イバラノツルヒコの華麗なる生活

ボンソワール、今夜も僕と素敵な話をしよう

魔法使いとケーキやさんと

2005-07-08 12:26:25 | Weblog


僕が覚えている一番最初の「なりたかったもの」は、子供向けの本に出てくる主人公だったと思う。魔法使いの見習いの少年が、いろんな冒険をしていくっていうやつ。魔法がつかえるってことよりも、ドラゴンに乗ったり、いろんな仲間に助けられるとか、そういうのが良かったんだろうな。

次に夢見たのは、ケーキやさん。僕は甘いものが大好きだったから(…今も好きだけど)、ケーキやさんになれば毎日おいしいケーキが食べられる!って思ったわけ。でもそのことを言ったら、だれか友達に「でもケーキやさんはつくったら売るんだから、ケーキは食べられないんじゃない」って言われて、その夢はあっけなく壊れてしまった。どっちかっていうと、お菓子の家に住みたいとか、そういうほうが理想に近かったかも。(でもこの前、ケーキ屋でバイトしている女の子が「売れ残りのケーキをもらって帰るから太っちゃって」とか言っていた。そう考えると当時の僕は、ちょっと夢をあきらめるのがはやすぎたかもしれない。)

もう少し大きくなると、今度はマンガ家がいいなあって思うようになった。何しろ夢見がちで、結構気が多い僕としては、それを作品の上で表現してしまえば夢がかなったようなものだから、一番いいような気がしたんだ。小説家でもいいわけだけど、当時はマンガが面白いと思っていたし、その影響で絵を描くのも好きだったしね。でも結局、あきっぽすぎて、ひとつのストーリーを終わりまで考える前にどんどんほかのものに興味がうつちゃうから、これも無理だなあって思った。

ああ、それからもうひとつあった。「はやく大人になりたいなあ」って思ってたんだっけ。これだけは、なんとなく達成されたのかもしれないけれど、当時思っていた「大人」っていうのとはだいぶ違うみたいだ。夢見ていたような大人になるには、まだずいぶんかかってしまいそう。