くなる。重吉はふるさとに戻った。

この満三年半の恐怖にみちた経験が真実とも思われないような、むかしのままの静かなふ るさとであった。重吉の妻は、彼が消息を絶って以来、たびたび再婚の勧めもしりぞけて、夫のかりそめの位牌を守りながら、ひとり、子どもを育ててきた。重 吉が帰ってきたとき、彼女は、ただおし黙って、夫の前に両手をついておじぎをした。やせた肩が、細かくふるえているようであった。

その後、重吉は供養碑をたてるために寄付金を集めた。

帰国後七年目の文政七年(一八二四)尾張四観音の一つとして名高い笠寺に、念願の督乗丸供養碑を建てることができた。この碑は、いまは名古屋の成福寺に残っている。


「こうすればあなたも書斎を持てる」

2005-08-30 | Weblog
「できる人の書斎術」 西山昭彦 中塚千恵 著 (読了)

V こうすればあなたも書斎を持てる VI 新しい書斎ライフのすすめ

今日のところは、これから書斎を持つ人への提言。
リフォームの専門家に聞いた話(実例付き)なども載っている。

専門家によると、ここ数年書斎を希望する人が多くなったようだ、その理由はパソコンの普及だという。

書斎を専門家に頼むときは、どのように使用したいのかはっきりと伝える事が重要である。
細かい注意点としては、家具は低めのにして奥行きを広く感じさせるとか、冷暖房等の環境設備を整えるとかである。

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「楽しく身につくフランス語」アテネ・フランセ 責任編集 

第一部 初めてのフランス語30日 第17日目 Qu'est-ce que tu fais ce soir? - Je vais au cinema. Tu viens avec moi? (今夜はどうするの(何をしますか)? 映画に行きます、君も一緒に来ない(行かない)?)

「若手ビジネス・パーソンの書斎ライフ」

2005-08-29 | Weblog
「できる人の書斎術」 西山昭彦 中塚千恵 著

IV 若手ビジネス・パーソンの書斎ライフ

この章は、著者の一人中塚氏の書斎の話と、普通のビジネス・パーソ9名の書斎の話からなる。

中塚氏は、まだ、独身のためかダイニングテーブルが書斎になるのだそうだ、食事と勉強ときっちり分けて使っている。
中塚氏の勉強に関するポリシーは、母の言葉

「勉強は自分の言葉で書いてこそ、身につくもの」

である。

後に、具体的なビジネス・パーソンの書斎の話が続く。
読んでみると、やはり個室の書斎はなかなかもてないで、書斎コーナーのような工夫も多い。個室の書斎は、家を購入時に計画した人が大半である。
また、書斎での過ごし方は各人いろいろだか、意外にも資格試験などの、具体的な目標があって、書斎利用が習慣になった人が多い。

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「楽しく身につくフランス語」アテネ・フランセ 責任編集 

第一部 初めてのフランス語30日 第16日目 Qu'est-ce que tu fais?  - Je cherche mon libre. Ce n'est pas ce livre? - Si, c'est ce livre. (何をさがしているの? ぼくの本をさがしているんです。 この本じゃないの? いいえ、この本です。


2005-08-28 | Weblog
今日は、お祭りに行く!
お昼から「マジレンジャーショー」を見る。
一番後ろの席になってしまったので、ヒザに子供を立たせた。
よく見えなかった。
「ガンバレー」とうちの子が叫んでいた。
一旦うちに帰り、夕方また出かける。
中央の道路でやっている、山車やねぶたを見に行く。
山車の一つに、舞台になってるのがあった。
舞台の上でバンドの人が演奏して、その前で、ダンス教室の生徒と思しき人が大勢で踊っている。
ぼ~っと見ていたら、先生とおぼしきヘルメットをしている兄ちゃんが、突然ハジの方でブレイクダンスを踊って、頭でぐるぐると回った!
うちの子の目!釘付け!!(「あれは~、できない」って言ってた。)

屋台で夕食を済まして帰る。

プール②

2005-08-27 | Weblog
今日は、この夏、二回目のプールに行った。
前回は、日焼け止めを塗らずに、日焼け地獄におちいったので、今回は、素直に塗る。
午前中は曇り、午後はチョッと晴れた。
この時期になると、水も冷たくなっている。
波のプールに入る時、「入水自殺は、冷たいからやだな~」っと、チョッと思った。

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【購入図書】 

「大英帝国の外交官」
細谷雄一 著 筑摩書房 2005年 2300円+税


新刊情報消滅!

