Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

桜咲く

2006-04-10 08:09:35 | 自然から学ぶ


 桜の便りが長野県にもやってきた。先日飯田で開花宣言があったが、桜にもいろいろ種類があるから、早いものはすでに咲いている。単身赴任しているから、自宅のある場所では1週間ごとの季節感しか味わうことはできないが、長野市と伊那谷ではずいぶん違いはある。いや、伊那谷といってもいろいろである。スキー場が間近にある南の旧浪合村や平谷村といったところは、雪も多く、もちろん標高が高いから寒さも厳しい。単純に南と北といっても一様ではない。飯田は暖かいとはいうものの、けっこう雪も降る。むしろ、50キロメートルも北の伊那市あたりの方が、中心街の雪は少ないかもしれない。標高差も同じ行政区域でもさまざまだし、もっというと今は飯田市に合併されたが、旧南信濃村は、県の南端にありながら豪雪指定地域だった。それほど雪は多くもないのになぜ「豪雪」という感じもあったが、いずれにしても南北だけでは計れないものがある。

 とはいえ、桜はやはり南の方から咲き始める。もちろん標高の高いところは遅いが、前述したように同一の自治体のなかでも標高差によって早い遅いがある。天竜川に沿った地域では、現在下伊那郡と上伊那郡の境あたりまで桜は満開である。しかし、段丘を上がるごとにその咲き方は五分、三分と減少し、段丘の最上段までいくとつぼみは固い。こうした空間を上下して暮らしているから、桜の季節は、平野部にくらべると長い。季節感がいまいち統一感がないのもそうしたところに理由がある。だから同じ空間で暮らしているのに人によって季節感がばらつくのである。「桜は4月上旬には咲く」という人もいれば「下旬に咲く」と認識している人もいる。

 今年は梅が咲くのが遅かったといわれ、場所によっては桜と一緒に咲いていたりする。通常北に行くほど梅と桜の咲く時期が近寄るといわれているが、今年は長野県南部でもかなり接近している。そういう視点で見れば、段丘の上の方ではようやく梅が咲いているが、段丘の下のほうでは桜が満開で、散るのは桜の方が早いかもしれない。例年にくらべればけして桜が遅いわけではないが、ここ数年早かったこともあって、「今年は遅いなー」という印象があるのはわたしばかりではないだろう。

 写真は下伊那郡松川町生田の福与というところで撮った。部奈(べな)という集落が段丘上にあって、そこへ通じる道沿いに古木の桜がある。鑑賞できるように歩道が整備されていて、けっこう人が集まっていた。天竜川端の県道から上を見て、立派な桜があるなーと思ったら案の定、そういうものにみんな目が行くようで、人が集まっていた。

 撮影日2006. 4. 9 PM

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