イバラノツルヒコの華麗なる生活

ボンソワール、今夜も僕と素敵な話をしよう

命名おはぎ

2005-07-02 10:37:00 | Weblog


土曜の朝に電話なんて珍しい、と思ったら華子からだった。なんだか声が浮き立っている。話をきくと、例の豆柴の子犬を本当に飼うことになったらしい。どうやって両親を説得したのか知らないけど、僕としては嬉しいことだから素直に良かったね、と言った。

「それでね、名前をつけようと思うんだけど」
そりゃそうだね。それを僕に相談してくるなんて、華子も結構可愛いところがあるなあと思ったら、
「おはぎと白玉、どっちがいいと思う?」
と聞いてきた。
え?おはぎとしらたま?子犬の名前だろ、ときくとケロッとした声でそうよ、という。どういうセンスだよと思うけど、華子は僕の抗議なんかてんで聞いちゃいなかった。しまいには「きなこ」とか「すあま」とか言い出して、…それって全部自分の好きな和菓子じゃないか。わが妹ながら何を考えているんだか全然わからない。

結局ひとりで散々盛り上がってから、「やっぱりおはぎにするね!」と言って電話は切れた。これじゃあ相手が壁でも一緒だよ、と僕はため息をつきながら、でもやっぱりちょっとペットができたのは嬉しいなあとか、そうはいってもその名前ってどうなんだとか、複雑な気持ちで受話器を置いたのだった。