2005-08-26 | Weblog
いつもお世話になっていたTRCの新刊情報が!!無くなっていた!
TRCのHPは、リニューアルしてあるんだけども、どこを探しても「新刊情報」が無い。
(図書館向けの有料サービス等に吸収されてしまったのかな?)
新刊情報は、かかさず読んでいたのでかなりショック!

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「できる人の書斎術」 西山昭彦 中塚千恵 著

II 大人の勉強は面白い III データからみる三○~四○代の現代書斎事情

ここでは、どうして今、(サラリーマンに)書斎なのかという話と書斎を持っている人のアンケートから現代の書斎像を探る話。

なぜ今、書斎なのか!
それは、現在は「正社員」になったからといってその地位に安住できない。そのような社会が不安定な時代をむかえている。このような時には、日頃から自分の能力や知識を高めておく事が必要である。それは、業務だけからでは培う事ができない。
そこで、家に帰ってから集中して学べる環境・・・・書斎・・・が必要である。(最低限でも机!)

次にアンケートから浮かび上がる書斎の現在の話。
日本の住環境では書斎は高根の花であった。しかし、現在PCが一家に一台ある環境になっている。そして、PCを置く机が、実質的な書斎の役割をはたす。
実際に、書斎の条件としてはPCが使えるという項目に多くの人がYESと答えている。
また、実際に書斎を機能させるためには、「仕事以外に書斎でする活動を見つけた方が良い」とアドバイスしている。


『できる人の書斎術』

2005-08-25 | Weblog
「できる人の書斎術」
 西山昭彦 中塚千恵 著 新潮社(新潮新書102) 2005年 680円+税

はじめに プロローグ I 書斎の履歴書・・・私が書斎で成長した理由

書斎術なる本を買ってみた。
この本は、いわゆる読書人の書斎の本ではなく、ビジネスマンの書斎の本。「書斎で勉強して自分の市場価値を高めようね!」みたいな本である。
ビジネス啓蒙書の類だと思う。普通は、手に取らない本なのだが?「書斎」と書いてあるとヤッパリ手にとってしまう。(しかも、ほら、啓蒙されちゃうし!)
っと言うわけで買ってみました。

今日の部分は、できる人達の書斎の話。
著者の一人、西山昭彦氏(東京ガス㈱西山経営研究所所長)の書斎の話をプロローグとして
  1. 寺島実郎 ㈱三井物産戦略研究所所長
  2. 新井 満 作家、㈱電通チーフ・プロデューサー
  3. 高橋 進 ㈱日本総合研究所理事
  4. 八塩佳子 フリーランスアナウンサー
の4氏の書斎の話がのっている。

なぜ書斎が必要なのか!西山氏によると、それは二つの習慣の法則があるからであるという。その法則とは
  1. 無駄な事はしたくない・・・・リビングのテーブルの上を片付けるような無駄な事はしたくない。
  2. 定位置に座ると居心地がいい・・・・電車でも会議でも人が座る位置はいつも同じ。家では、専用の机に座ると気持ちが良い。
西山氏は

自宅で意識を集中してクリエイティブな活動をするためには、ひとりになれる環境が必要だと私は思っている。・・・・中略・・・・没頭できる時間とそれが確保できる書斎空間が絶対に必要だ。

 であるそうだ。氏は、入社当初に先輩から言われた「どんなに遅くても、まず机に座れ」のとおりに、帰宅後デスクに座る習慣を身につけた。

次に寺島実郎氏の場合
この人は凄い!自宅の書庫と箱根に借りているコンドミニアムにあわせて3万冊の文献を持っている!資料となるようなチャンとした本は、1冊3000円はするだろうか?3万冊もあるとすぐに家くらい買えそうだ!
氏は徹底的な時間管理を行っている

