「心が・・・」
夕食をいただいていました。
夜行バスで帰る娘との食事も暫くおあずけになります。
切ない親父の気持ちを知ってか知らずかマシンガン・トークで盛り上がります。
私にとって大事なひと時・・・
食事も美味しくいただきお茶をいただいている時、「何でだろう、手が冷たくてしようがない・・・」
お湯呑みで手を暖めていると、「あっ!」っと息子が立ち上がるのです。
ジャージを置いてあるところに行きポケットの中を探します、「あ~、イケんかった・・・」
手に持っているのは使い捨てカイロ。
今日、使ったものだが、もしかしたらまだ暖かいのではないか・・・
そう思い立ち、探してくれたのです。
「どれ、貸して見て・・・」そう言い、息子から手渡されたカイロは冷え切っていました。
「こりゃイケんわ!」って目の前にあるゴミ箱にポィ・・・と私。
「何でかな~!心が温まったよ!って言えないかな~!」っと坊守。
シマッタ・・・
正しくその通りで、何も言葉が出ません。
椅子に座る息子に「ありがとう!心が温まったよ!」って二番煎じ。
いつも、こんな感じです。
外面住職は、どこまでも外面をよくし生きています・・・
だから、知らず知らずのうちに本当の優しさを踏みにじっているコイツがいました。
情けないことです・・・
誕生パーティーを済ませて、「さあ、出ようか・・・」
大洲発となるので50キロ程のドライブ。
寂しがり屋の家族が車内で寄り添います。
優しい息子は自分の好きな曲は控えめに姉や坊守の曲を重点に聞きます。
大切な娘を乗せたバスを見送り、「さあ、帰ろうか・・・」
賑やかに来た道を「ガラン」っとした感じで帰っていきます。
息子が歌います・・・大好きなYUI。
「さあ、また、願生ろう!」そんなエールを私に送ってくれるようでした・・・
ありがとう・・・心が温かくなったよ!