「日本残酷物語 現代編2 不幸な若者たち」
第二章 離郷者のむれ 荒野に消える声 満蒙開拓青少年義勇軍
昭和八、九年、満州開拓民の移住計画がまだ試験期間であったころ、すでに在郷軍人を中心とした成人開拓民のほかに、青少年を入植させようとする運動がすすめられた。そして、加藤完治氏の指導の下で十七、八歳の日本人少年が「大和村北進寮」を建てたこれが満蒙開拓少年義勇軍の始まりである。その後加藤完治氏が主宰する国民高等学校内内村農場で訓練を受けた青少年が満州に送られた。
内村訓練所での訓練生活は二か月であった。訓練も作業も軍隊のように厳しいもので、中には訓練の辛さに堪えかね退所を申し出るものや無断で逃げ出す者もいた。
(以後、青少年を率いて満州に渡った佐藤省三の話。)
2か月の訓練時間が終わると彼らは、満州の嫩江大訓練所に向かった。しかしその嫩江大訓練所は、建物も非常にお粗末なものであった。
彼らは、貧しい食事と激しい労働と戦い、満州の開拓に乗り出した。しかしその土地は蒙古草原で、樹木らしいものもなくアルカリ乾燥地帯の人間の定住には最悪の条件であった。彼らは三ヶ年の訓練生活をヘって第一次大崗義勇軍開拓団に移行しこの草原を開拓していった。しかし昭和二十年になると、団員のほとんどは軍隊にとられてしまった。残ったわずかの団員では営農経営は行えず、団員は団本部に集結した。そのような状態で八月十三日をむかえ、県公署から避難命令が伝達される。
団員は財産を満人に与え、集結を予定されていた瀧山開拓団にひきあげた。ここから定められたチチハルまで逃避行を行う。瀧山には婦女子を合わせて四百人近い人たちが集まっていた。
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「茨城と親鸞」 今井雅晴 著
50.桜川 - 若い武士に信仰を説く 51.爪かき阿弥陀堂 - 常陸国府の外港、高浜 52.鹿島・なめかた - 広域に数多くの門弟 53.細文字阿弥陀仏画像 - 怪しい光、湖底に仏像
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「花ことば物語」 鈴木美智子 著
花言葉物語・春の花ばな さくら、れんげ、チューリップ、たんぽぽ、ぼたん、かたくり、やまぶき、みやこわすれ、ばら
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【9月のまとめ】
読み終わった本は2冊。
「前田建設ファンタジー営業部」 前田建設工業株式会社著(読了08)
「フリーズする脳」 築山 節 著(読了08)
第二章 離郷者のむれ 荒野に消える声 満蒙開拓青少年義勇軍
茨城県水戸市の西方にある内原駅。常磐線の上り下りの列車が着くたびに、瞳をかがやかし、頬を紅潮させた少年たちがおびただしく吐き出されてくる。昭和十二年(一九三七)十二月、「青少年開拓民実施要領及び理由書」が拓務省で決定されたことによってこの地に満蒙開拓義勇軍内原訓練所が設置されて以来、内原は少年たちにとって一種の「聖地」となった。
昭和八、九年、満州開拓民の移住計画がまだ試験期間であったころ、すでに在郷軍人を中心とした成人開拓民のほかに、青少年を入植させようとする運動がすすめられた。そして、加藤完治氏の指導の下で十七、八歳の日本人少年が「大和村北進寮」を建てたこれが満蒙開拓少年義勇軍の始まりである。その後加藤完治氏が主宰する国民高等学校内内村農場で訓練を受けた青少年が満州に送られた。
内村訓練所での訓練生活は二か月であった。訓練も作業も軍隊のように厳しいもので、中には訓練の辛さに堪えかね退所を申し出るものや無断で逃げ出す者もいた。
(以後、青少年を率いて満州に渡った佐藤省三の話。)
2か月の訓練時間が終わると彼らは、満州の嫩江大訓練所に向かった。しかしその嫩江大訓練所は、建物も非常にお粗末なものであった。
内地で胸をおどらせ、夢にまで見た北満第一の訓練所のこのありさまに、気負い立ってきた幹部も若い隊員たちも気負けして、胸にポッカリと大きな穴があいてしまった感じであった。
彼らは、貧しい食事と激しい労働と戦い、満州の開拓に乗り出した。しかしその土地は蒙古草原で、樹木らしいものもなくアルカリ乾燥地帯の人間の定住には最悪の条件であった。彼らは三ヶ年の訓練生活をヘって第一次大崗義勇軍開拓団に移行しこの草原を開拓していった。しかし昭和二十年になると、団員のほとんどは軍隊にとられてしまった。残ったわずかの団員では営農経営は行えず、団員は団本部に集結した。そのような状態で八月十三日をむかえ、県公署から避難命令が伝達される。
団員は財産を満人に与え、集結を予定されていた瀧山開拓団にひきあげた。ここから定められたチチハルまで逃避行を行う。瀧山には婦女子を合わせて四百人近い人たちが集まっていた。
この集団の新京への逃避行ほど悲惨なものはなかった。「先へ行って下さい」とかぼそい声で泥寧の上にすわりこんで、置き去りにされた老夫婦。ゆるい一つの丘陵をこえるとき一行がふりかえって手をふると、二人もこたえて手をあげるのが見えた。幼稚園の生徒の遊戯のように円陣をつくらせてお菓子をあたえ、うれしがってはしゃいでいるその真中に手榴弾を投げ込んで殺した、二十余人の幼児の霊魂。精神異常をきたした母親に「死んで、死んで・・・・」と首をしめられた赤ん坊。「ラクにして下さい。殺して下さい」と必死に嘆願して注射で絶命していった老人たーーー暴虐な自分たちの国家がおかしたかずかずの支出勘定は、すべてこういう人々が償いをしたのである。
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「茨城と親鸞」 今井雅晴 著
50.桜川 - 若い武士に信仰を説く 51.爪かき阿弥陀堂 - 常陸国府の外港、高浜 52.鹿島・なめかた - 広域に数多くの門弟 53.細文字阿弥陀仏画像 - 怪しい光、湖底に仏像
平安時代の歌人として知られる紀貫之(きのつらゆき)は、桜川市を流れる桜川の春の情景を次のように歌っている(『後撰和歌集』)。
つねよりも春べになれば桜川
波の花こそ間なくよすらめ
謡曲「桜川」でも知られた桜川は、桜川市の東北の山中にある鏡ケ池から発して、つくば市を通り、霞ケ浦に注ぐ。
つねよりも春べになれば桜川
波の花こそ間なくよすらめ
謡曲「桜川」でも知られた桜川は、桜川市の東北の山中にある鏡ケ池から発して、つくば市を通り、霞ケ浦に注ぐ。
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「花ことば物語」 鈴木美智子 著
花言葉物語・春の花ばな さくら、れんげ、チューリップ、たんぽぽ、ぼたん、かたくり、やまぶき、みやこわすれ、ばら
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【9月のまとめ】
読み終わった本は2冊。
「前田建設ファンタジー営業部」 前田建設工業株式会社著(読了08)
「フリーズする脳」 築山 節 著(読了08)