夜9時以降は対外的な予定は一切いれず、必ず書斎のデスクに向かう。海外出張中もこのルールは崩さない。・・中略・・・「自分の時間管理には、僕は異常なほどこだわりがある。どんなに短くっても一時間半から二時間は毎日必ず机に向かう。三六五日。それが生活習慣なんだ」

新井 満氏の場合
氏は、書斎利用のポリシーは徹底した整理整頓である。そして

書棚は「整理の基地」として特に重視する

のだそうだ。氏は書棚にある情報は、3分もあれば検索でき、かつ、そのように整理されていなければダメなのだそうである。

高橋 進の場合
エコノミストは、「24時間営業」が求められると言う、氏にとって書斎は、第2の仕事場である。

「一日中仕事をするわけでは無いが、少なくとも二四時間問題意識を持ち続けろということ」

氏は、書斎でIT機器を駆使して最新の情報を入手している。

八塩佳子氏の場合
氏はフリーになってから書斎中心になった。同じ机で無いと意識が集中しないのだそうだ。また、女性の書斎についても一言ふれている

「女性にとって、『リビングが私の居場所』というのが一般的だけど、ずっとリビングにいると『いつでも家事をしている』という感じになってしまう。何とか自分だけの空間を作って主婦業と一線を引き、『個人としての世界』を広げていけたらいいと思います。」

以上が「できる人」の書斎利用法である。
共通しているのは、帰宅後一定時間、書斎にこもり集中的に仕事をすること。整理整頓をかかさず、書斎を機能的にすることである。


電車が来る

2005-08-24 | Weblog
今日は、わが市にとって記念すべき日・・・らしい!
なんと言っても電車が来る!

まだ、駅にも行ってないので実感がわかないんだけど、今日開駅式なるものが、あるようです。

電車が来ると、東京に近くなってなにより。
(今まで不便だったからな~)

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【購入図書】 

「できる人の書斎術」
西山昭彦 中塚千恵 著 新潮社(新潮新書102) 2005年 680円+税

ブロック遊び

2005-08-23 | Weblog
ここのところ、毎日うちの子とブロック遊びをしている。
お互いに宇宙船と基地を作って、戦っている!

今日も戦っていたのだが、何を考えたのか?ママから紐なんかもらっている。宇宙船につけたりしてる。
「パパ ボクをやっつけてみて 秘密兵器が出るから」
「え~い」 バシバシ・・・っと 宇宙船をたたくと
しゅるるる~~~~と、紐が伸びてきて、ボクの宇宙船をぐるぐる巻きにして縛ってしまった。
そして、自分の基地まで連行していった。

「あのね~ パパ~ つかまっちゃった人は、いっぱいイジワルされるの~」
「それで、イジワルが終ったら、やっと帰されるの~」

なんか 悪いテレビでも見てないか気になった。

疲れた

2005-08-22 | Weblog
2日しか涼しい所に行ってないのに、帰ってきたら暑くて寝れなかった。(4時ごろになってやっと寝れました。)

今週は、忙しいのでした。 非常に疲れた。

と言う事で、今日はこのへんで。

お帰り

2005-08-21 | Weblog
お子の熱もさがったので、帰路に着く。
今回はママ号とパパ号の2台で帰る。
パパ号は、クーラーの故障で暑い!しかも晴れ!

でも、「パパのとママのと 交代に乗る~」と言って乗り込んできた。

お饅頭を買いに停まり、セブンイレブンで停まり、ご飯を食べに停まり、水遊園で停まり、あそこで停まり、ココで休憩、コッチでおやつ・・・・・・と 一杯停まって帰ってきました。

お熱

2005-08-20 | Weblog
夜中に、お山のお家につく。静かに布団に入って寝る。

朝、5時に
「パパ 起きよ~よ~、 遊ばないと、ボクつまんな~い」
「眠いから やだ~」
と抵抗していると、手足がチョッと熱い!
朝食の時間には、うちの子はすっかり熱が上がっていました。

「頭がいたーい」 という子を寝かしつけたら・・・そのまま一緒に寝た。
お昼に、薬を飲ませるためにおこして、食べさせる。
そして、寝つかせた・・・・ら、そのまま 一緒に寝てしまった。
4時ごろ起きて、おやつを食べる。
お熱も少し下がったらしく、ちょっと遊んだ。

