とりあえず宇宙世紀のモビルスーツ史の創世記を飾る傑作機、ジオン公国軍主力モビルスーツザクより地上戦用J型の登場。
十年ほど前にマスターグレードシリーズの先駆けとしてF型(J型とコンパチ)がリリースされましたのでコイツはVer.2の扱いですね。
現在の目で見ればVer.1のザクははっきり言って見るに耐えない完成度ですが、あの当時ボディだけでも内部フレームを搭載したことは革命だったんです。
さて、リアルロボットというジャンルを日本のサブカルに築き上げ、またマスターグレードの始まりを告げた、という「始まり」の血を引くザクですが、この「Ver.2」は歴史をまた創り出したのでしょうか…?
では、レビュー、いってみよー☆
フロント
リア
MS-06JザクⅡ(地上型)
全高:17.5m
重量:54.2t
全備重量:74・5t
ジェネレーター出力:976kw
装甲材質:超硬スチール合金
まあ、コイツのストーリー的な解説を始めるとそれだけで記事一つ書けてしまうのでやめといて、プラモとしてのレビューをしていこうと思います。
プロポーション、ちょっとヒロイックすぎるかな?スカートアーマーが短め小さめで、ちょっと脚が長すぎる気がします。
泥臭いほうがカッコイイ「ザク」の、しかも地上戦型なんだから、もう少しドッシリした威圧感を与えたほうが良かったんじゃないかと。
ただ、製作してて楽しいのは確かですね。何せ装甲、フレームに合わせ目が全く露出しないんですから。そりゃあ楽しいですよ。他にも
脚部動力パイプのランナーなんですが、ガンダムVer.1.5と同じく多色成形ならぬ多重ランナー。簡単に言えば複数枚のランナーが既に組み合わさった状態で、切り出せばそれで組み立てが終わるというもの。今回は動力パイプに使用されてます。各パイプを切って、スライドさせればもう芯に通ってるというもの(ちょっと分かりにくいか…?)
このパイプ、Ver.1では軟質樹脂→スプリング→パイプといった脅威の三重構造だったんですが、今回は脚部のみスプリング→パイプ、それ以外は軟質樹脂→パイプでした。前作と違って可動範囲が格段に向上してるため、それを妨げないようにとの配慮でしょうが、やはりスプリングは通してほしかった…
リアリティが増しますからね。
んで、こちらがフレーム
もう二度としません。装甲が割れないかとハラハラ…
残念ながら早速一枚犠牲になってしまいました…反省。
でまあ、ちょっと凝りすぎてるくらいのフレームですが、ふくらはぎとか胴体は二重構造だったりします、さりげに。
あと律儀に~も剥ぎ取られた装甲板の裏にもトラス状のモールドが入ってます。
まあ…それでも今のマスターグレードはこれくらいないと、っていう感じもしますし、「ま、こんなもん」感は否めません。ただ左肩ショルダーアーマーのインナーフレームはいい仕事だと思います。
最近のマスターグレードがどれも高品質なわけであって、決してコイツが「プラモ全般」から見て普通ってワケじゃありませんよ?マスターグレードの目指すものが高い、全体のレベルが高いから普通に見えてしまうんです。
ちなみに、下腹部にはミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉がしっかり再現されてます。
横に同スケール(1/100)の人形立たせれば分かりやすいんですが忘れましたすいません。大体高さが人間と同程度という、脅威の核融合炉です。
可動範囲はご覧の通り
秀逸。この一語に尽きる。
樹脂も改良されてきて、そうそうヘタレそうにありませんし。
腕部はこんな感じ
写真ではこんなもんですが実際は完全に肘を折りたためます。
指は親指、人差し指、残りでくっついてたんですが、切断して五指全可動に。さらに親指以外の指は第二関節まで曲がります。これは素晴らしい。
で、気になるのが手首の第一節の微妙な可動ポイント…
何が目的で…?
ま、面白いから全然OKですけどねwwww
あと、オプションで指揮官用のブレードアンテナが二種類付属してました。
テレビ版
リアル版(私はこっちが好み)
兵装解説
ザクマシンガン
言わずと知れたザクの主兵装。120mmの弾丸を射出する。弾頭にも通常弾、徹甲弾、ホロチャージ弾などいろいろあった模様。
ちゃんと弾倉内には弾丸がありました。こりゃうれしい。
さらにマシンガン本体も実銃のように分解できました。
バズーカ
随分と大型化されて格好良くなってます。スコープ部にはフタがあって開閉可能。
さらに腰部にマウント可能。
ヒートホーク
こちらも随分大型化。
色は本来ならば紫ですが、こっちのほうが私は好きです。ラッチを介して腰部にマウント可能。
脚部ミサイルポッド
ミノフスキー粒子によってレーダーが使用できないからこそ開発されたモビルスーツになぜか搭載されているレーダーでロックオンしなきゃ使えない兵装。
脚に引っかかってるだけなのですぐに外れてズレちゃいます。
あと脚にあっても絶対発射直後に障害物にぶつかる気が…
総評
☆☆☆☆・
ちょっと辛口につけました。ガンプラを多く造った身としてこの点数ですから、普通の人々には十分満足のいく出来かと。
全体的には非常にいいんですが、本当に細かいところで詰めが甘い。
それこそミサイルポッドの接続、あと手持ち武器を手にあるダボで接続するんですが、ザクマシンガンとの相性が悪く、上手く持てません。
あと、これは最近のマスターグレード全てに言えるんですが、説明書の機体解説が雑すぎる。昔は「頭部」「腕部」「武器」とか、その部分を造る前にその部分の説明書きが入ったんですよ。それもかなり詳しいやつ。それが無いんですよね。これはやめてほしい。もともとヘビーユーザー向けなのに甘すぎる。
なんか最近のって子供も対象みたいな設計なんですよね。ウィングの基部にビスが無ければアンテナのエッジは立ってない。もともと対象年齢15才以上なんだからACVIぐらい思い切っちゃっていいんですよね、絶対。
ま、そんなわけだから私は大型バックユニットがあったりする機体は原則買いません。絶対と言っていいほど確実に強度欠陥があるんですもん。
話を戻そう。
ま、そんなこんなでコイツもあと一歩踏み込めるんですけどそれがバンダイにはできないから評価が下がってしまうんです。非常にもったいない。
ま、バンダイは玩具メーカーですから仕方がないといえばそうなのかもしれませんね。
それにしても…なぁ
ランスロットとかアルティールは刺さるくらいのエッジだったのに…
やれば出来るんだからやろうぜバンダイ。応援してるからさ。頑張れよ。
次のマスターグレードはユニコーンですね。アイツは即買いです。
ではまた