Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

日本の変わる日前夜に

2009-08-29 22:13:55 | つぶやき
 いよいよ衆議院議員選挙である。選挙前日までの期日前投票を行った人は前回に比べて1.6倍だという。政権交代が焦点と言われる今回の選挙は、歴史的な結果になることは既定のものなのかもしれない。そして期日前投票と同様に投票への関心が高ければ、もしかしたら民主党の大勝となり、二大政党どころか自民党が消えかねないわけである。既に参議院では民主党が実権を握っているわけだから、いわゆる二大という表現からは遠いものになりうる。それが何を意味しているかはともかくとして、結局は自らの利益を考えて投票する国民がほとんどだろうから、あえてここではわたしにとってマニフェストの整理をしておかなくてはならない。

 自民党の「日本を守るための約束。」というものを開いてみよう。「「国のしくみ」のマイナスを改め、プラスへ。」という3項目には、直接的にわたしの生活には影響は無い。いわゆる民主党の顔色を見て仕組まれた3項目といっても差し支えない。具体的な数字では平成29年までに道州制を導入するということ、平成27年までに国家公務員を8万人以上削減するということ、10年後には国会議員を3割以上削減するという。結論的には行政の効率化によって削減した経費をより効果的な部分にあてて行くという意味なのだろうが、いずれにしても具体的な部分は見えていない。さらにはこれまで口にはしても実現できなかったことが実績としてあるから「信用」という面で不信を買うのは致し方ない。いずれにしても無駄を省いたところで必要な部分に予算をあてれば税金が安くなるというわけではないから、具体的な形でわたしの生活に影響することは無さそう。「「生活を支えるしくみ」のマイナスを改め、プラスへ。」の7項目では、教育に関する部分ではすでに18歳になる息子にはあまり関係のないこと。雇用に関してもすでに中年に至っているわたしにはもし今会社を退いてもそれを補ってくれるような補填は無さそう。高齢化社会への制度充実は今後その世代に入っていくわたしには重要な部分なのだろうが、年金が一元化されたからといって年金の将来は見通せないからそれほど期待できるものではないことは言うまでもない。この部分は他党も具体的な政策が出されているわけではないから、この視点をもって比較することは難しい。そのほかの「お約束」も口だけだろうと言われるとそうも見えてきて、やはり自民党には「信用」という問題がつきまとう。

 さて次に本命の民主党である。民主党政権が政策を実行する手順にうたっている内容を見てみよう。子ども手当・出産支援と公立高校の実質無償化については、我が家にはまったく関係ない。今更ということでこれを上げられても喜べない。むしろ今まで子どもを育ててきた家庭にとってはこれを「格差」という。年金制度の改革についてはさほど目新しくない。医療・介護の再生あたりが最も関係するところだろうか。しかし直接的にはやはり関係してこない。農業の戸別所得補償については、「販売農家を対象に所得を補償」するといっていることから自家消費農業をしている者にとっては関係のないこと。これをもって農業再生と言えるのなら、自民党政権時代に再生されていただろう。暫定税率の廃止はけっこう影響ある。ガソリン代が安くなるわけだから「この約束は使える」というところだが、遠出もしないできることなら自動車を使わないという意識を持っている以上、必ずしも選択の重点項目ではない。さらに高速道路の無料化に至っては、ほとんど利用しない者にとっては不要である。間接的に受益を得ているという主張もあるが、自家生産消費率の高い我が家ではあまり関係がない。雇用対策については自民党の項で述べた通りである。なお、外交関係については自民党に比較して具体的な表現は少ない。

 ここまできて次の党に行く気がなくなった。どうも具体的な数値が見えないし自分の暮らしにどう影響があるかも想定しづらい。自民党が言う消費税アップは影響が大きいが、消費額の少ない我が家にとってはとてつもなく大きな問題ではない。なだれをうって政権交代に向かうこと必至なのだろうが、こうして自分の実際の暮らしに当てはめてみると、むしろ変わらないで欲しいという保守感もある。あくまでもこれは自分の暮らしを照らし合わせてみただけで、ここにいわゆる生業を当てはめると異なってくるが、おそらく多くの人は生業に照射して結論を出すことになるのだろう。しかし、これもまたわたしにとってはあまり重要ではない。なぜならば、いただける残業代を「いらない」といって損をしている人間にはもっと違うポリシーというものがある。それは生業を越えた人生観だと思っている。あれほど郵政民営化に賛同した国民が、なだれを打って逆パターンを望んでいるとしたら、「あなたたちにはポリシーと言うものがないのか」と問いたくなる。わたしは流れに乗った行動はしない。
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