でも、夕飯を食べて寝かせつけたら・・・・また、そのまま寝てしまった。

人間って一杯寝れるんだな~ と思った。


   

吉田満 著書目録

2005-08-19 | Weblog
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これから、お山のうちへ行ってきます。 またね~
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「戦艦大和ノ最期」 吉田満 (読了)

「戦艦大和ノ最期」初版あとがき、決定稿に寄せて、「鎮魂戦艦大和」あとがき、解説(鶴見俊輔)、作家案内(古山高麗雄)、著書目録

後の参考のため、著書目録を書き写す。

【単行本】
軍艦大和(口語体)  昭24.8 銀座出版社
戦艦大和の最期     昭27.8 創元社
青森賛歌        昭42.7 東奥日報社
戦艦大和        昭42.11 河出書房
(「太平洋戦記シリーズ」)
戦艦大和        昭43.7 角川文庫
戦艦大和の最期    昭44.9 筑摩書房
(「現代日本記録全集」第21巻)
戦艦大和の最期    昭46.1 偕成社
(「少年少女世界のノンフィクション」)
戦艦大和ノ最期     昭49.8 北洋社
(決定稿保存版)
鎮魂戦艦大和     昭49.12 講談社
日米全調査戦艦大和 昭50.11 文藝春秋
(原勝洋と共著)
散華の世代から    昭50.11 北洋社
提督伊藤整一の生涯 昭52.11 文藝春秋社
鎮魂戦艦大和(上下) 昭53.3 講談社文庫
特攻体験と戦後    昭53.8 中央公論社
(島尾敏雄との対談)
戦中派の死生観    昭55.2 文藝春秋
散華の世代から    昭56.3 講談社
平和への巡礼     昭57.9 新教出版社
ドキュメント戦艦大和 昭61.4 文春文庫
(原勝洋との共著 『日米全調査戦艦大和』改題)
「戦艦大和ノ最期」   平元.12 小学館より
(「昭和文学全集」第34巻)

【著作集】
吉田満著作集上     昭61.9 文藝春秋
吉田満著作集下     昭61.9 文藝春秋

【文庫】
戦艦大和         昭43.7 角川文庫
(解=阿川弘之)
ドキュメント戦艦大和  昭61.4 文春文庫
(解=吉田俊雄)


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「楽しく身につくフランス語」アテネ・フランセ 責任編集 

第一部 初めてのフランス語30日 第15日目 まとめ 2


「生還」

2005-08-18 | Weblog
「戦艦大和ノ最期」 吉田満

漂流、救出、艦隊敗残、救出消息、生還、感懐片々

大和の沈没時の渦に飲まれたが、吉田は海上に浮かび上がってきた。

重油滲ミテマナコ開カズ 息ヲ吐キツツコジアケ、耳ヲ拭イ漂ウコト数分
ヨウヤクニシテ、身辺ナオ娑婆ノ連続ニシテ冥途ニ非ザルヲ悟ル  --畜生、浮着キ上ッタカ、マタ生キタルノカ --
・・・・中略・・・・・
悶エクルシムハ深傷ノ兵カ 重油ノ黒一色ノタメ、鮮血ヲモ判別ヲ得ズ
哀レ発狂シテ沈ミ行クモノアリ 重油ノ吸収ハ生理ニ異常ヲ来ス 笑ウ如キ唱声、ムシロ嬌声ニ近シ
動作活潑ニ過グルモノノ瞬時ニ姿ヲ没スルハ、ソノ動キ標識故ニ、飢エタル鱶ノ餌食トナルカ
力ツキ沈ミユク兵多シ 若キ兵ノ多クハ、母ヲ恋ウラシキ末期(マツゴ)ノ声ヲアゲ、天ヲツカム双手シク突キ上ゲタママ、ズブト姿ヲ消ス

声涸レテ響ワタル 「准士官以上ハソノ場デ姓名申告、附近ノ兵ヲ握ッテ待機、漂流ノ処置ヲナセ」叫ブノハ横顔ノ清水副砲長カ

吉田も附近の兵を助け洋上を漂流する。やがて駆逐艦「月影」があらわれる。生き残っている兵とともに、吉田も縄梯子によじ登る
すでに体力は限界に来ていた。

「ガンバレ、ガンバレ」甲板ヨリ、耳ヲ突キ刺ス兵ノ声
彼ラ、ワガ苦闘ノ一切ヲ目撃シタルナリ 真情ニ貫カレタル激励
「生キロ、生キロ、ココマデ来テ死ンデ相済ムカ、死ンデ許サレルカ」身ウチニ叫ブ声初メテ、真ニ初メテ、生ヲモトム意地、カット開ク

「冬月」は、潜水艦の攻撃を受けながらも、佐世保港に帰還した。
帰還後、漂流者には休暇があたえられる。

漂流者慰労ノ休暇ヲ賜ワリ、思イ掛ケズ、故郷ニ旅立ツ
途次、電報ヲ打ツ
遺言スデニ参上シタレバ、父上、母上、諦メ居ラルルヤモ知レズ  -- 喜ビノ心構エヲシツラエ給エ
家ニ着ク 父、淡々トシテ 「マア一杯ヤレ」
母、イソイソト心尽クシノ饗応ニ立働ク フト状差シニ見出シタル、ワガ電報 -- 文字、形ヲナサヌマデニ涙惨ム

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「楽しく身につくフランス語」アテネ・フランセ 責任編集 

第一部 初めてのフランス語30日 第14日目 Ou est votre pere? -- Il est au cafe en face. (あなたのお父さんはどこにいますか? 前のカフェにいます。)


「巨鯨沈ム」

2005-08-17 | Weblog
「戦艦大和ノ最期」 吉田満

死生ノ寸刻、最終処置、脱出、巨鯨沈ム、自爆

「作戦中止、人員救出ノ上帰投」の決定のあと、士官達は、イロイロは物の処理に急ぐ。また、責任のあるもの達は自らをロープで縛り自決の準備をする。

見レバ、航海長(中佐、操艦航行ノ責任者)、掌航海長(中尉、ソノ輔佐)向キアッテ「ロープ」ヲ手繰リツツアリ
・・・・・中略・・・・・・
コレヲ見テ、ワレモ自然ノ動作ニ腰ヲマサグル カネテ用意ノ「ロープ」アリ 特攻作戦ノ終末ノカクアラントハ、充分予期セルトコロナリ
「何ヲスルカ、若イ者ハ泳ゲ」森下参謀長怒声、鉄拳ヲマジエテス凄マジキ権幕ナリ 端ヨリ殴リツケラル
意ヲ翻シ「ロープ」ヲ捨テテヤムナク命ニ従ウモ、憤懣消エヤラズ
歯ヲ嚙ミクダク思イニアタリヲ睨ムーーー今ニシテ脱出セントハ、何ノタメノ自決用「ロープ」ゾヤ

吉田は脱出する。しかし、脱出したところで助かるわけでもない。
巨艦が沈む時には、大きな渦ができる。

事前ニ遠ク泳ギ得テ、コノ渦流ヨリ免レタル者皆無
カカル大鑑ニテハ、半径三百米ノ圏内ハ危険区域ナリトイウ
救出決定遅キニ過ギ、コノ距離ヲ泳ギ抜ク余裕ヲ奪ウ
総員戦死、コレ運命(サダメ)ナリシナリ

沈みゆく大和は搭載している砲弾が誘爆して、大きな火柱となる。

「大和轟沈 一四二三(二時二十三分)」 敵味方、同時ニ飛電ヲ発ス
間断ナキ対空戦闘ニ時間 ココニ終止

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「楽しく身につくフランス語」アテネ・フランセ 責任編集 

第一部 初めてのフランス語30日 第12日目 Il y a une voiture la. C'est la voiture de mon pere.  (あそこに車が一台あります。それは私の父の車です) 第13日目 Est-ce qu'il ya a des voitures devant la maison? - Oui, ce sont les voitures de vos parents. (家の前に数台の車がありますか? ええ、あなたのご両親の車ですよ。)

フランス語で 車は、 voiture なんですが、 car てのもあるんだな?
でね、 car は、郊外のバス、観光バスだって!
ついでながら、 bus もちゃんとあって、コッチは市内のバス!

う~ん、謎だ~。